40.小さな変わり
夢主名前設定
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「おぉおおーーい、夢主っ!!」
「おぉ、斎藤」
斎藤の予想通り、ガチャガチャと大きな音を立てて男達が夢主の様子を見にやって来た。
「永倉さん、原田さん」
斎藤が障子を開くと二人の姿が目に入った。
その後ろから顔を覗かせた藤堂が真っ先に身を乗り出した。
「夢主ちゃん大丈夫?あ、総司まで寝てるし!何しに戻ったんだよ!」
「まぁ平助、仕方ねぇよ。ほとんど寝てなかったんだ」
「おい、そのまま入るなよ」
斎藤は泥だらけの藤堂をはじめ、部屋を覗く原田や永倉にも念を押した。
自分は急いでいてもしっかり足を清めて上がったのだ。部屋を汚されたくはない。
「えー、自分だって似たようなもんだろう!風呂でも入ったのかよ!」
食って掛かる藤堂の声は甲高く、眠る二人の耳にも響いていた。
「夢主は、まだ寝てるのか……」
原田が呟いて部屋に近付いた時、沖田が先に目を覚ました。
顔を歪め、爽やかな目覚めではないようだ。
「ぅうん……うるさいなぁ……」
少し不機嫌に起き上がった沖田は、悪態を付きながら目をこすった。
「あ、藤堂さん!原田さんに永倉さんも!道中お疲れ様でした!本当にありがとうございます、お陰様で先に帰陣出来ました。感謝しています」
いつもの礼儀正しい沖田に戻ると皆に笑い掛けた。
「斎藤さんもありがとうございました。久しぶりにすっきり眠れましたよ、あははっ」
「おぉっ、良かったな!」
斎藤の代わりに永倉が横から返事をした。
伏見では心配に押し潰されそうだった沖田の顔がすっかり明るくなっている。
「んんっ……」
楽しげに響く声に夢主も体を動かした。
その様子を見て斎藤は顔を寄せて声を掛けた。そろそろ目覚めても良い頃合だ。
「夢主、起きたか」
「っ……さいとぅ……さん……」
薄っすら開いた夢主の目に斎藤の姿が映った。
「よぉ」
「斎藤さん!」
斎藤の声に気を取り戻し、名前を叫んで飛び起きた。
確かに斎藤さん!と言わんばかりの勢いだ。
「沖田さん……みなさん!」
次々と目に入る見慣れた姿に安心した夢主の顔は、口元がみるみる綻んでいった。
「ここ……屯所っ……」
驚きから喜びの顔に変わると、声を詰まらせた。手で口を覆う。心緩び涙が込み上げてきた。
「大丈夫か、夢主。心配したぞ」
「夢主ちゃん、大変だったみたいだね」
今の状況をゆっくり理解していく夢主を見守る斎藤と沖田、二人も安堵の色が顔に現れていた。
夢主は感激で俯いたまま、黙って大きく頷いた。
「おぉ、斎藤」
斎藤の予想通り、ガチャガチャと大きな音を立てて男達が夢主の様子を見にやって来た。
「永倉さん、原田さん」
斎藤が障子を開くと二人の姿が目に入った。
その後ろから顔を覗かせた藤堂が真っ先に身を乗り出した。
「夢主ちゃん大丈夫?あ、総司まで寝てるし!何しに戻ったんだよ!」
「まぁ平助、仕方ねぇよ。ほとんど寝てなかったんだ」
「おい、そのまま入るなよ」
斎藤は泥だらけの藤堂をはじめ、部屋を覗く原田や永倉にも念を押した。
自分は急いでいてもしっかり足を清めて上がったのだ。部屋を汚されたくはない。
「えー、自分だって似たようなもんだろう!風呂でも入ったのかよ!」
食って掛かる藤堂の声は甲高く、眠る二人の耳にも響いていた。
「夢主は、まだ寝てるのか……」
原田が呟いて部屋に近付いた時、沖田が先に目を覚ました。
顔を歪め、爽やかな目覚めではないようだ。
「ぅうん……うるさいなぁ……」
少し不機嫌に起き上がった沖田は、悪態を付きながら目をこすった。
「あ、藤堂さん!原田さんに永倉さんも!道中お疲れ様でした!本当にありがとうございます、お陰様で先に帰陣出来ました。感謝しています」
いつもの礼儀正しい沖田に戻ると皆に笑い掛けた。
「斎藤さんもありがとうございました。久しぶりにすっきり眠れましたよ、あははっ」
「おぉっ、良かったな!」
斎藤の代わりに永倉が横から返事をした。
伏見では心配に押し潰されそうだった沖田の顔がすっかり明るくなっている。
「んんっ……」
楽しげに響く声に夢主も体を動かした。
その様子を見て斎藤は顔を寄せて声を掛けた。そろそろ目覚めても良い頃合だ。
「夢主、起きたか」
「っ……さいとぅ……さん……」
薄っすら開いた夢主の目に斎藤の姿が映った。
「よぉ」
「斎藤さん!」
斎藤の声に気を取り戻し、名前を叫んで飛び起きた。
確かに斎藤さん!と言わんばかりの勢いだ。
「沖田さん……みなさん!」
次々と目に入る見慣れた姿に安心した夢主の顔は、口元がみるみる綻んでいった。
「ここ……屯所っ……」
驚きから喜びの顔に変わると、声を詰まらせた。手で口を覆う。心緩び涙が込み上げてきた。
「大丈夫か、夢主。心配したぞ」
「夢主ちゃん、大変だったみたいだね」
今の状況をゆっくり理解していく夢主を見守る斎藤と沖田、二人も安堵の色が顔に現れていた。
夢主は感激で俯いたまま、黙って大きく頷いた。