40.小さな変わり
夢主名前設定
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「すぐ戻ると思いますが、土方さんも部屋で待ちますか」
「あぁ。訊きたい事は山程だ、だろ」
返事をした土方も部屋に入り夢主を待った。
待つ時間を利用して、使用人と八木邸の坊から聞きだした話が土方に伝えられた。
「赤い髪ってのは例の人斬りだな。夢主のやつ、その人斬り抜刀斎に会ったってのか。縄を縛ったのがあの人斬りなら妙な話だな」
「えぇ」
斎藤もそれを認め、沖田は困ったように俯いた。
各々考え込む沈黙の中、暫くして夢主が戻ってきた。
「土方さんっ!すみません、お待たせてしてしまったようで……」
「気にするな」
厠を咎められるか……と言いたいのを我慢して、夢主が座る間に土方はその顔をじっくり眺め、姿勢が整うと一言発した。
「痩せたな」
「ぁっ……そうでしょうか……」
思わず斎藤と沖田が鋭い視線を土方に向けた。
理由が分からず土方は、なんでぃ……と目で返事をする。
自分達がなんとなく感じ、ようやく気付いた夢主の変化を一瞬で見抜いた土方。
やはり女の事をよく見ている人だ……二人はそう思ったのだ。
「よく気付きましたね土方さん」
「さすが土方さん、よく見てますねー!」
斎藤と沖田にも痩せた事を認められた夢主は少し戸惑い気味に自分の頬を触った。
「そ、そんな分かるほどに変わっていますか……」
「安心しろ、大して変わってないさ。ただちょっと気になっただけだ。さぁ、話してもらえるか」
「はぃ……」
土方に問われて顔を上げ、真っ直ぐ見つめ返して素直に応じた。
夢主の後に並んで座る斎藤と沖田の背筋も自然と伸び、二人を見守った。
「お前を連れ去ったのは鵜堂刃衛、これに間違いは無いか」
「はい……二日前です、朝からおかしな事が続いて……空耳が聞こえたり、変な気配を感じたり……でも全部何も無くて、誰もいなくて……」
斎藤達は成る程と、声に出さず納得した。
一日中夢主を見張って様子を窺っていたのだろう。
「どうしてそこで俺達に連絡しなかった。そうすればもっと早く手を打てたんだ」
「す、すみません……そこまで頭が回らなくて……みなさんも忙しいと思いましたし……」
申し訳なさで視線を落とした夢主に、土方は小さく息を吐いた。
「そいつはもぅいい、すまねぇな。責めてる訳じゃねぇんだ。その後どうなった」
「あぁ。訊きたい事は山程だ、だろ」
返事をした土方も部屋に入り夢主を待った。
待つ時間を利用して、使用人と八木邸の坊から聞きだした話が土方に伝えられた。
「赤い髪ってのは例の人斬りだな。夢主のやつ、その人斬り抜刀斎に会ったってのか。縄を縛ったのがあの人斬りなら妙な話だな」
「えぇ」
斎藤もそれを認め、沖田は困ったように俯いた。
各々考え込む沈黙の中、暫くして夢主が戻ってきた。
「土方さんっ!すみません、お待たせてしてしまったようで……」
「気にするな」
厠を咎められるか……と言いたいのを我慢して、夢主が座る間に土方はその顔をじっくり眺め、姿勢が整うと一言発した。
「痩せたな」
「ぁっ……そうでしょうか……」
思わず斎藤と沖田が鋭い視線を土方に向けた。
理由が分からず土方は、なんでぃ……と目で返事をする。
自分達がなんとなく感じ、ようやく気付いた夢主の変化を一瞬で見抜いた土方。
やはり女の事をよく見ている人だ……二人はそう思ったのだ。
「よく気付きましたね土方さん」
「さすが土方さん、よく見てますねー!」
斎藤と沖田にも痩せた事を認められた夢主は少し戸惑い気味に自分の頬を触った。
「そ、そんな分かるほどに変わっていますか……」
「安心しろ、大して変わってないさ。ただちょっと気になっただけだ。さぁ、話してもらえるか」
「はぃ……」
土方に問われて顔を上げ、真っ直ぐ見つめ返して素直に応じた。
夢主の後に並んで座る斎藤と沖田の背筋も自然と伸び、二人を見守った。
「お前を連れ去ったのは鵜堂刃衛、これに間違いは無いか」
「はい……二日前です、朝からおかしな事が続いて……空耳が聞こえたり、変な気配を感じたり……でも全部何も無くて、誰もいなくて……」
斎藤達は成る程と、声に出さず納得した。
一日中夢主を見張って様子を窺っていたのだろう。
「どうしてそこで俺達に連絡しなかった。そうすればもっと早く手を打てたんだ」
「す、すみません……そこまで頭が回らなくて……みなさんも忙しいと思いましたし……」
申し訳なさで視線を落とした夢主に、土方は小さく息を吐いた。
「そいつはもぅいい、すまねぇな。責めてる訳じゃねぇんだ。その後どうなった」