41.嫉妬
夢主名前設定
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「あぁ……どうしよう、恥ずかしい……沖田さん恋文とか好きそうですよね、相手をご自分と置き換えているのでしょうか……」
夢主は頬を包むように手を添えて何度も首を振り、おろおろと呟いた。
文を抱きしめて喜ぶ沖田が容易に思い浮ぶ。
「まぁ相手が自分であれば嬉しい、ぐらいには思っているかもしれんな」
そう言う斎藤の脳裏には昼間の沖田の言葉が浮かんでいた。
嬉しい所ではないだろう。
――僕は本気ですよ……
「そうですか……ぁあぁ……」
夢主は斎藤の本心に気付くはずもなく、軽々しく文を書いてしまった自分を後悔していた。
斎藤は落ち込む姿を見てもう少し困らせてみたくなり、続けて揶揄った。
沈む姿は慰めてやりたくもなるが、余りに困惑する姿は面白くもある。
「言っておくと、文は全て誰かしらが持っているからな」
「ぜ、全部ですか?!」
「あぁ」
「……斎藤さんも……」
ニッ……
斎藤は無言で笑って見せた。
夢主は声には出さず、きゃぁああああ!!と空叫びして、その場にうずくまった。
顔は見えなくとも耳まで真っ赤に染まったさまは、羞恥の深さを知らせる。
「恥ずかしいです、もぅ……捨てて忘れてください……離れているからいいと思って書いたんですよぉ……」
どんどん小さくなる声で訴える夢主を尻目に、斎藤は音を立てて懐から何かを取り出した。
「どれ、『半纏と 月とわたしの ひとりみず』……なかなか面白いと思うがな」
「っ!!」
火照った顔の夢主、咄嗟に顔を上げて斎藤の手元を見た。
手にしているのは間違いなく自分の送った文。
卒倒しそうな恥ずかしさ。夢主は手を伸ばして文を奪おうとした。
しかし伸ばした手は軽く躱されてしまった。
「そんな泣きそうな顔をするな。また付き合ってやるさ、月見水」
斎藤は勝ち誇って悪ぶった顔を見せ、夢主に背中を向けた。
込み上げる笑いを噛み殺して文を懐にしまう。
「もぉ……斎藤さんの……ばかぁ……」
本人に聞こえない事を願いながらも、心からの気持ちを込めて夢主は呟いた。
もちろん聞こえた斎藤は見下すようにニヤリと笑い、充分揶揄って満足したのか立ち上がった。
「ほら、遅めの飯を取りに行ってやるから、さっさと落ち着いておけよ」
真っ赤な顔に涙目の夢主に言い残し、斎藤は勝手場に向かった。
「もぅ……敢えて言うなら……あの『きみ』は斎藤さんの事なのに……」
ひとり静かに、斎藤が出て行った後の障子を見ながら呟いた。
夢主は頬を包むように手を添えて何度も首を振り、おろおろと呟いた。
文を抱きしめて喜ぶ沖田が容易に思い浮ぶ。
「まぁ相手が自分であれば嬉しい、ぐらいには思っているかもしれんな」
そう言う斎藤の脳裏には昼間の沖田の言葉が浮かんでいた。
嬉しい所ではないだろう。
――僕は本気ですよ……
「そうですか……ぁあぁ……」
夢主は斎藤の本心に気付くはずもなく、軽々しく文を書いてしまった自分を後悔していた。
斎藤は落ち込む姿を見てもう少し困らせてみたくなり、続けて揶揄った。
沈む姿は慰めてやりたくもなるが、余りに困惑する姿は面白くもある。
「言っておくと、文は全て誰かしらが持っているからな」
「ぜ、全部ですか?!」
「あぁ」
「……斎藤さんも……」
ニッ……
斎藤は無言で笑って見せた。
夢主は声には出さず、きゃぁああああ!!と空叫びして、その場にうずくまった。
顔は見えなくとも耳まで真っ赤に染まったさまは、羞恥の深さを知らせる。
「恥ずかしいです、もぅ……捨てて忘れてください……離れているからいいと思って書いたんですよぉ……」
どんどん小さくなる声で訴える夢主を尻目に、斎藤は音を立てて懐から何かを取り出した。
「どれ、『半纏と 月とわたしの ひとりみず』……なかなか面白いと思うがな」
「っ!!」
火照った顔の夢主、咄嗟に顔を上げて斎藤の手元を見た。
手にしているのは間違いなく自分の送った文。
卒倒しそうな恥ずかしさ。夢主は手を伸ばして文を奪おうとした。
しかし伸ばした手は軽く躱されてしまった。
「そんな泣きそうな顔をするな。また付き合ってやるさ、月見水」
斎藤は勝ち誇って悪ぶった顔を見せ、夢主に背中を向けた。
込み上げる笑いを噛み殺して文を懐にしまう。
「もぉ……斎藤さんの……ばかぁ……」
本人に聞こえない事を願いながらも、心からの気持ちを込めて夢主は呟いた。
もちろん聞こえた斎藤は見下すようにニヤリと笑い、充分揶揄って満足したのか立ち上がった。
「ほら、遅めの飯を取りに行ってやるから、さっさと落ち着いておけよ」
真っ赤な顔に涙目の夢主に言い残し、斎藤は勝手場に向かった。
「もぅ……敢えて言うなら……あの『きみ』は斎藤さんの事なのに……」
ひとり静かに、斎藤が出て行った後の障子を見ながら呟いた。