27.墨の黒と、紅の赤
夢主名前設定
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座敷の向こうに落ち着いた原田達。珍しく藤堂を挟んで座り、何らや楽しそうにはしゃぎだした。
最も、心から楽しそうなのは原田くらいで永倉も少し苦い顔をしており、藤堂に至っては鼻をすすりながら食事を始めた。
そんな藤堂の肩に腕を掛け、原田が慰めの言葉を掛けている。
「まぁ気持ちは分からなくはねぇが、嬢ちゃんの心はもう決まってるだろうよ」
「だってよぉ、でもよぉ、総司の奴まで夢主ちゃんに……俺気持ちすら伝えてねぇんだぜ」
藤堂も密かに夢主を気に掛けていた。
聞いてしまった沖田の話、夢主の異変、気持ちを伝えるまでも無く終わる想いなのだと思い知らされた。
大の男が寄ってたかってこれ以上困らせる訳にはいかない。
「ははっ、ここにいる連中で夢主の事が気にならねぇ奴はいねぇだろうよ。な、新八!」
「うぐっ」
ご飯を変な所に飲み込んだ永倉は赤い顔で「何言いやがる!」と原田を見返した。
美しく愛らしい顔立ち、小柄だが白く綺麗な肌に程よく女らしい体つき。
健気に振舞い皆を気遣う優しさと、知性を感じさせる凛とした部分も持ち合わせている。
男達は多少なりとも夢主に気を惹かれていた。
原田は楽しそうに笑いながら、その例外では無いのではと土方を見た。視線は夢主達に移る。
「お恥ずかしいんですけど、体が痛くて……」
「あははっ、体が鈍っていましたね!ちょうどいいですよ、やっぱりたまには動かないと」
「フッ……」
斎藤は二人の会話を聞きながら、筋肉痛の夢主が可笑しくて笑みを溢した。
「正直お箸持って食べてるだけで……時々ズキズキと……」
そう言いながら小さな口に食べ物を運んだ。
先程の騒ぎの余韻もあり、まだ頬が染まった状態で口を動かしている。
「毎日は無理でも、一緒にお稽古しましょうね。斎藤さんは駄目ですよ!僕がお稽古付けてあげますから」
夢主を見ていた沖田は、その向こうにいる斎藤を覗き込んで声色を変えた。
「体格の近い僕が教えてあげた方がいいでしょう」
嬉しそうに得意気に言い切ると沖田は素早く食事を終えた。
「フン、好きにしろ」
斎藤も箸を置いて食事を終いにした。
「おふたりとも……早すぎます……」
二人は食事を終えると、いつも忙しそうに席を立つ。
夢主は取り残され、もそもそと食事を続けた。
この日以降、時間を見つけては沖田に稽古をつけてもらうようになった。
素振りや型が中心でたいした事はしていないが、体を動かすのは楽しくて、稽古が待ち遠しくなっていった。
最も、心から楽しそうなのは原田くらいで永倉も少し苦い顔をしており、藤堂に至っては鼻をすすりながら食事を始めた。
そんな藤堂の肩に腕を掛け、原田が慰めの言葉を掛けている。
「まぁ気持ちは分からなくはねぇが、嬢ちゃんの心はもう決まってるだろうよ」
「だってよぉ、でもよぉ、総司の奴まで夢主ちゃんに……俺気持ちすら伝えてねぇんだぜ」
藤堂も密かに夢主を気に掛けていた。
聞いてしまった沖田の話、夢主の異変、気持ちを伝えるまでも無く終わる想いなのだと思い知らされた。
大の男が寄ってたかってこれ以上困らせる訳にはいかない。
「ははっ、ここにいる連中で夢主の事が気にならねぇ奴はいねぇだろうよ。な、新八!」
「うぐっ」
ご飯を変な所に飲み込んだ永倉は赤い顔で「何言いやがる!」と原田を見返した。
美しく愛らしい顔立ち、小柄だが白く綺麗な肌に程よく女らしい体つき。
健気に振舞い皆を気遣う優しさと、知性を感じさせる凛とした部分も持ち合わせている。
男達は多少なりとも夢主に気を惹かれていた。
原田は楽しそうに笑いながら、その例外では無いのではと土方を見た。視線は夢主達に移る。
「お恥ずかしいんですけど、体が痛くて……」
「あははっ、体が鈍っていましたね!ちょうどいいですよ、やっぱりたまには動かないと」
「フッ……」
斎藤は二人の会話を聞きながら、筋肉痛の夢主が可笑しくて笑みを溢した。
「正直お箸持って食べてるだけで……時々ズキズキと……」
そう言いながら小さな口に食べ物を運んだ。
先程の騒ぎの余韻もあり、まだ頬が染まった状態で口を動かしている。
「毎日は無理でも、一緒にお稽古しましょうね。斎藤さんは駄目ですよ!僕がお稽古付けてあげますから」
夢主を見ていた沖田は、その向こうにいる斎藤を覗き込んで声色を変えた。
「体格の近い僕が教えてあげた方がいいでしょう」
嬉しそうに得意気に言い切ると沖田は素早く食事を終えた。
「フン、好きにしろ」
斎藤も箸を置いて食事を終いにした。
「おふたりとも……早すぎます……」
二人は食事を終えると、いつも忙しそうに席を立つ。
夢主は取り残され、もそもそと食事を続けた。
この日以降、時間を見つけては沖田に稽古をつけてもらうようになった。
素振りや型が中心でたいした事はしていないが、体を動かすのは楽しくて、稽古が待ち遠しくなっていった。