24.冬の刺客
夢主名前設定
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皿を洗いながら、すぐ隣で木刀を振る沖田が気になって仕方がない。
鋭い風斬り音が細かい間隔で聞こえてくる。
一、二、三……調子を変えて一……二、三……
時折、沖田の踏ん張る声も漏れ聞こえた。
「ふっ……せぃっ、ふんっ」
声が聞こえる度、顔を上げて何度も姿を見てしまう。
真剣に自らを鍛える姿はとても眩しいものだ。
まだ朝早く冷え込む空気に、上気した沖田の体から湯気のようなものが薄っすらと立ち登っていた。
木刀を振ると、共に汗が飛ぶ。隙の無い真剣な稽古であった。
ふと気付くと指が真っ赤に染まり、痺れるように冷たくなっている。
はぁ……
手を温めて、自分も頑張ろうと再び皿を洗った。
かちゃ……ちゃぷ……小さな音を繰り返して白い皿を洗っては重ねていく。
指先が痺れてきた頃合いに、夢主は手を寄せて「はぁ~っ……」っと温めた。
繰り返していればかじかむ手も最後までもちそうだ。
「はぁ~っ……、はぁ~っ」
「はぁー……」
「きゃぁ、っ沖田さんっ!!」
いつしか、自分の息音にもう一つの息音が重なっていた。
気付くと沖田が目の前にしゃがみ込んで、夢主の手に息を掛けていた。
「ふふっ、手が冷えちゃったんだね」
沖田はそう言うとおもむろに自らの手を夢主の赤い手に重ねた。
驚くが抵抗する気は起きなかった。
「ゎぁ……」
「ね、温かいでしょ」
激しい鍛錬ですっかり火照った沖田の体、冷えた手に重ねてくれた手はとても温かかった。
「僕はこれから巡察だからこれで、夢主ちゃんも無理しないでね」
そう言って微笑むと足早に自室へ戻っていった。
こんな時の沖田は実に切り替えが早い。
あっという間の出来事に呆けてしまったが、夢主は気を取り直してもう一度水に手を入れた。
鋭い風斬り音が細かい間隔で聞こえてくる。
一、二、三……調子を変えて一……二、三……
時折、沖田の踏ん張る声も漏れ聞こえた。
「ふっ……せぃっ、ふんっ」
声が聞こえる度、顔を上げて何度も姿を見てしまう。
真剣に自らを鍛える姿はとても眩しいものだ。
まだ朝早く冷え込む空気に、上気した沖田の体から湯気のようなものが薄っすらと立ち登っていた。
木刀を振ると、共に汗が飛ぶ。隙の無い真剣な稽古であった。
ふと気付くと指が真っ赤に染まり、痺れるように冷たくなっている。
はぁ……
手を温めて、自分も頑張ろうと再び皿を洗った。
かちゃ……ちゃぷ……小さな音を繰り返して白い皿を洗っては重ねていく。
指先が痺れてきた頃合いに、夢主は手を寄せて「はぁ~っ……」っと温めた。
繰り返していればかじかむ手も最後までもちそうだ。
「はぁ~っ……、はぁ~っ」
「はぁー……」
「きゃぁ、っ沖田さんっ!!」
いつしか、自分の息音にもう一つの息音が重なっていた。
気付くと沖田が目の前にしゃがみ込んで、夢主の手に息を掛けていた。
「ふふっ、手が冷えちゃったんだね」
沖田はそう言うとおもむろに自らの手を夢主の赤い手に重ねた。
驚くが抵抗する気は起きなかった。
「ゎぁ……」
「ね、温かいでしょ」
激しい鍛錬ですっかり火照った沖田の体、冷えた手に重ねてくれた手はとても温かかった。
「僕はこれから巡察だからこれで、夢主ちゃんも無理しないでね」
そう言って微笑むと足早に自室へ戻っていった。
こんな時の沖田は実に切り替えが早い。
あっという間の出来事に呆けてしまったが、夢主は気を取り直してもう一度水に手を入れた。