42.夢の続き
夢主名前設定
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夢主は斎藤の姿を見送り、ようやく金縛りから開放された。
「本当に沖田さん、大坂で……どうしたんだろぅ」
食事に向かう途中だった夢主は座敷に向かうしかなかった。
緊張した体で出来るだけゆっくり向かう。
座敷に着くと斎藤はおらず、沖田はいつもの場所に座っていた。
斎藤を呼び出したのは同じく座敷にいない土方か、屯所内の誰かなのだろう。斎藤の膳には食事が用意されていた。
夢主は斎藤を待つ為に時間を掛けて食事をするか、手早く食べて少しでも早くこの場から立ち去るか、迷っていた。
席に着いても恥ずかしさが消えずに、沖田の顔を見ることが出来ない。
ひたすら膳に視線を落としても、すぐ隣で自分を見ている沖田を感じる。
周りからも視線を感じた。不思議そうにこちらを見ている。
どうして良いか分からず、いつもでは考えられない速さで食事を進めた。
「ご、ご馳走様でした……」
小さく言うと、夢主は顔を上げず片付けもせずにその場から逃げ去った。
座敷を飛び出すが、沖田が足音を抑えて追い掛けた。
「夢主ちゃん!」
「ぁっ……」
座敷から離れた所で呼び止められた夢主は、びくりと体を強張らせて振り返った。
「さっきはごめんね夢主ちゃん、怖い思いさせちゃったかな」
自分を見て体を硬直させるなど今までに一度たりとも無かった。
沖田は先程の行動を悔いていた。
「僕達がいない時にあんな事があって本当に怖かったと思って……それでも頑張った夢主ちゃんに僕の気持ちを伝えたかったんだ。それなのに、返って怖い思いをさせちゃって……ごめんなさい!」
頭を下げる沖田には、先程の男を意識させる空気は漂っていない。
「そんな……沖田さんの事、怖くなんかありません。ただ……突然で、ちょっとビックリしちゃって……まさか、」
夢主はこの時、まさか沖田がそんな事をする訳がない……そう決め付けていた自分に気が付いた。
優しい沖田、いつも自分の気持ちを大事にしてくれる。
もしかして男と認めて欲しくて、あんな行動に出たのだろうか。
これだけ近くにいるのに男として見てもらえず、もどかしさを感じていたのか。
だとすれば、そう思わせてしまった自分にも責任があるのではないか。
沖田を追い詰めていた、申し訳なさが込み上げてくる。
「沖田さん、私……沖田さんの事ちゃんと男の方として見ていますよ……」
「え?」
沖田は突然の言葉に首を傾げた。
夢主は今まで何度も頼もしく感じた沖田を思い出した。
男を感じた姿だって幾度もある。
休息所で一番隊組長!と、お道化た沖田の流し目……
薬を塗ってもらった時の強引さ……
弱い酒に酔ってしまった時に向けられた男の眼差し……
どれも胸の奥を突くような刺激を与えられた。
何より、優しく見守ってくれる姿、それが男らしさ以外の何と言えるのか。
「沖田さんはいつも私を気に掛けて下さって、とっても優しくて……頼もしくて……頼れる男の方です。いつも沖田さんのお心遣いに助けられています。来たばかりの頃なんて……」
「夢主ちゃん……」
この世界に来て、初めて心の落ち着く夜を与えてくれたのも沖田だった。
「でも、やっぱり大事な……お友達……」
「あはっ、それを言っちゃうんですね」
「はぃ、言わせてくださいっ。沖田さんのこと大好きです……大好きですけど、お友達として……そう思ってます」
「うん……知ってるよ……」
沖田は儚く笑いながら頷いた。
「大坂で何かあったのですか」
「え、僕ですか?!」
沖田は斎藤では無く僕が?と思わず口走りそうになった。
夢主には伝えないと約束をした。慌てて言葉を飲み込んだ。
「本当に沖田さん、大坂で……どうしたんだろぅ」
食事に向かう途中だった夢主は座敷に向かうしかなかった。
緊張した体で出来るだけゆっくり向かう。
座敷に着くと斎藤はおらず、沖田はいつもの場所に座っていた。
斎藤を呼び出したのは同じく座敷にいない土方か、屯所内の誰かなのだろう。斎藤の膳には食事が用意されていた。
夢主は斎藤を待つ為に時間を掛けて食事をするか、手早く食べて少しでも早くこの場から立ち去るか、迷っていた。
席に着いても恥ずかしさが消えずに、沖田の顔を見ることが出来ない。
ひたすら膳に視線を落としても、すぐ隣で自分を見ている沖田を感じる。
周りからも視線を感じた。不思議そうにこちらを見ている。
どうして良いか分からず、いつもでは考えられない速さで食事を進めた。
「ご、ご馳走様でした……」
小さく言うと、夢主は顔を上げず片付けもせずにその場から逃げ去った。
座敷を飛び出すが、沖田が足音を抑えて追い掛けた。
「夢主ちゃん!」
「ぁっ……」
座敷から離れた所で呼び止められた夢主は、びくりと体を強張らせて振り返った。
「さっきはごめんね夢主ちゃん、怖い思いさせちゃったかな」
自分を見て体を硬直させるなど今までに一度たりとも無かった。
沖田は先程の行動を悔いていた。
「僕達がいない時にあんな事があって本当に怖かったと思って……それでも頑張った夢主ちゃんに僕の気持ちを伝えたかったんだ。それなのに、返って怖い思いをさせちゃって……ごめんなさい!」
頭を下げる沖田には、先程の男を意識させる空気は漂っていない。
「そんな……沖田さんの事、怖くなんかありません。ただ……突然で、ちょっとビックリしちゃって……まさか、」
夢主はこの時、まさか沖田がそんな事をする訳がない……そう決め付けていた自分に気が付いた。
優しい沖田、いつも自分の気持ちを大事にしてくれる。
もしかして男と認めて欲しくて、あんな行動に出たのだろうか。
これだけ近くにいるのに男として見てもらえず、もどかしさを感じていたのか。
だとすれば、そう思わせてしまった自分にも責任があるのではないか。
沖田を追い詰めていた、申し訳なさが込み上げてくる。
「沖田さん、私……沖田さんの事ちゃんと男の方として見ていますよ……」
「え?」
沖田は突然の言葉に首を傾げた。
夢主は今まで何度も頼もしく感じた沖田を思い出した。
男を感じた姿だって幾度もある。
休息所で一番隊組長!と、お道化た沖田の流し目……
薬を塗ってもらった時の強引さ……
弱い酒に酔ってしまった時に向けられた男の眼差し……
どれも胸の奥を突くような刺激を与えられた。
何より、優しく見守ってくれる姿、それが男らしさ以外の何と言えるのか。
「沖田さんはいつも私を気に掛けて下さって、とっても優しくて……頼もしくて……頼れる男の方です。いつも沖田さんのお心遣いに助けられています。来たばかりの頃なんて……」
「夢主ちゃん……」
この世界に来て、初めて心の落ち着く夜を与えてくれたのも沖田だった。
「でも、やっぱり大事な……お友達……」
「あはっ、それを言っちゃうんですね」
「はぃ、言わせてくださいっ。沖田さんのこと大好きです……大好きですけど、お友達として……そう思ってます」
「うん……知ってるよ……」
沖田は儚く笑いながら頷いた。
「大坂で何かあったのですか」
「え、僕ですか?!」
沖田は斎藤では無く僕が?と思わず口走りそうになった。
夢主には伝えないと約束をした。慌てて言葉を飲み込んだ。