39.眠ったままに
夢主名前設定
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二人が楽しげに囁き合っていると、先程と違う使用人がやって来た。女だ。
「沖田先生、斎藤先生、お疲れでしょう。こちらをどうぞ」
そう言って二人分の熱いお茶と、腹の足しにと用意してくれた握り飯を傍に置いた。
甘味好きな沖田の為か饅頭も一緒だ。
「お気遣い、ありがとうございます」
「忝い」
二人が礼を言うと使用人は静かに頭を下げた。
「では、失礼いたします」
言い終えた使用人は部屋の中をちらりと見てから、すたすたと歩き出した。
横たわる小さな女の前で武具も外さずに大の男が、それも皆が恐れる新選組の幹部が二人、幸せそうに並んで座る姿がとても愛おしく感じられた。
「壬生狼が聞いて驚くわ……可愛らしいお人達や」
使用人はクスクスと肩を揺らしながら去っていった。
「ねぇ斎藤さん、夢主ちゃんに美味しいもの食べさせてあげましょうよ」
「ぁあ?何だ急に」
使用人に貰った握り飯を食べながら沖田は思い付いた。斎藤も腹が減っており、握り飯を手早く口に運んだ。
伏見から途中ずっと小走りでやって来た。体力を使った二人には握り飯が嬉しい。
「だって少し痩せちゃってるなら……昨日今日何も食べてないのかもしれないよ」
「そうか……そこまで弱っているようには見えんが……」
二人揃って口を動かしながら夢主の顔を遠めに覗き込んだ。
一度気付いてしまうと色白な顔に目の下の隈が目立って見える。
やはり痩せたのか、顎の線が細くなり首の筋が少し浮いて見えた。
「美味しいといえばやっぱり甘味かな~」
「痩せた腹にはきつかろう。粥とか汁物だろう」
「お肉とかどうですか?滋養にいいって聞きますよ!」
「夢主のやつ肉は食うのか」
「さて……聞いた事ありませんでしたね……」
そう言ってもう一度夢主を覗いた。
沖田は普段の食事の光景を思い浮かべていた。
「ご飯の時はいつも残さず食べていましたよね、お肉……夢主ちゃんの世ではどうだったのかなぁ。起きたら聞いてみましょうよ」
「まぁ肉もいいが、ひとまず体に優しいものからだ」
「そうですね」
斎藤と沖田は握り飯を食べながら他愛のない話を続けた。
「沖田先生、斎藤先生、お疲れでしょう。こちらをどうぞ」
そう言って二人分の熱いお茶と、腹の足しにと用意してくれた握り飯を傍に置いた。
甘味好きな沖田の為か饅頭も一緒だ。
「お気遣い、ありがとうございます」
「忝い」
二人が礼を言うと使用人は静かに頭を下げた。
「では、失礼いたします」
言い終えた使用人は部屋の中をちらりと見てから、すたすたと歩き出した。
横たわる小さな女の前で武具も外さずに大の男が、それも皆が恐れる新選組の幹部が二人、幸せそうに並んで座る姿がとても愛おしく感じられた。
「壬生狼が聞いて驚くわ……可愛らしいお人達や」
使用人はクスクスと肩を揺らしながら去っていった。
「ねぇ斎藤さん、夢主ちゃんに美味しいもの食べさせてあげましょうよ」
「ぁあ?何だ急に」
使用人に貰った握り飯を食べながら沖田は思い付いた。斎藤も腹が減っており、握り飯を手早く口に運んだ。
伏見から途中ずっと小走りでやって来た。体力を使った二人には握り飯が嬉しい。
「だって少し痩せちゃってるなら……昨日今日何も食べてないのかもしれないよ」
「そうか……そこまで弱っているようには見えんが……」
二人揃って口を動かしながら夢主の顔を遠めに覗き込んだ。
一度気付いてしまうと色白な顔に目の下の隈が目立って見える。
やはり痩せたのか、顎の線が細くなり首の筋が少し浮いて見えた。
「美味しいといえばやっぱり甘味かな~」
「痩せた腹にはきつかろう。粥とか汁物だろう」
「お肉とかどうですか?滋養にいいって聞きますよ!」
「夢主のやつ肉は食うのか」
「さて……聞いた事ありませんでしたね……」
そう言ってもう一度夢主を覗いた。
沖田は普段の食事の光景を思い浮かべていた。
「ご飯の時はいつも残さず食べていましたよね、お肉……夢主ちゃんの世ではどうだったのかなぁ。起きたら聞いてみましょうよ」
「まぁ肉もいいが、ひとまず体に優しいものからだ」
「そうですね」
斎藤と沖田は握り飯を食べながら他愛のない話を続けた。