28.おもしろき、雪遊び
夢主名前設定
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「沖田さん、まだ何も出来ないですけど……自分の事、少しでも守れるように一生懸命練習します!これからも教えて下さい。それから……」
まだ支えてくれている斎藤。真摯に向き合い、耳を傾けている。
「斎藤さんも……もしお時間があれば……たまにでいいので……」
無理を言ってはいけないと段々尻すぼみになる夢主の言葉。
遠慮を見透かした斎藤はにやりと口を開いた。
「いいぜ、たっぷり可愛がってやる」
「もっ……なんでそんな言い方しか出来ないんですかっ」
わざと厭らしく言う斎藤に頬を膨らませ、その体を押しのけて沖田に向き直った。
「はははっ、斎藤さんらしいなぁ。じゃぁ三人で秘密の訓練、頑張りましょう」
苦笑いしながら三人の稽古を約束した。
落ち着きを取り戻した三人は、開け放った扉からひやりと冷たい風が入り込むのを感じた。
外の空気が顔を擽る。
「今日は一段と冷えますね……」
三人は立ち上がり外を見た。
夢主が「あっ!」と何かを見つけ、真っ先に道場の入り口まで駆け出す。
「雪っ!斎藤さん、沖田さん、雪です!」
「本当だ……道理で寒いはずですね」
沖田はにこやかに夢主を見ていた。久しぶりに見る雪に頬を緩ませて無邪気にはしゃぐ姿を。
空からは次々と大きな雪が舞い落ちる。
「ね、沖田さん、土方さんって雪がお好きなんですか」
「え?土方さんですか?そういえば好きかもしれないですね……どうしてですか?」
「ふふっ、実は……豊玉さんの……」
夢主の顔がにやけている。
土方は歌を詠むのが好き。沖田なら知っているだろう。
「あはははっ!!夢主ちゃん、土方さんの雅号ご存知なんですかっ、これは面白いっ!!あははあはははっ!!」
沖田は大笑いして腹を抱えた。
沖田は土方の俳句が大好きだ。とても名人とは言えないが、とにかく沖田には楽しい句。
「はい。実は未来では結構有名で……土方さん、雪の句をよく詠んでらしたので好きなのかなと」
「へぇ~俳句も知ってるんですね!これはこれは!っははは!」
「とっても可愛らしくて大好きです。怖い印象の土方さんらしくなくて……だから余計に人気なのかも」
未来での土方人気とその句を思い出す。
梅の句や恋の道、世間で知られている愛らしい俳句達。
「試衛館にいた頃は雪が降るとみんなで庭に出て騒いだり、楽しかったなぁ」
沖田は頭の後ろで両手を組んで懐かしそうに目を細めた。
斎藤はその輪に加わっていなかったのか、他人事といった感じで聞いている。
だが沖田の嬉しそうな様子を素直に受け入れているようだ。
「明日の朝……雪、積もるといいですね」
外に向かって両手を伸ばした。
雪に触れられそうで届かない。花びらのような雪が指先をかすっていく。
「あぁ、そうだな」
「そしたら一緒に遊びましょう!夢主ちゃん」
「ふふっ、はぃ」
沖田の可愛い提案に頷いて、夢主は二人に微笑みかけた。
雪が降れば市中が静まる。そうなれば新選組の巡察は短く終わり、落ち着いて過ごす時間が出来そうだ。
楽しそうに雪を眺める夢主を見る斎藤も、どこか嬉しそうだった。
まだ支えてくれている斎藤。真摯に向き合い、耳を傾けている。
「斎藤さんも……もしお時間があれば……たまにでいいので……」
無理を言ってはいけないと段々尻すぼみになる夢主の言葉。
遠慮を見透かした斎藤はにやりと口を開いた。
「いいぜ、たっぷり可愛がってやる」
「もっ……なんでそんな言い方しか出来ないんですかっ」
わざと厭らしく言う斎藤に頬を膨らませ、その体を押しのけて沖田に向き直った。
「はははっ、斎藤さんらしいなぁ。じゃぁ三人で秘密の訓練、頑張りましょう」
苦笑いしながら三人の稽古を約束した。
落ち着きを取り戻した三人は、開け放った扉からひやりと冷たい風が入り込むのを感じた。
外の空気が顔を擽る。
「今日は一段と冷えますね……」
三人は立ち上がり外を見た。
夢主が「あっ!」と何かを見つけ、真っ先に道場の入り口まで駆け出す。
「雪っ!斎藤さん、沖田さん、雪です!」
「本当だ……道理で寒いはずですね」
沖田はにこやかに夢主を見ていた。久しぶりに見る雪に頬を緩ませて無邪気にはしゃぐ姿を。
空からは次々と大きな雪が舞い落ちる。
「ね、沖田さん、土方さんって雪がお好きなんですか」
「え?土方さんですか?そういえば好きかもしれないですね……どうしてですか?」
「ふふっ、実は……豊玉さんの……」
夢主の顔がにやけている。
土方は歌を詠むのが好き。沖田なら知っているだろう。
「あはははっ!!夢主ちゃん、土方さんの雅号ご存知なんですかっ、これは面白いっ!!あははあはははっ!!」
沖田は大笑いして腹を抱えた。
沖田は土方の俳句が大好きだ。とても名人とは言えないが、とにかく沖田には楽しい句。
「はい。実は未来では結構有名で……土方さん、雪の句をよく詠んでらしたので好きなのかなと」
「へぇ~俳句も知ってるんですね!これはこれは!っははは!」
「とっても可愛らしくて大好きです。怖い印象の土方さんらしくなくて……だから余計に人気なのかも」
未来での土方人気とその句を思い出す。
梅の句や恋の道、世間で知られている愛らしい俳句達。
「試衛館にいた頃は雪が降るとみんなで庭に出て騒いだり、楽しかったなぁ」
沖田は頭の後ろで両手を組んで懐かしそうに目を細めた。
斎藤はその輪に加わっていなかったのか、他人事といった感じで聞いている。
だが沖田の嬉しそうな様子を素直に受け入れているようだ。
「明日の朝……雪、積もるといいですね」
外に向かって両手を伸ばした。
雪に触れられそうで届かない。花びらのような雪が指先をかすっていく。
「あぁ、そうだな」
「そしたら一緒に遊びましょう!夢主ちゃん」
「ふふっ、はぃ」
沖田の可愛い提案に頷いて、夢主は二人に微笑みかけた。
雪が降れば市中が静まる。そうなれば新選組の巡察は短く終わり、落ち着いて過ごす時間が出来そうだ。
楽しそうに雪を眺める夢主を見る斎藤も、どこか嬉しそうだった。