28.おもしろき、雪遊び
夢主名前設定
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真っ直ぐ見なければいけないと分かっているが、瞬間的に変わった沖田を取り巻く空気と僅かに感じられた剣気、突進してくる勢いに動転してしまった。
木刀は構えたままだが、夢主は目を瞑っていた。
かあぁぁん!!!
甲高い音が鳴り響き、強く握り締めたはずの手から木刀は弾き飛ばされ、夢主の体も後ろに飛ばされた。
しかし、飛んだ体は背後で張り付く斎藤の力強い手にがっしりと受け止められた。
「大丈夫ですかっ!目を瞑っちゃ駄目ですよ!」
「大丈夫か」
あっという間の出来事だった。
起こった全ての事に呆然とし、夢主は支えてくれる斎藤を見上げた。
体中の力が抜け、ずるずると座り込んでしまう。斎藤も支えたまま一緒にしゃがんでくれた。
「まぁ、最初はこんなもんだろう。気にすることは無い」
驚きで声が出ない夢主はゆっくり頷いて、それから沖田を見た。
「本気で打ち込んでくる刺客の勢いは……こんなものではありません」
何を思ったのか沖田は近付きながら真剣に訴えた。
夢主の前まで来ると腰を落として片膝を付く。一気に顔が近付いた。
「大丈夫ですか、ちょっと強すぎましたね、ごめんなさい……」
微かに申し訳ない顔で夢主に怪我が無いか体を確認する。
大丈夫と分かっても沖田は切なげに目を伏せていた。
「夢主ちゃん……一太刀でいいです。最初の一太刀でいいから、どうか受けられるようになって下さい」
「……ぇっ」
意味が分からず呆けた声で呟いた。
「夢主ちゃんがもし襲われた時……最初の一太刀を防げたら、その後は僕達が対処できます。でも自分でそれが出来なければ……守る事は出来ても、きっと夢主ちゃんは大きな怪我を負ってしまう。敵を押し返せとは言いません。一太刀だけ……受けるだけ……」
真面目な顔、悲しそうな瞳で語っている。
そんな自分に気付き、沖田は作り笑いで重苦しい空気を吹き飛ばそうとした。
「あはははっ、すみません急に!本当に最初は気分転換にって思ってたんです。でも夢主ちゃんがどんどん上達していくから……頑張ったらもしかして、それ位なら……考えてしまって。守ってあげるといいながら、僕も絶対の自信は無いんですね……ごめんなさい」
斎藤に支えられて聞く沖田の話。
自分を想ってくれる気持ちが痛いほど伝わってきた。
「沖田さん……ありがとうございます……」
夢主は痺れの残る両手を見た。力のない自分、手加減された一太刀も受け止められなかった。
小さな痙攣のような痺れを打ち消そうと、強く拳を握った。
木刀は構えたままだが、夢主は目を瞑っていた。
かあぁぁん!!!
甲高い音が鳴り響き、強く握り締めたはずの手から木刀は弾き飛ばされ、夢主の体も後ろに飛ばされた。
しかし、飛んだ体は背後で張り付く斎藤の力強い手にがっしりと受け止められた。
「大丈夫ですかっ!目を瞑っちゃ駄目ですよ!」
「大丈夫か」
あっという間の出来事だった。
起こった全ての事に呆然とし、夢主は支えてくれる斎藤を見上げた。
体中の力が抜け、ずるずると座り込んでしまう。斎藤も支えたまま一緒にしゃがんでくれた。
「まぁ、最初はこんなもんだろう。気にすることは無い」
驚きで声が出ない夢主はゆっくり頷いて、それから沖田を見た。
「本気で打ち込んでくる刺客の勢いは……こんなものではありません」
何を思ったのか沖田は近付きながら真剣に訴えた。
夢主の前まで来ると腰を落として片膝を付く。一気に顔が近付いた。
「大丈夫ですか、ちょっと強すぎましたね、ごめんなさい……」
微かに申し訳ない顔で夢主に怪我が無いか体を確認する。
大丈夫と分かっても沖田は切なげに目を伏せていた。
「夢主ちゃん……一太刀でいいです。最初の一太刀でいいから、どうか受けられるようになって下さい」
「……ぇっ」
意味が分からず呆けた声で呟いた。
「夢主ちゃんがもし襲われた時……最初の一太刀を防げたら、その後は僕達が対処できます。でも自分でそれが出来なければ……守る事は出来ても、きっと夢主ちゃんは大きな怪我を負ってしまう。敵を押し返せとは言いません。一太刀だけ……受けるだけ……」
真面目な顔、悲しそうな瞳で語っている。
そんな自分に気付き、沖田は作り笑いで重苦しい空気を吹き飛ばそうとした。
「あはははっ、すみません急に!本当に最初は気分転換にって思ってたんです。でも夢主ちゃんがどんどん上達していくから……頑張ったらもしかして、それ位なら……考えてしまって。守ってあげるといいながら、僕も絶対の自信は無いんですね……ごめんなさい」
斎藤に支えられて聞く沖田の話。
自分を想ってくれる気持ちが痛いほど伝わってきた。
「沖田さん……ありがとうございます……」
夢主は痺れの残る両手を見た。力のない自分、手加減された一太刀も受け止められなかった。
小さな痙攣のような痺れを打ち消そうと、強く拳を握った。