42.夢の続き
夢主名前設定
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着替えを済ませた夢主は一人先に座敷へ向かった。
斎藤がなかなか戻らないので外を覗くと、ちょうど戻ってきて「先に行ってろ」と声を掛けられたのだ。
座敷に向かう途中の廊下で、今度は沖田に出くわした。
夢主を見つけ、手を振りながら近付いて来る。
「おはよう、夢主ちゃん」
挨拶をして二歩三歩と止まらずに歩み寄る。
「?……おはようございます。昨夜はお疲れ様でした」
不自然な接近を疑問に思うが、夢主は無意識にいつも通りの笑顔を見せた。
挨拶をし、夜遅くまでの巡察で疲れたであろう沖田を気遣った。
一方の沖田は、一昨日ずっと待てども果たせなかった抱擁を、今朝は勢いで果たそうと考えていた。
だが愛くるしい素直な笑顔を目の前にして、広げた両手が止まってしまった。
「っく……いえ、夜の巡察も初めてではありませんし」
止めた両手の始末に困る。疑いもせずにこやかに首を傾げる夢主に、沖田はそっと両手を引っ込めた。
いけない……そう思わせる無垢な笑顔だ。
機嫌が良い夢主は微笑んで不思議そうに沖田を見ている。
いつもと何か違う様子は感じていた。
「あ、沖田さん、今朝お顔洗ってませんね……目やにが付いてます」
不意に気付いた夢主は、自分の目元を指差して場所を教えた。
「あ、ばれちゃいました、あははっ」
「ふふっ、お水冷たいですけどちゃんと洗わないと駄目ですよ」
クスクス笑う夢主の前で、沖田は目元をこすった。
「取れたかな」
「うぅ~ん……」
夢主はもっとこっちこっちと、再び自分の顔を指差している。
「夢主ちゃん取ってよ」
「もぉ~……沖田さんたら」
夢主は困った顔で沖田の目元に指で触った。
悪びれず顔を突き出すなど、甘えっ子なのかと思ってしまう。
「ふふっ、夢主ちゃんの指、冷たいね」
「あ、沖田さん、目閉じないで下さい、取りにくいです……」
目を閉じて呟く沖田の目元を突くように触れていた夢主は、目を開いてくださいとお願いした。
目を開けた沖田はニコニコして、目を合わせようと夢主の瞳を見つめた。
それに気付いた夢主は頬を染めて、先程より強くこすって沖田の目元を綺麗にした。
「もぅっ、お疲れでしょうけど明日はちゃんとお顔洗ってくださいね」
「ふふっ、ありがとう」
「ぇっ……」
礼を告げると共に、沖田はすっと両手を夢主の背に回して抱きしめた。
夢主が沖田を窘めてから、一瞬の出来事だった。
斎藤がなかなか戻らないので外を覗くと、ちょうど戻ってきて「先に行ってろ」と声を掛けられたのだ。
座敷に向かう途中の廊下で、今度は沖田に出くわした。
夢主を見つけ、手を振りながら近付いて来る。
「おはよう、夢主ちゃん」
挨拶をして二歩三歩と止まらずに歩み寄る。
「?……おはようございます。昨夜はお疲れ様でした」
不自然な接近を疑問に思うが、夢主は無意識にいつも通りの笑顔を見せた。
挨拶をし、夜遅くまでの巡察で疲れたであろう沖田を気遣った。
一方の沖田は、一昨日ずっと待てども果たせなかった抱擁を、今朝は勢いで果たそうと考えていた。
だが愛くるしい素直な笑顔を目の前にして、広げた両手が止まってしまった。
「っく……いえ、夜の巡察も初めてではありませんし」
止めた両手の始末に困る。疑いもせずにこやかに首を傾げる夢主に、沖田はそっと両手を引っ込めた。
いけない……そう思わせる無垢な笑顔だ。
機嫌が良い夢主は微笑んで不思議そうに沖田を見ている。
いつもと何か違う様子は感じていた。
「あ、沖田さん、今朝お顔洗ってませんね……目やにが付いてます」
不意に気付いた夢主は、自分の目元を指差して場所を教えた。
「あ、ばれちゃいました、あははっ」
「ふふっ、お水冷たいですけどちゃんと洗わないと駄目ですよ」
クスクス笑う夢主の前で、沖田は目元をこすった。
「取れたかな」
「うぅ~ん……」
夢主はもっとこっちこっちと、再び自分の顔を指差している。
「夢主ちゃん取ってよ」
「もぉ~……沖田さんたら」
夢主は困った顔で沖田の目元に指で触った。
悪びれず顔を突き出すなど、甘えっ子なのかと思ってしまう。
「ふふっ、夢主ちゃんの指、冷たいね」
「あ、沖田さん、目閉じないで下さい、取りにくいです……」
目を閉じて呟く沖田の目元を突くように触れていた夢主は、目を開いてくださいとお願いした。
目を開けた沖田はニコニコして、目を合わせようと夢主の瞳を見つめた。
それに気付いた夢主は頬を染めて、先程より強くこすって沖田の目元を綺麗にした。
「もぅっ、お疲れでしょうけど明日はちゃんとお顔洗ってくださいね」
「ふふっ、ありがとう」
「ぇっ……」
礼を告げると共に、沖田はすっと両手を夢主の背に回して抱きしめた。
夢主が沖田を窘めてから、一瞬の出来事だった。