24.冬の刺客
夢主名前設定
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「夢主……」
斎藤も心配そうに様子を見ている。
夢主は裁縫の荷物を軽く寄せ、二人を迎え入れる形に座った。
途端、沖田が座りながら夢主の両手を握ってきた。
「大丈夫ですか!酷い事されませんでしたか!刃衛のやつ、危ない男だとは思っていましたが……」
「落ち着け沖田君、こうして無事に座っているだろう」
夢主はすっかり落ち着いていた。
斎藤の言葉に促されるように沖田も冷静さを取り戻して手を離す。勢いを失って急に申し訳なさを感じた。
「あっ、すみません、夢主ちゃん……」
「実は物凄く怖かったんですけど……もう大丈夫です。私もいつまでもびくびくしてばかり、いられませんから……」
健気に笑顔を作って見せると、男達は二人揃ってふっと微かな笑みを漏らした。
か細いようで頼もしい女の笑顔だ。
「刃衛の能力は聞いた。暗示攻撃か」
斎藤の問いに夢主は黙って頷いた。
「剣気を使った暗示で……自己暗示が最後の手段だった気がします。脱走する時に使った技を久しぶりに使うって言ってたような……」
記憶を辿り慎重に呟いた。
明治の姿が印象深く、幕末の刃衛の姿は思い起こせない。
「ほぅ、自己暗示とな」
「……はぃ。それで自分の眠っている力を引き出すというか……体がめきめき~と……」
「成る程、気持ちがあるとないとでは力の出ようが違う。それの究極……という事ですかね」
「多分……」
「久しぶりと言うのは、脱走後に刃衛がそれ程の力を出さねばならない状況があったと言う訳か」
「はぃ……確か人斬り対決……とか。最強を決めたかったのでしょうか……刃衛から挑んでました」
「人斬り対決……そいつは例の赤髪か」
はっと気付いたが遅かった。
「つまりは俺達、新選組は赤髪、抜刀斎の首を殺り損ねてその時を迎える……と言う訳だ」
夢主は申し訳ない顔で俯いた。
「お前に責任は無い、気にするな。フッ、面白いじゃないか。その首、三番隊組長この斎藤一が殺ってみせる」
「あっ、ずるい斎藤さん!それは僕が頂きますから」
二人の遣り取りはたわい無く感じさせるが、それは命の遣り取りに他ならなかった。
「奴の目に注視し、あとは剣気を破れば良いという訳だ。ま、俺達幹部連中の敵では無いな」
夢主は苦笑で頷いた。
この二人がその気では止めようが無い。
「危なっかしくてどこの隊にも正式に属していない男だ。まぁせいぜい働いてもらうさ……今は危ない力も必要だからな」
「もぉ、斎藤さん」
斎藤は何かを含んだ目で言い口元をにやりとさせ、夢主はその様子に苦笑いを続けた。
「そうだ夢主、先だって聞いていた将軍警護の話だが実現しそうだぞ」
「将軍様、でしょ!」
「おっと失敬」
沖田が正す。
目をわざと見開いて驚くふりをした斎藤、敬ってはいるが絶対の存在ではないらしい。
斎藤も心配そうに様子を見ている。
夢主は裁縫の荷物を軽く寄せ、二人を迎え入れる形に座った。
途端、沖田が座りながら夢主の両手を握ってきた。
「大丈夫ですか!酷い事されませんでしたか!刃衛のやつ、危ない男だとは思っていましたが……」
「落ち着け沖田君、こうして無事に座っているだろう」
夢主はすっかり落ち着いていた。
斎藤の言葉に促されるように沖田も冷静さを取り戻して手を離す。勢いを失って急に申し訳なさを感じた。
「あっ、すみません、夢主ちゃん……」
「実は物凄く怖かったんですけど……もう大丈夫です。私もいつまでもびくびくしてばかり、いられませんから……」
健気に笑顔を作って見せると、男達は二人揃ってふっと微かな笑みを漏らした。
か細いようで頼もしい女の笑顔だ。
「刃衛の能力は聞いた。暗示攻撃か」
斎藤の問いに夢主は黙って頷いた。
「剣気を使った暗示で……自己暗示が最後の手段だった気がします。脱走する時に使った技を久しぶりに使うって言ってたような……」
記憶を辿り慎重に呟いた。
明治の姿が印象深く、幕末の刃衛の姿は思い起こせない。
「ほぅ、自己暗示とな」
「……はぃ。それで自分の眠っている力を引き出すというか……体がめきめき~と……」
「成る程、気持ちがあるとないとでは力の出ようが違う。それの究極……という事ですかね」
「多分……」
「久しぶりと言うのは、脱走後に刃衛がそれ程の力を出さねばならない状況があったと言う訳か」
「はぃ……確か人斬り対決……とか。最強を決めたかったのでしょうか……刃衛から挑んでました」
「人斬り対決……そいつは例の赤髪か」
はっと気付いたが遅かった。
「つまりは俺達、新選組は赤髪、抜刀斎の首を殺り損ねてその時を迎える……と言う訳だ」
夢主は申し訳ない顔で俯いた。
「お前に責任は無い、気にするな。フッ、面白いじゃないか。その首、三番隊組長この斎藤一が殺ってみせる」
「あっ、ずるい斎藤さん!それは僕が頂きますから」
二人の遣り取りはたわい無く感じさせるが、それは命の遣り取りに他ならなかった。
「奴の目に注視し、あとは剣気を破れば良いという訳だ。ま、俺達幹部連中の敵では無いな」
夢主は苦笑で頷いた。
この二人がその気では止めようが無い。
「危なっかしくてどこの隊にも正式に属していない男だ。まぁせいぜい働いてもらうさ……今は危ない力も必要だからな」
「もぉ、斎藤さん」
斎藤は何かを含んだ目で言い口元をにやりとさせ、夢主はその様子に苦笑いを続けた。
「そうだ夢主、先だって聞いていた将軍警護の話だが実現しそうだぞ」
「将軍様、でしょ!」
「おっと失敬」
沖田が正す。
目をわざと見開いて驚くふりをした斎藤、敬ってはいるが絶対の存在ではないらしい。