31.お餅つき
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皆を見ると誰もが真剣な顔で懸命に餅をついていた。
杵を下ろす方も、餅を返す方も真剣だ。
「よいしょー、よいしょーー!」
腹の底から声を出して絶妙な掛け合いを繰り返して、どんどん餅をついていく。
餅からだけではなく、寒い中を精一杯動いて熱くなった皆の体からも蒸気が上がっていた。
「あはははっ、遅ぇぞお前!」
「うるせぇーー!」
「お前、力任せにやればいいってもんじゃねぇぞ!!臼が割れちまぅぜ!!」
「なんだよー!目一杯つかせろよ~!」
「よしっ!俺に貸せ!」
土方が不意に藤堂から杵を奪うと、頭の上でくるくると回しながら餅をつき始めた。
「おおおぉ出たぁあ!土方さんの回しづき!!」
「ひゅううぅ、やるねぇ!副長!!」
「ははははっ!回しすぎ!回し過ぎーー!!」
「うるっせぇーーっ!!」
土方は得意の杵を回しながらの餅つきを披露した。
餅がつき上がると、すぐさま蒸されたもち米が追加され、男達は次々と餅をつきあげていった。
……なんて楽しそうにはしゃいでるんだろう……
常々忙しく屯所を出入りしている皆。食事時でも全員が揃って落ち着くのは珍しい。
こうやって勢揃いして嬉しそうに騒ぐのは、いつ以来なのだろう。
「……クスっ」
なんて幸せな光景なのと夢主は笑みを溢した。
故郷にいた頃はよく見られた光景に違いない。童心に帰り笑い合う皆の姿が愛おしくて堪らなかった。
「さぁ夢主ちゃんも、ついてみてくださいよっ!」
「えぇっ!」
微笑ましく眺める夢主の手を沖田は有無を言わさず引いた。
笑いながら男達の輪の中に連れ込んで行く。
傍観者ではなく、笑顔の輪に貴女もいてくださいと誘い込んだ。
「夢主ちゃんもつきま~~す!」
沖田の嬉しそうな声に振り返った皆も喜んで迎えてくれた。
ちょうど杵を持っていた斎藤が夢主に差し出す。
「ほら、やってみろ」
「えっ……」
躊躇するが、渡されるまま杵を受け取った。
「分かりました……ちょっとだけ……」
どっしりと重たい杵を手にしただけでよろめいてしまう。
「みなさん……凄いですね……っ、いきます!」
見様見真似で杵を思いきり持ち上げ、勢い良く振り下ろした。
「えいっ!!」
ぺた……
軽い音が響き、男達は一斉に笑い出した。
「もっ、もぉおおっ、笑わないで下さいよっ、これでも目一杯なんですっ!」
「あはははっ、もう一回やってみてよ、早くしねえと冷めちまうぜっ」
「夢主お前ぇ力ねぇなぁ……はははっ」
くっくっくと藤堂は腹を抱えて笑っている。
永倉も夢主のへっぴり腰を笑っていた。
杵を渡した斎藤も声を殺してクックッと笑っている。
杵を下ろす方も、餅を返す方も真剣だ。
「よいしょー、よいしょーー!」
腹の底から声を出して絶妙な掛け合いを繰り返して、どんどん餅をついていく。
餅からだけではなく、寒い中を精一杯動いて熱くなった皆の体からも蒸気が上がっていた。
「あはははっ、遅ぇぞお前!」
「うるせぇーー!」
「お前、力任せにやればいいってもんじゃねぇぞ!!臼が割れちまぅぜ!!」
「なんだよー!目一杯つかせろよ~!」
「よしっ!俺に貸せ!」
土方が不意に藤堂から杵を奪うと、頭の上でくるくると回しながら餅をつき始めた。
「おおおぉ出たぁあ!土方さんの回しづき!!」
「ひゅううぅ、やるねぇ!副長!!」
「ははははっ!回しすぎ!回し過ぎーー!!」
「うるっせぇーーっ!!」
土方は得意の杵を回しながらの餅つきを披露した。
餅がつき上がると、すぐさま蒸されたもち米が追加され、男達は次々と餅をつきあげていった。
……なんて楽しそうにはしゃいでるんだろう……
常々忙しく屯所を出入りしている皆。食事時でも全員が揃って落ち着くのは珍しい。
こうやって勢揃いして嬉しそうに騒ぐのは、いつ以来なのだろう。
「……クスっ」
なんて幸せな光景なのと夢主は笑みを溢した。
故郷にいた頃はよく見られた光景に違いない。童心に帰り笑い合う皆の姿が愛おしくて堪らなかった。
「さぁ夢主ちゃんも、ついてみてくださいよっ!」
「えぇっ!」
微笑ましく眺める夢主の手を沖田は有無を言わさず引いた。
笑いながら男達の輪の中に連れ込んで行く。
傍観者ではなく、笑顔の輪に貴女もいてくださいと誘い込んだ。
「夢主ちゃんもつきま~~す!」
沖田の嬉しそうな声に振り返った皆も喜んで迎えてくれた。
ちょうど杵を持っていた斎藤が夢主に差し出す。
「ほら、やってみろ」
「えっ……」
躊躇するが、渡されるまま杵を受け取った。
「分かりました……ちょっとだけ……」
どっしりと重たい杵を手にしただけでよろめいてしまう。
「みなさん……凄いですね……っ、いきます!」
見様見真似で杵を思いきり持ち上げ、勢い良く振り下ろした。
「えいっ!!」
ぺた……
軽い音が響き、男達は一斉に笑い出した。
「もっ、もぉおおっ、笑わないで下さいよっ、これでも目一杯なんですっ!」
「あはははっ、もう一回やってみてよ、早くしねえと冷めちまうぜっ」
「夢主お前ぇ力ねぇなぁ……はははっ」
くっくっくと藤堂は腹を抱えて笑っている。
永倉も夢主のへっぴり腰を笑っていた。
杵を渡した斎藤も声を殺してクックッと笑っている。