26.気まずさ
夢主名前設定
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「ありがとうございます、これは……沖田さんに借りた物です」
「じゃあお前が着たのか?稽古つけてもらったのか!総司のやつ厳しくなかったか、隊士の奴ら総司が稽古付ける日はびびりまくるんだぜ」
恥ずかしそうに佇む夢主に原田は面白がって語った。鬼稽古の沖田が自分より小柄な女に一体どんな稽古をつけたのか。
普段の激しさから想像もつかない。
「ふふっ、沖田さんの稽古付けの声、お部屋まで聞こえる時があります。激しくていつもの沖田さんじゃないみたいですよね」
優しいだけではない沖田の一面も知っている。
「今日はとてもお優しかったです。これっぽっちも怒鳴られませんでした」
「そうか、ははっ。鬼の稽古もお前が相手だと封印だな!」
甘やかされている自覚を持ち、夢主はくすくすと肩を揺らした。
原田も笑うが、誰かを探すようにきょろきょろと周りを見回した。
「そういやぁよ……総司のやつ、お前に嫁になってくれって言ったんだってなぁ。やりやがったなぁ面白ぇ、ははっ」
「ぇえっ!ど、どうしてっ!お、面白くありませんよ、何でご存知なんですか!」
原田は可笑しそうに楽しそうに頷いて、沖田の行動を喜んでいる。
しかし夢主には大問題だ。
何故、あの場にいなかった無関係の原田が知っているのか。誰かに覗かれていたのだろうか。
「ん?総司にだぜ。ここ出て行く時に会ってよ、そわそわしてるからどうしたって聞いたら白状しやがったぜ」
「そうですか……でも原田さんだけなら……」
「あー……平助の奴も一緒だったからきっと広まってるぜ……」
「えぇぇえええ!!!」
叫ぶと同時に真っ赤になった顔を覆い、夢主は再びしゃがみ込んでしまった。
「……そんなぁ……ぁああっ、どうしよぉ……困ります……」
地面を見ていた夢主は高く離れた原田の顔を見上げた。
これ以上無いほど困り果てた顔に、喜び半分揶揄い半分で面白がっていた原田も気まずさを覚えた。
「さ、斎藤さんも……」
「あーどうかな~。あいつ朝飯の後どこかへ消えちまいやがったからな」
「沖田さんも外に……も……もしかして……」
原田が首を傾げている。
もしかして休息所で落ち合う予定だったのでは……そうだとしても一人では休息所まで行けず、原田に頼むのもどうなのか、更に頭を抱えてしまった。
……でも追いかけて行ってもどうすればいいか……
「で、どうしたんだ、総司の話は。返事したのか」
沖田はそこまで言わなかったのか原田も気になるようで、考え込む夢主に訊ねた。
「そ、そんな、もちろんお断りを……私には沖田さんのお相手なんて恐れ多いです……それに……先のお話ですし……」
表情を曇らせる夢主。先の話、この先沖田を襲うかもしれない病を思ってしまったのだ。
「じゃあお前が着たのか?稽古つけてもらったのか!総司のやつ厳しくなかったか、隊士の奴ら総司が稽古付ける日はびびりまくるんだぜ」
恥ずかしそうに佇む夢主に原田は面白がって語った。鬼稽古の沖田が自分より小柄な女に一体どんな稽古をつけたのか。
普段の激しさから想像もつかない。
「ふふっ、沖田さんの稽古付けの声、お部屋まで聞こえる時があります。激しくていつもの沖田さんじゃないみたいですよね」
優しいだけではない沖田の一面も知っている。
「今日はとてもお優しかったです。これっぽっちも怒鳴られませんでした」
「そうか、ははっ。鬼の稽古もお前が相手だと封印だな!」
甘やかされている自覚を持ち、夢主はくすくすと肩を揺らした。
原田も笑うが、誰かを探すようにきょろきょろと周りを見回した。
「そういやぁよ……総司のやつ、お前に嫁になってくれって言ったんだってなぁ。やりやがったなぁ面白ぇ、ははっ」
「ぇえっ!ど、どうしてっ!お、面白くありませんよ、何でご存知なんですか!」
原田は可笑しそうに楽しそうに頷いて、沖田の行動を喜んでいる。
しかし夢主には大問題だ。
何故、あの場にいなかった無関係の原田が知っているのか。誰かに覗かれていたのだろうか。
「ん?総司にだぜ。ここ出て行く時に会ってよ、そわそわしてるからどうしたって聞いたら白状しやがったぜ」
「そうですか……でも原田さんだけなら……」
「あー……平助の奴も一緒だったからきっと広まってるぜ……」
「えぇぇえええ!!!」
叫ぶと同時に真っ赤になった顔を覆い、夢主は再びしゃがみ込んでしまった。
「……そんなぁ……ぁああっ、どうしよぉ……困ります……」
地面を見ていた夢主は高く離れた原田の顔を見上げた。
これ以上無いほど困り果てた顔に、喜び半分揶揄い半分で面白がっていた原田も気まずさを覚えた。
「さ、斎藤さんも……」
「あーどうかな~。あいつ朝飯の後どこかへ消えちまいやがったからな」
「沖田さんも外に……も……もしかして……」
原田が首を傾げている。
もしかして休息所で落ち合う予定だったのでは……そうだとしても一人では休息所まで行けず、原田に頼むのもどうなのか、更に頭を抱えてしまった。
……でも追いかけて行ってもどうすればいいか……
「で、どうしたんだ、総司の話は。返事したのか」
沖田はそこまで言わなかったのか原田も気になるようで、考え込む夢主に訊ねた。
「そ、そんな、もちろんお断りを……私には沖田さんのお相手なんて恐れ多いです……それに……先のお話ですし……」
表情を曇らせる夢主。先の話、この先沖田を襲うかもしれない病を思ってしまったのだ。