32.屯所の大晦日
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「それじゃぁ、僕と一緒って言うのはどうですか」
「二十……二ですか……」
沖田がくれた優しい提案。
所が沖田は斎藤より上がいいと言ってた。そうなると必然的に夢主は斎藤の年上になってしまう。
「でも斎藤さんより上なのは……嫌です…………って、斎藤さん、は、は、はっ……」
沖田の言う通り計算すると斎藤は二十歳と言う事になる。
「斎藤さんが……はた……ちっ!」
目を見開いて沖田の顔を見上げた。
驚きが過ぎて頭が回らない。自分の計算が合っているか目で訊ねた。
「そうですね……そういう事になりますね。そんなに驚いて夢主ちゃん、でも……あはははっ、確かに三十って言われても通じますねあの人はっ!あははは!」
沖田も徐々に笑いがこみ上げて、終いには腹を抱えて笑い出した。
「そっ、そんなに笑ったら失礼ですよっ、沖田さん。でも、でも……信じられないです……ふふふっ」
この時、原田が言っていた「そういう年頃」という言葉が少しだけ納得できた。
斎藤と沖田は異常に仲が良い。もしかしたら同い年なのではないかと思えてきた。
「ねぇ沖田さん、沖田さんも一緒に二十歳になりませんか」
「えーー!斎藤さんと一緒ですかぁー!!」
「はぃ……でも私とも一緒ですよ?私、斎藤さんより上は嫌ですっ。沖田さんが二十二でも私は二十歳を選びますっ」
悪戯に笑って見せると、沖田も観念したようだ。何やら葛藤して考え込んでいたが、潔く受け入れた。
「分かりましたっ、夢主ちゃんと斎藤さんだけ一緒って言うのは何だか面白くないですからね!」
「ふふっ……沖田さんてばっ」
負けず嫌いな性格がこんな所でも出るなんて。夢主は可笑しくてクスクスと肩を揺らした。
「お掃除一通り終わりましたね。私一度……斎藤さんの所に戻ります、ふふっ」
「あっ、僕も行こうかな~」
歳を知った途端、何だか急に斎藤の顔が見たくなったのだ。
夢主に続き楽しそうに言う沖田だが、部屋の荷物がまだ外に出たままだ。
「沖田さんはお荷物!お部屋に戻してくださいっ。私はこれで……」
えへへっと沖田に会釈した。
面白い場面に立ち会えないのが残念で沖田は「え~」と不満の声を上げた。
しかし早く片付けなければ、屯所内を歩いて回っている土方に怒られる。
沖田は土方に怒られるのが酷く嫌いだ。夢主を羨ましく思い不貞腐れながらも荷物を運び入れ始めた。
「二十……二ですか……」
沖田がくれた優しい提案。
所が沖田は斎藤より上がいいと言ってた。そうなると必然的に夢主は斎藤の年上になってしまう。
「でも斎藤さんより上なのは……嫌です…………って、斎藤さん、は、は、はっ……」
沖田の言う通り計算すると斎藤は二十歳と言う事になる。
「斎藤さんが……はた……ちっ!」
目を見開いて沖田の顔を見上げた。
驚きが過ぎて頭が回らない。自分の計算が合っているか目で訊ねた。
「そうですね……そういう事になりますね。そんなに驚いて夢主ちゃん、でも……あはははっ、確かに三十って言われても通じますねあの人はっ!あははは!」
沖田も徐々に笑いがこみ上げて、終いには腹を抱えて笑い出した。
「そっ、そんなに笑ったら失礼ですよっ、沖田さん。でも、でも……信じられないです……ふふふっ」
この時、原田が言っていた「そういう年頃」という言葉が少しだけ納得できた。
斎藤と沖田は異常に仲が良い。もしかしたら同い年なのではないかと思えてきた。
「ねぇ沖田さん、沖田さんも一緒に二十歳になりませんか」
「えーー!斎藤さんと一緒ですかぁー!!」
「はぃ……でも私とも一緒ですよ?私、斎藤さんより上は嫌ですっ。沖田さんが二十二でも私は二十歳を選びますっ」
悪戯に笑って見せると、沖田も観念したようだ。何やら葛藤して考え込んでいたが、潔く受け入れた。
「分かりましたっ、夢主ちゃんと斎藤さんだけ一緒って言うのは何だか面白くないですからね!」
「ふふっ……沖田さんてばっ」
負けず嫌いな性格がこんな所でも出るなんて。夢主は可笑しくてクスクスと肩を揺らした。
「お掃除一通り終わりましたね。私一度……斎藤さんの所に戻ります、ふふっ」
「あっ、僕も行こうかな~」
歳を知った途端、何だか急に斎藤の顔が見たくなったのだ。
夢主に続き楽しそうに言う沖田だが、部屋の荷物がまだ外に出たままだ。
「沖田さんはお荷物!お部屋に戻してくださいっ。私はこれで……」
えへへっと沖田に会釈した。
面白い場面に立ち会えないのが残念で沖田は「え~」と不満の声を上げた。
しかし早く片付けなければ、屯所内を歩いて回っている土方に怒られる。
沖田は土方に怒られるのが酷く嫌いだ。夢主を羨ましく思い不貞腐れながらも荷物を運び入れ始めた。