39.眠ったままに
夢主名前設定
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「うぅん、お兄さんがね、お姉ちゃんをたのむって、お家の人を呼んできてって言ってたの」
「お兄さん、とは」
斎藤が背筋を伸ばした男の子に聞いた。
子供に対しても態度を変えないが言葉はややゆっくりだ。
「えぇっとね……しーー、って言ってたの。ないしょだよ。赤いかみのお兄ちゃんだったの」
「何っ」
「坊、それ本当?!」
斎藤も沖田も驚いて顔を見合わせた。
男の子は内緒と言うが話してしまった自分に気付いていないようで、口に指を当てて「しーーっ!」と真似事をして遊んでいる。
「ぼく、何にも知らないよ!ただ、たのまれただけだもん!お姉ちゃん、元気なんでしょ?おいしゃさん、大丈夫って言ってたよ」
「うん、大丈夫だよ。お姉ちゃんを守ってくれてありがとう。もう行っていいよ」
沖田は小さな勇気を称えるように男の子の頭を撫でて微笑んだ。
「うん!また遊ぼうね、総ちゃん!!」
そう言い残すと男の子は嬉しそうに部屋を出て行った。
大事な役目を果たしたと満足そうだ。
「ふふっ、頼もしいな」
沖田は笑みを漏らしながらも、坊の口から出た『赤い髪』という言葉に顔を険しくした。
斎藤も眉間に皺を寄せている。
「それから……」
使用人はまだ伝えたい事があるようで、恐る恐る口を開いた。
「お嬢さん、見つけた時に……手を縛られていたんです」
「そうですか」
沖田は少し声を落とした。斎藤はずっと夢主の顔を見ている。
無理やり連れ去られたのなら身体の自由を奪われていても不思議ではない。
「それで……」
使用人がまだ言葉を続けたいように呟いたので、斎藤は男の顔を見て促した。
「どうしたのですか」
「縛られてはいたんですが……縄を解こうとしたら外れるほどに緩かったんです。なんやら妙でしたね。縛るつもりはなかったのかと……それぐらい簡単に外れましたわ」
斎藤と沖田は布団を捲り、そっと夢主の手首を確認した。
「綺麗だ」
「えぇ……縄の痕はありませんね」
二人は再び顔を見合わせ首を捻った。白く細い手首に何の痕も残っていない。
「それでは、わたしはこれで」
使用人は頭を下げると斎藤の部屋を後にした。
「どういう事だ」
「夢主ちゃんが起きるのを待つしかないようですね……」
「あぁ」
揃って夢主の眠る顔を確認するように見つめた。
「お兄さん、とは」
斎藤が背筋を伸ばした男の子に聞いた。
子供に対しても態度を変えないが言葉はややゆっくりだ。
「えぇっとね……しーー、って言ってたの。ないしょだよ。赤いかみのお兄ちゃんだったの」
「何っ」
「坊、それ本当?!」
斎藤も沖田も驚いて顔を見合わせた。
男の子は内緒と言うが話してしまった自分に気付いていないようで、口に指を当てて「しーーっ!」と真似事をして遊んでいる。
「ぼく、何にも知らないよ!ただ、たのまれただけだもん!お姉ちゃん、元気なんでしょ?おいしゃさん、大丈夫って言ってたよ」
「うん、大丈夫だよ。お姉ちゃんを守ってくれてありがとう。もう行っていいよ」
沖田は小さな勇気を称えるように男の子の頭を撫でて微笑んだ。
「うん!また遊ぼうね、総ちゃん!!」
そう言い残すと男の子は嬉しそうに部屋を出て行った。
大事な役目を果たしたと満足そうだ。
「ふふっ、頼もしいな」
沖田は笑みを漏らしながらも、坊の口から出た『赤い髪』という言葉に顔を険しくした。
斎藤も眉間に皺を寄せている。
「それから……」
使用人はまだ伝えたい事があるようで、恐る恐る口を開いた。
「お嬢さん、見つけた時に……手を縛られていたんです」
「そうですか」
沖田は少し声を落とした。斎藤はずっと夢主の顔を見ている。
無理やり連れ去られたのなら身体の自由を奪われていても不思議ではない。
「それで……」
使用人がまだ言葉を続けたいように呟いたので、斎藤は男の顔を見て促した。
「どうしたのですか」
「縛られてはいたんですが……縄を解こうとしたら外れるほどに緩かったんです。なんやら妙でしたね。縛るつもりはなかったのかと……それぐらい簡単に外れましたわ」
斎藤と沖田は布団を捲り、そっと夢主の手首を確認した。
「綺麗だ」
「えぇ……縄の痕はありませんね」
二人は再び顔を見合わせ首を捻った。白く細い手首に何の痕も残っていない。
「それでは、わたしはこれで」
使用人は頭を下げると斎藤の部屋を後にした。
「どういう事だ」
「夢主ちゃんが起きるのを待つしかないようですね……」
「あぁ」
揃って夢主の眠る顔を確認するように見つめた。