31.お餅つき
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「ククッ……ほら、右手をもう少し上に手を添えろ」
笑って見守っていた斎藤が夢主の手の位置を直した。
少々強引に杵を持つ小さな手を掴み、適切な位置に移す。触れられた手は熱く、夢主はなされるがまま大きな手に従った。
「剣と一緒ですね!振り回すんじゃないんですよ、杵の場合は力強く落とす感じですね」
沖田も剣の稽古と同様に優しく指南してくれた。
身振りで手本を示している。
「は、はいっ……もう一回……いきますっ」
先程より思い切り振り上げて、後ろによろけそうになりながらも姿勢を整えた。
「ぇえいっ!!」
ぺったん!!!
「あっ!!」
一度目よりいい音がした。夢主は杵を下ろしたまま皆の顔を確認した。
男達はにやにやと笑って見ているが、先程よりはいい音。自分達に比べればやはり可愛らしい音だが、上達を認めてそれぞれ褒め始めた。
「良くなったじゃねぇか」
「夢主ちゃん、上手い、上手い!」
「あぁさっきより随分いいぜ」
「えへへ……」
杵を抱えるように持って照れ笑いした夢主は、斎藤に杵を返した。
「私はやっぱりお餅を丸めるほうでお手伝いしますね」
斎藤は苦笑いで杵を受け取るが、それでも「そうだな、良くやった」と褒めた。
用意された台の上には、既に大きなお供え用の餅がいつくか丸く整えられている。
夢主は皆が食べる分をここで餅の塊から千切って丸餅にする。作業を始める前に、斎藤が餅をつくのを見たくて振り返った。
「せいっ……はっ!」
重たい杵を鋭く振り上げ、体重を乗せて見事に振り落とす。
心地よい調子で餅を叩く音が響き始めた。
「凄ぉぃ……斎藤さんも……みんな上手……」
惚れ惚れと眺めてしまったが、やはり肌が露な男達の姿は目に毒だ。
夢主は真っ赤な顔を彼らから背けて台の上の餅に集中した。
「こうやって餅を握って、親指と人差し指で輪っかを作って、そこから押し出すように残りの指で……くっと」
早速、使用人から餅の丸め方を教えてもらい、餅の塊を貰って試してみた。
ぷにぃ……
指の間から可愛い白い餅が押し出されてくる。
きゅっと指を閉じて反対の手で千切ると、見事に丸い餅が取り出せた。
「わぁっ、出来たぁ!」
千切った餅をころころと手の平で転がすと、まさにまん丸な丸餅の完成である。
指南を受けるやすぐに成功した夢主は機嫌良く作業を進めていった。
「わ~夢主ちゃん、やっぱりこういうの上手ですね!手先が器用なんですね!」
喜ぶ声に反応し、再び寄ってきた沖田が感心して覗いた。傍にいたくて仕方が無いのだ。
夢主の手は止まらず、あっという間に丸餅が木箱の中に広がっていく。
「うふふっ、ありがとうございます。やっぱり、こっちの方が向いてますね」
はにかむが、次々に巨大な餅から程良い大きさに取り分けていく。
既に手元を見ずに出来る程上達していた。
「おーい総司!お前の番だぞおぉ!」
「おっ、では僕もついてきますね~」
にっこり笑うと沖田は杵を受け取りに駆けて行った。
嬉しそうにはしゃぐ姿に夢主の顔も綻ぶ。
「おぉっ、上手ぇなぁー」
「あぁ、なかなか」
沖田が臼の前に立つと、入れ替わるように斎藤と原田が様子を覗きに来た。
二人ともほんのり蒸気を帯びている。
笑って見守っていた斎藤が夢主の手の位置を直した。
少々強引に杵を持つ小さな手を掴み、適切な位置に移す。触れられた手は熱く、夢主はなされるがまま大きな手に従った。
「剣と一緒ですね!振り回すんじゃないんですよ、杵の場合は力強く落とす感じですね」
沖田も剣の稽古と同様に優しく指南してくれた。
身振りで手本を示している。
「は、はいっ……もう一回……いきますっ」
先程より思い切り振り上げて、後ろによろけそうになりながらも姿勢を整えた。
「ぇえいっ!!」
ぺったん!!!
「あっ!!」
一度目よりいい音がした。夢主は杵を下ろしたまま皆の顔を確認した。
男達はにやにやと笑って見ているが、先程よりはいい音。自分達に比べればやはり可愛らしい音だが、上達を認めてそれぞれ褒め始めた。
「良くなったじゃねぇか」
「夢主ちゃん、上手い、上手い!」
「あぁさっきより随分いいぜ」
「えへへ……」
杵を抱えるように持って照れ笑いした夢主は、斎藤に杵を返した。
「私はやっぱりお餅を丸めるほうでお手伝いしますね」
斎藤は苦笑いで杵を受け取るが、それでも「そうだな、良くやった」と褒めた。
用意された台の上には、既に大きなお供え用の餅がいつくか丸く整えられている。
夢主は皆が食べる分をここで餅の塊から千切って丸餅にする。作業を始める前に、斎藤が餅をつくのを見たくて振り返った。
「せいっ……はっ!」
重たい杵を鋭く振り上げ、体重を乗せて見事に振り落とす。
心地よい調子で餅を叩く音が響き始めた。
「凄ぉぃ……斎藤さんも……みんな上手……」
惚れ惚れと眺めてしまったが、やはり肌が露な男達の姿は目に毒だ。
夢主は真っ赤な顔を彼らから背けて台の上の餅に集中した。
「こうやって餅を握って、親指と人差し指で輪っかを作って、そこから押し出すように残りの指で……くっと」
早速、使用人から餅の丸め方を教えてもらい、餅の塊を貰って試してみた。
ぷにぃ……
指の間から可愛い白い餅が押し出されてくる。
きゅっと指を閉じて反対の手で千切ると、見事に丸い餅が取り出せた。
「わぁっ、出来たぁ!」
千切った餅をころころと手の平で転がすと、まさにまん丸な丸餅の完成である。
指南を受けるやすぐに成功した夢主は機嫌良く作業を進めていった。
「わ~夢主ちゃん、やっぱりこういうの上手ですね!手先が器用なんですね!」
喜ぶ声に反応し、再び寄ってきた沖田が感心して覗いた。傍にいたくて仕方が無いのだ。
夢主の手は止まらず、あっという間に丸餅が木箱の中に広がっていく。
「うふふっ、ありがとうございます。やっぱり、こっちの方が向いてますね」
はにかむが、次々に巨大な餅から程良い大きさに取り分けていく。
既に手元を見ずに出来る程上達していた。
「おーい総司!お前の番だぞおぉ!」
「おっ、では僕もついてきますね~」
にっこり笑うと沖田は杵を受け取りに駆けて行った。
嬉しそうにはしゃぐ姿に夢主の顔も綻ぶ。
「おぉっ、上手ぇなぁー」
「あぁ、なかなか」
沖田が臼の前に立つと、入れ替わるように斎藤と原田が様子を覗きに来た。
二人ともほんのり蒸気を帯びている。