30.君の行方、その想い
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「僕はそりゃぁ皆と一緒に戦います。どこまでも近藤さんや土方さんについて行きますよ!」
当然と言った口ぶりで沖田は答えた。
体の調子はすこぶるよく、病の兆候は見られない。
今まで通り振舞って当然だ。
「そうですか……。私、沖田さんは……もし近藤さん達がいなかったら今ここに来ていたのかなって……」
「えっ、どういう事かな」
伏目がちに夢主が本音を口にすると、沖田は本意がつかめず困惑して訊き返した。
「沖田さんは……素直に剣がお好きでしょう、だから……凄腕の剣客が集まるって聞いたら京にやって来るかもしれないけど、思想の為に剣を振るったりはしないのかなって……沖田さん、日本はどうなると思いますか。どう……なって欲しいですか」
「どう……とは。そりゃぁ……平和になって欲しいですね。不貞浪士がうろついていたら、皆怖いでしょう」
特にこれと言って考えは無い、夢主にはそう聞こえた。誰であれ平和を望むのは当然。
「異人さんが怖いって言われたら……斬りますか、……もし京にいて江戸から来た浪士達が暴れてるって聞いたら……斬りますか。今の世の中を変えなきゃ、平和にならないと言われたら……もし近藤さんや土方さんがいなくて一人で京にいたら、沖田さん、何をしたかったですか」
夢主は続けざまに沖田に問いを投げ掛けた。
沖田は答えが見つけられず、少しの間考え込んでしまった。
「確かに……僕は近藤さん達お二人の傍にいたくて、力になりたくてここにいます。もし一人なら……剣を振るう事が一番かもしれません。そして満足したら故郷に戻っていたかもしれませんね。それか全国を武者修行、そこで出会いがあれば、どこかの道場に落ち着くのかなぁ。僕、道場好きだし」
考えながら話しているのか、空中を見ながらゆっくり言葉を探している。
ぼんやりと理想を探しているようにも見えた。
「武者修行の先で出会ったのが、もし土佐や長州の方だったら……」
小さな声で出された言葉に、斎藤も沖田も目を剥く。
「すみません……ちょっと言い過ぎました……」
斎藤には絶対的な信念がある。正義がある。
だが、沖田にはそういった信念や政治的思想が無いのでは。それを訊いてみたかったのだ。
直接聞いては沖田の誇りを傷付けると思ったが、遠まわし過ぎて混乱させてしまった。
「沖田君は剣が好きだ。それだけだ」
「そうですね、斎藤さんの言う通りです。僕は剣が好きです。ただ、それだけ。で、斎藤さんは人を斬るのが好きっ、はははっ」
「はいっ……ふふっ」
斎藤が分かりやすく言葉を補い、沖田は緊張した空気をふざけて終わらせた。
そんな優しさに夢主も笑ってしまった。
しかし沖田はこの後、一人になると自分の信念や気持ちについて深く考え込むようになった。
当然と言った口ぶりで沖田は答えた。
体の調子はすこぶるよく、病の兆候は見られない。
今まで通り振舞って当然だ。
「そうですか……。私、沖田さんは……もし近藤さん達がいなかったら今ここに来ていたのかなって……」
「えっ、どういう事かな」
伏目がちに夢主が本音を口にすると、沖田は本意がつかめず困惑して訊き返した。
「沖田さんは……素直に剣がお好きでしょう、だから……凄腕の剣客が集まるって聞いたら京にやって来るかもしれないけど、思想の為に剣を振るったりはしないのかなって……沖田さん、日本はどうなると思いますか。どう……なって欲しいですか」
「どう……とは。そりゃぁ……平和になって欲しいですね。不貞浪士がうろついていたら、皆怖いでしょう」
特にこれと言って考えは無い、夢主にはそう聞こえた。誰であれ平和を望むのは当然。
「異人さんが怖いって言われたら……斬りますか、……もし京にいて江戸から来た浪士達が暴れてるって聞いたら……斬りますか。今の世の中を変えなきゃ、平和にならないと言われたら……もし近藤さんや土方さんがいなくて一人で京にいたら、沖田さん、何をしたかったですか」
夢主は続けざまに沖田に問いを投げ掛けた。
沖田は答えが見つけられず、少しの間考え込んでしまった。
「確かに……僕は近藤さん達お二人の傍にいたくて、力になりたくてここにいます。もし一人なら……剣を振るう事が一番かもしれません。そして満足したら故郷に戻っていたかもしれませんね。それか全国を武者修行、そこで出会いがあれば、どこかの道場に落ち着くのかなぁ。僕、道場好きだし」
考えながら話しているのか、空中を見ながらゆっくり言葉を探している。
ぼんやりと理想を探しているようにも見えた。
「武者修行の先で出会ったのが、もし土佐や長州の方だったら……」
小さな声で出された言葉に、斎藤も沖田も目を剥く。
「すみません……ちょっと言い過ぎました……」
斎藤には絶対的な信念がある。正義がある。
だが、沖田にはそういった信念や政治的思想が無いのでは。それを訊いてみたかったのだ。
直接聞いては沖田の誇りを傷付けると思ったが、遠まわし過ぎて混乱させてしまった。
「沖田君は剣が好きだ。それだけだ」
「そうですね、斎藤さんの言う通りです。僕は剣が好きです。ただ、それだけ。で、斎藤さんは人を斬るのが好きっ、はははっ」
「はいっ……ふふっ」
斎藤が分かりやすく言葉を補い、沖田は緊張した空気をふざけて終わらせた。
そんな優しさに夢主も笑ってしまった。
しかし沖田はこの後、一人になると自分の信念や気持ちについて深く考え込むようになった。