25.傷
夢主名前設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
それから着替えて遅めの朝ご飯を食べ終えた後、沖田はそわそわと斎藤のいる休息所に向かった。
「遅かったな」
中では斎藤が一人待っていた。
小ざっぱりした休息所の中、体の大きな存在が目立っている。
「ははっ、すみません、つい色々と……」
沖田は意味有り気に呟いた。
「まぁいい。手間をかけさせてすまなかったな」
目を合わせない沖田が不自然ではあるが、斎藤は自分の為に動いてくれた事に礼を述べた。
「で、夢主は何を悩んでいた」
「はぁそれが……」
「俺の身を案じているなら心配無用だ」
「いえ、それは心配無いようですよ。斎藤さんは不死身ですって言い切ってましたから。羨ましいですね~ははっ」
沖田は笑いながら斎藤の前に座った。
「話は聞いたんですが……これはちょっと僕からはお話し出来ないかな……と。すみません。きっといつか夢主ちゃんから聞ける時が来ると思いますから、少し待ってあげてください」
笑っていた沖田の顔が少し曇っていく。
一体何の話だと斎藤は気を揉むが、思い悩んだ所で仕方が無いかと諦めをつけた。
「そうか。分かった」
「それで……」
「まだあるのか」
気まずそうな沖田に、斎藤は顔を歪めた。
「いえぇ……その……物の弾みと言うかですね……僕、夢主ちゃんに」
申し訳なさそうな顔をする沖田に、斎藤はまさかこの沖田までもが一時の欲情に押し流されてしまったのかと、目を見開いた。
「あぁぁっ、そんな怖い顔しないで下さい、違いますよ!夢主ちゃんを傷つけるような事はしていませんよ!ただその……」
「なんだ」
明らかに苛ついた声で訊いた。
言い難いのは後ろめたさがあるからに他ならない。
「すみません、お嫁さんになって欲しいと言ってしまいました……」
前から斎藤には宣言している。別に謝る理由は無いのだが、謝ってしまった。
斎藤は呆れたような驚いたような顔で口を開けた。斎藤のこんな呆けた顔はなかなか見られない。
「あぁ、あ、安心して下さいよ!しっかり断られちゃいましたから!あはははっ」
苦笑いしながら今にも殴りかかってきそうな斎藤をどうどうと抑える身振りをした。
斎藤が怒る謂れも無いが、本当は己も相当に夢主に気があるのだと自覚するに充分な怒りの感情だった。
「でも諦めませんからね!僕は夢主ちゃんが大好きです!!」
そう宣言して、沖田は笑って休息所から逃げて行った。
「ちっ、結局話も分からんし、全くもって無駄だったな」
一人吐き捨てて、斎藤は部屋の中に酒が無いか探し始めた。
「遅かったな」
中では斎藤が一人待っていた。
小ざっぱりした休息所の中、体の大きな存在が目立っている。
「ははっ、すみません、つい色々と……」
沖田は意味有り気に呟いた。
「まぁいい。手間をかけさせてすまなかったな」
目を合わせない沖田が不自然ではあるが、斎藤は自分の為に動いてくれた事に礼を述べた。
「で、夢主は何を悩んでいた」
「はぁそれが……」
「俺の身を案じているなら心配無用だ」
「いえ、それは心配無いようですよ。斎藤さんは不死身ですって言い切ってましたから。羨ましいですね~ははっ」
沖田は笑いながら斎藤の前に座った。
「話は聞いたんですが……これはちょっと僕からはお話し出来ないかな……と。すみません。きっといつか夢主ちゃんから聞ける時が来ると思いますから、少し待ってあげてください」
笑っていた沖田の顔が少し曇っていく。
一体何の話だと斎藤は気を揉むが、思い悩んだ所で仕方が無いかと諦めをつけた。
「そうか。分かった」
「それで……」
「まだあるのか」
気まずそうな沖田に、斎藤は顔を歪めた。
「いえぇ……その……物の弾みと言うかですね……僕、夢主ちゃんに」
申し訳なさそうな顔をする沖田に、斎藤はまさかこの沖田までもが一時の欲情に押し流されてしまったのかと、目を見開いた。
「あぁぁっ、そんな怖い顔しないで下さい、違いますよ!夢主ちゃんを傷つけるような事はしていませんよ!ただその……」
「なんだ」
明らかに苛ついた声で訊いた。
言い難いのは後ろめたさがあるからに他ならない。
「すみません、お嫁さんになって欲しいと言ってしまいました……」
前から斎藤には宣言している。別に謝る理由は無いのだが、謝ってしまった。
斎藤は呆れたような驚いたような顔で口を開けた。斎藤のこんな呆けた顔はなかなか見られない。
「あぁ、あ、安心して下さいよ!しっかり断られちゃいましたから!あはははっ」
苦笑いしながら今にも殴りかかってきそうな斎藤をどうどうと抑える身振りをした。
斎藤が怒る謂れも無いが、本当は己も相当に夢主に気があるのだと自覚するに充分な怒りの感情だった。
「でも諦めませんからね!僕は夢主ちゃんが大好きです!!」
そう宣言して、沖田は笑って休息所から逃げて行った。
「ちっ、結局話も分からんし、全くもって無駄だったな」
一人吐き捨てて、斎藤は部屋の中に酒が無いか探し始めた。