39.眠ったままに
夢主名前設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「あーーちきしょう!!総司、今回だけだぞ!おい、斎藤、総司が行くならお前もだ!二人揃って夢主を叩き起こして来い!!」
「土方さんっ……はいっ!!」
「分かりました」
沖田は一気に表情を明るく変えて大きく頷き、斎藤はいつも通りフッと鼻をならして了承した。
「良かったな、総司!俺達もすぐ戻るからよ、任せたぜ」
「夢主を安心させてやれ!」
原田と永倉も力強く沖田の体を叩いて喜んだ。
どこかへ連れ出されていたならばさぞ怖い思いをしただろう。その恐怖を振り払う役目は斎藤と沖田にしか出来まい。
「はい、任せてくださいっ!!斎藤さん、行きましょう」
「あぁ!」
二人は顔を見合わせた。
逸る気持ちを抑え、しかし足早で伏見の陣を後にした。
壬生の屯所ではいつも通りの居場所、斎藤の部屋に寝かされた夢主の姿があった。
すぐに目覚めると思われたが、余程疲れていたのか夢主は眠るように意識を失っていた。
家の者が掛かりつけの医者を呼んだが体に異常はなく、眠りも安定しているのでこのまま寝かせるよう診断を受けた。
時折家の者が様子を見に来るが、その他は夢主は一人静かに布団に横たわっていた。
「あっ、沖田先生!斎藤先生!」
夢主が運ばれてから一刻もしないうちに斎藤と沖田が戻って来た。
流石に肩を揺らし息を切らしていたが、しっかり家の者に応えて大きく頷いた。
足の汚れを拭き取る手も急いで、あっという間に部屋へ向かった。
慌てて足音を立てながら向かった二人だが、部屋の障子を開けた瞬間、二人とも動きが止まった。
夢主が静かに横になり目を閉じていたからだ。
途端に静寂が戻った。
布団を掛けられた夢主の胸元がゆっくり上下に動いている。それを確認した二人は安心して表情を緩めた。
「あぁ……生きてる……夢主ちゃん……」
沖田は腰から刀を外して布団に寄り、斎藤も続いて腰を下ろした。
少し遅れて、夢主を家に運び入れた使用人がやってきた。
「いつからこうしているのですか」
静かな声で斎藤が訊ねると、使用人は頭を下げた。
「へぃ、一刻程前でしょうか……坊に呼ばれて外に出るとお嬢さんが倒れていたんです」
「傍に誰かいませんでしたか」
沖田が使用人の顔を見ると、頭(こうべ)を振って見せた。
その時、部屋の外から中を覗くように男の子が顔を出した。
「総ちゃん!」
「坊っ、しーーっ……」
沖田は咄嗟に夢主の寝顔を確認し、人差し指を立てて男の子に「静かにね」と伝えた。
「ごめんなさい……」
「坊が教えてくれたんです」
使用人は庇うように、部屋に入ってきた男の子の頭を撫でた。
「坊がお姉ちゃんを見つけたの?」
沖田は優しく微笑み掛けた。
使用人の後ろに隠れようとしていた坊は、ひょこっと振り返り、首を振った。
「土方さんっ……はいっ!!」
「分かりました」
沖田は一気に表情を明るく変えて大きく頷き、斎藤はいつも通りフッと鼻をならして了承した。
「良かったな、総司!俺達もすぐ戻るからよ、任せたぜ」
「夢主を安心させてやれ!」
原田と永倉も力強く沖田の体を叩いて喜んだ。
どこかへ連れ出されていたならばさぞ怖い思いをしただろう。その恐怖を振り払う役目は斎藤と沖田にしか出来まい。
「はい、任せてくださいっ!!斎藤さん、行きましょう」
「あぁ!」
二人は顔を見合わせた。
逸る気持ちを抑え、しかし足早で伏見の陣を後にした。
壬生の屯所ではいつも通りの居場所、斎藤の部屋に寝かされた夢主の姿があった。
すぐに目覚めると思われたが、余程疲れていたのか夢主は眠るように意識を失っていた。
家の者が掛かりつけの医者を呼んだが体に異常はなく、眠りも安定しているのでこのまま寝かせるよう診断を受けた。
時折家の者が様子を見に来るが、その他は夢主は一人静かに布団に横たわっていた。
「あっ、沖田先生!斎藤先生!」
夢主が運ばれてから一刻もしないうちに斎藤と沖田が戻って来た。
流石に肩を揺らし息を切らしていたが、しっかり家の者に応えて大きく頷いた。
足の汚れを拭き取る手も急いで、あっという間に部屋へ向かった。
慌てて足音を立てながら向かった二人だが、部屋の障子を開けた瞬間、二人とも動きが止まった。
夢主が静かに横になり目を閉じていたからだ。
途端に静寂が戻った。
布団を掛けられた夢主の胸元がゆっくり上下に動いている。それを確認した二人は安心して表情を緩めた。
「あぁ……生きてる……夢主ちゃん……」
沖田は腰から刀を外して布団に寄り、斎藤も続いて腰を下ろした。
少し遅れて、夢主を家に運び入れた使用人がやってきた。
「いつからこうしているのですか」
静かな声で斎藤が訊ねると、使用人は頭を下げた。
「へぃ、一刻程前でしょうか……坊に呼ばれて外に出るとお嬢さんが倒れていたんです」
「傍に誰かいませんでしたか」
沖田が使用人の顔を見ると、頭(こうべ)を振って見せた。
その時、部屋の外から中を覗くように男の子が顔を出した。
「総ちゃん!」
「坊っ、しーーっ……」
沖田は咄嗟に夢主の寝顔を確認し、人差し指を立てて男の子に「静かにね」と伝えた。
「ごめんなさい……」
「坊が教えてくれたんです」
使用人は庇うように、部屋に入ってきた男の子の頭を撫でた。
「坊がお姉ちゃんを見つけたの?」
沖田は優しく微笑み掛けた。
使用人の後ろに隠れようとしていた坊は、ひょこっと振り返り、首を振った。