24.冬の刺客
夢主名前設定
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「経験があれば平気……という事か。つまりは俺達なら対処できるんだろう」
「……多分……」
夢主は心もとない返事をした。
暗示に掛からなくとも、明治の世に現れたという事は取り逃がした事になるのだから。
「多分……か。してみせるさ。幹部が平隊士に負けるわけにはいかねぇからな」
土方はニッと頼もしげに、励ますように言い切った。
「皿は……どうする。後は他のやつに頼むか」
随分落ち着いたが心配だ。
普段は斎藤と沖田に任せている分、自らは余り関わらないように心掛けている。
その二人がいない今、己が力になってやらねば……無意識の内にそう思っていた。
「いぇ、折角頂いたお仕事なので、最後まで頑張ります。後は片付けるくらいですから」
「そうか」
夢主は懸命に笑顔を作った。
一生懸命な姿を土方も苦笑いで認めるしかない。
「おっ、俺とした事がすまなかったな……ほらよ」
何かと首をひねる夢主に土方は懐から取り出した手拭いを渡した。
「髪拭けよ、寒いからな」
「はぃ、ありがとうございます」
夢主はありがたく手拭いを借りた。
確かな手付きで髪を拭き始める姿を見て、土方はもう大丈夫だなと優しく微笑んで立ち上がった。
その後巡察から戻った斎藤と沖田は、巡察報告の際に事の次第を聞かされた。
井戸での異変と、刃衛の暗示と脱走の話。
刃衛が尋常な男では無いと気付いていたが、今後の身の振り方は驚きだ。
皿洗いを終えた夢主は、斎藤の部屋で隊士の皆から預かった綿入り羽織の飛び出た綿を戻して縫う針仕事をしていた。
幹部の皆は新しい着物を買えるようになり、傷み物を預かる機会が減った。
まれに夢主にやって欲しくて然程傷んでいない着物を持ってくる者もいたが、気付いてからはやんわり断っていた。
本当に困っている平隊士の皆の着物を預かってきて下さいと斎藤達に頼んだのだ。
「夢主ちゃん!」
針を動かしていると、部屋の外から切羽詰まった声が聞こえ、顔を上げると同時に勢いよく障子が開かれた。
「沖田さん、斎藤さん」
慌てる沖田、すぐ後ろには斎藤が立っていた。
いつもは斎藤の後ろに沖田が隠れているのだが、前に出るほど心配だったのだ。
「……多分……」
夢主は心もとない返事をした。
暗示に掛からなくとも、明治の世に現れたという事は取り逃がした事になるのだから。
「多分……か。してみせるさ。幹部が平隊士に負けるわけにはいかねぇからな」
土方はニッと頼もしげに、励ますように言い切った。
「皿は……どうする。後は他のやつに頼むか」
随分落ち着いたが心配だ。
普段は斎藤と沖田に任せている分、自らは余り関わらないように心掛けている。
その二人がいない今、己が力になってやらねば……無意識の内にそう思っていた。
「いぇ、折角頂いたお仕事なので、最後まで頑張ります。後は片付けるくらいですから」
「そうか」
夢主は懸命に笑顔を作った。
一生懸命な姿を土方も苦笑いで認めるしかない。
「おっ、俺とした事がすまなかったな……ほらよ」
何かと首をひねる夢主に土方は懐から取り出した手拭いを渡した。
「髪拭けよ、寒いからな」
「はぃ、ありがとうございます」
夢主はありがたく手拭いを借りた。
確かな手付きで髪を拭き始める姿を見て、土方はもう大丈夫だなと優しく微笑んで立ち上がった。
その後巡察から戻った斎藤と沖田は、巡察報告の際に事の次第を聞かされた。
井戸での異変と、刃衛の暗示と脱走の話。
刃衛が尋常な男では無いと気付いていたが、今後の身の振り方は驚きだ。
皿洗いを終えた夢主は、斎藤の部屋で隊士の皆から預かった綿入り羽織の飛び出た綿を戻して縫う針仕事をしていた。
幹部の皆は新しい着物を買えるようになり、傷み物を預かる機会が減った。
まれに夢主にやって欲しくて然程傷んでいない着物を持ってくる者もいたが、気付いてからはやんわり断っていた。
本当に困っている平隊士の皆の着物を預かってきて下さいと斎藤達に頼んだのだ。
「夢主ちゃん!」
針を動かしていると、部屋の外から切羽詰まった声が聞こえ、顔を上げると同時に勢いよく障子が開かれた。
「沖田さん、斎藤さん」
慌てる沖田、すぐ後ろには斎藤が立っていた。
いつもは斎藤の後ろに沖田が隠れているのだが、前に出るほど心配だったのだ。