32.屯所の大晦日
夢主名前設定
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夢主は心にもやもやを抱えたまま、まだ掃除の終わらない部屋を順に手伝って回った。
「藤堂さん……」
「おぉっ!夢主、手伝ってくれるのかっ」
藤堂は素直に喜んで夢主を迎えた。
掃除慣れしていないのか、荷物が部屋に散らかったまま拭き掃除をしていた。
「あの……藤堂さん、せめて床が見えるように荷物を纏められた方が……」
「あぁああっ!そっ、そこはいいからっ!あ、障子の埃、取ってくれるかっ!!」
夢主が散らかった荷物に手を伸ばそうとすると藤堂は慌てて叫んだ。
余りの狼狽ぶりに夢主は手を止め、言われた通り掃除する場所を変えた。
その姿にホッとして、藤堂は見られたくない幾つかの物を拾い上げた。
夢主は首を傾げながらも言われた事をこなし、手伝い終えると永倉の部屋へ向かった。
「永倉さん、お手伝いに参りました」
顔を覗かせると部屋はなかなか綺麗に片付きつつあった。
最後の仕上げに机の上を片付けていた。
「わぁ……さすが永倉さん、真面目になさってたんですね……」
「あぁ、畳も拭いたしもう終わりだな!特に手伝ってもらう事もねぇかな……」
「そうですか……」
永倉は溜まった手紙や書物など紙類を懸命に幾つかの山に分けていた。
その傍には手付かずらしき紙の山がある。
「では、私こちらを分けますね……」
紙の山に夢主が手を掛けようとした時、永倉は自分の片付けていた物を放り投げて、飛び付くように手を伸ばした。夢主の前から紙の山を掴み去る。
「あぁあああっ!!こ、こいつあぁ、その……だ、大事な書状なんでぃ、な、これはぁ俺が自分でやるぜぃっ……」
「……はぃ……」
とても挙動不審だが理由を訊ねては失礼か。夢主は全て本人に任せて原田の部屋を目指す事にした。
「では永倉さん、何も出来なくて……失礼いたしました」
「おぉっ、わざわざすまなかったな!気持ちだけありがたく受け取っとくぜっ!」
夢主は不思議そうに永倉を見るが、丁寧に頭を下げて部屋を後にした。
「藤堂さん……」
「おぉっ!夢主、手伝ってくれるのかっ」
藤堂は素直に喜んで夢主を迎えた。
掃除慣れしていないのか、荷物が部屋に散らかったまま拭き掃除をしていた。
「あの……藤堂さん、せめて床が見えるように荷物を纏められた方が……」
「あぁああっ!そっ、そこはいいからっ!あ、障子の埃、取ってくれるかっ!!」
夢主が散らかった荷物に手を伸ばそうとすると藤堂は慌てて叫んだ。
余りの狼狽ぶりに夢主は手を止め、言われた通り掃除する場所を変えた。
その姿にホッとして、藤堂は見られたくない幾つかの物を拾い上げた。
夢主は首を傾げながらも言われた事をこなし、手伝い終えると永倉の部屋へ向かった。
「永倉さん、お手伝いに参りました」
顔を覗かせると部屋はなかなか綺麗に片付きつつあった。
最後の仕上げに机の上を片付けていた。
「わぁ……さすが永倉さん、真面目になさってたんですね……」
「あぁ、畳も拭いたしもう終わりだな!特に手伝ってもらう事もねぇかな……」
「そうですか……」
永倉は溜まった手紙や書物など紙類を懸命に幾つかの山に分けていた。
その傍には手付かずらしき紙の山がある。
「では、私こちらを分けますね……」
紙の山に夢主が手を掛けようとした時、永倉は自分の片付けていた物を放り投げて、飛び付くように手を伸ばした。夢主の前から紙の山を掴み去る。
「あぁあああっ!!こ、こいつあぁ、その……だ、大事な書状なんでぃ、な、これはぁ俺が自分でやるぜぃっ……」
「……はぃ……」
とても挙動不審だが理由を訊ねては失礼か。夢主は全て本人に任せて原田の部屋を目指す事にした。
「では永倉さん、何も出来なくて……失礼いたしました」
「おぉっ、わざわざすまなかったな!気持ちだけありがたく受け取っとくぜっ!」
夢主は不思議そうに永倉を見るが、丁寧に頭を下げて部屋を後にした。