25.傷
夢主名前設定
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「はい、これ」
道場に入ると、沖田は隊士達が使う物より一回り小さい木刀を手渡した。
「僕達の使っている木刀は真剣と同じ重さで本当に重いから……夢主ちゃんの手が痛んじゃうと思うからね」
「ありがとうございます」
手に取った木刀はそれでも充分に重たい。
体を地面に引っ張られるようだ。
「構え方から教えてあげるね」
手にした木刀をきゅっと強く握りしめる様子から、初めて握るのだと察した沖田、一から教え始めた。
「流派や刀の柄の長さによって握り方も様々なんですが基本はだいたい……右手をこの辺りに、少し開けて左手を……小指から手の平に力を加える気持ちで」
隊士には激しい稽古で有名な沖田だが、今は幼子に何かを施すように優しく穏やかだ。
夢主は言われた通り手を添えて、教えられる通り木刀を握ってみた。
「いいですね。ちなみに僕達実戦では左右の手をくっつけちゃう時もあるんですよ。狭い場所ではそうじゃないと素早く振り下ろせませんから」
ははっと笑って言い、自分の木刀を短く握って見せた。
軽く振り下ろす仕草だけで素早さがわかる。
「凄い……色々あるんですね」
「えぇ。じゃぁ次に、構えてみて。切っ先を相手の顔に向けるつもりで」
戸惑いながら構える夢主。
おどおどと可愛らしい構えになっている。
「ふふっ、夢主ちゃん可愛いけど、それじゃぁ」
沖田は息する間も"もたないよ"と言いたくなり、我慢した。
夢主の体を刃が下りる、想像するだけで嫌な気分だ。相手が違えば最高の冗談なのだが。
「もう少し肘を前に出してごらん。体に肘がついていると剣が振れないよ」
そう言いながら夢主の肘を前に押し出す。
肘が離れ、木刀の重みがより腕に伝わってきた。
「こ、こうでしょうか……」
沖田が素振りする姿を思い出して構えてみる。
出来ない事を玄人の前でして見せるのは勇気がいる。
「お、いいですね!ずっと良くなりましたよ!」
まさか自分を模しているとは思わず、沖田はうんうんと頷いた。
それから振り方を教わり、十回ずつ何度か素振りを繰り返した。
沖田も隣で夢主の速さに合わせて木刀を振った。
「慣れてきましたね!ちょっと休憩しましょうか」
夢主もすっかり汗ばんでいた。
道場に入ると、沖田は隊士達が使う物より一回り小さい木刀を手渡した。
「僕達の使っている木刀は真剣と同じ重さで本当に重いから……夢主ちゃんの手が痛んじゃうと思うからね」
「ありがとうございます」
手に取った木刀はそれでも充分に重たい。
体を地面に引っ張られるようだ。
「構え方から教えてあげるね」
手にした木刀をきゅっと強く握りしめる様子から、初めて握るのだと察した沖田、一から教え始めた。
「流派や刀の柄の長さによって握り方も様々なんですが基本はだいたい……右手をこの辺りに、少し開けて左手を……小指から手の平に力を加える気持ちで」
隊士には激しい稽古で有名な沖田だが、今は幼子に何かを施すように優しく穏やかだ。
夢主は言われた通り手を添えて、教えられる通り木刀を握ってみた。
「いいですね。ちなみに僕達実戦では左右の手をくっつけちゃう時もあるんですよ。狭い場所ではそうじゃないと素早く振り下ろせませんから」
ははっと笑って言い、自分の木刀を短く握って見せた。
軽く振り下ろす仕草だけで素早さがわかる。
「凄い……色々あるんですね」
「えぇ。じゃぁ次に、構えてみて。切っ先を相手の顔に向けるつもりで」
戸惑いながら構える夢主。
おどおどと可愛らしい構えになっている。
「ふふっ、夢主ちゃん可愛いけど、それじゃぁ」
沖田は息する間も"もたないよ"と言いたくなり、我慢した。
夢主の体を刃が下りる、想像するだけで嫌な気分だ。相手が違えば最高の冗談なのだが。
「もう少し肘を前に出してごらん。体に肘がついていると剣が振れないよ」
そう言いながら夢主の肘を前に押し出す。
肘が離れ、木刀の重みがより腕に伝わってきた。
「こ、こうでしょうか……」
沖田が素振りする姿を思い出して構えてみる。
出来ない事を玄人の前でして見せるのは勇気がいる。
「お、いいですね!ずっと良くなりましたよ!」
まさか自分を模しているとは思わず、沖田はうんうんと頷いた。
それから振り方を教わり、十回ずつ何度か素振りを繰り返した。
沖田も隣で夢主の速さに合わせて木刀を振った。
「慣れてきましたね!ちょっと休憩しましょうか」
夢主もすっかり汗ばんでいた。