23.教えてお兄さん
夢主名前設定
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とくとくとく……
心地よい音を立てて原田はどんどん酒を注ぐ。
話しながら、口を開くついでのように呑み干していった。
「こんなに優しくて大人な原田さんが腹一文字だなんて想像がつきません、その……頭に血が上って……とか」
「そうか?まぁ……俺も若かったんだろうな。今の斎藤達と一緒だぜ」
夢主は酒をきゅっと含んで呟くと、原田は笑って腹を擦った。
貴様は腹を切る作法も知らぬ奴だとなじられ、かっとなり、自分の腹に刀を入れてしまった。そんな話を覚えていた。
「お前見た事なかったな。見てみるか?!」
「えぇっ、い、いえっ、遠慮いたしますっっ」
普段から肌を覗かせている原田だが、目の前で改めて腹の晒を外すと言われると戸惑いしか感じない。
自嘲して笑いながら晒に手を掛ける姿を見て焦り、夢主はぶんぶんと顔と手を振って断った。
「そうか、なかなか立派なんだがな」
「晒しの上からでもっ、その、原田さんのお体はもともと立派ですからっ」
言われた原田は驚いてきょとんとしている。
盃に戻した手が固まっていた。
「あ、へ、変な意味じゃなくてですよ!筋肉質でがっしりしてて背も高くて、その、隊士のお仕事なさるのにっ、」
「ははははっ、そう慌てんなよ、大丈夫だぜ、褒めてくれてありがとよ!」
変な誤解を与えてしまったと慌てて釈明した夢主は、真っ赤な顔で「はぃ……」と小さく頷いた。
「まぁ十番隊組長、殿を務めるからには心も体も強くねぇとな」
「ふふっ……頼もしいです」
自慢の力こぶを作る原田。恥じらいも気まずさも、すぐに忘れられる。優しく笑わせてくれる気遣いが心から嬉しい。
夢主は盃に残る酒を一気に呑み干した。
「おぉ、急に大丈夫かよ」
「平気です!はらださんに負けていられません!」
元気に答えて自らお代わりの酒を注ぐ。
先程より勢いが増していた。
「よわいやつなんですから!!」
笑いながら原田をぐっと睨み、また呑み干した。
元気をくれるこの人の前で塞いでなんていられない。
でも比べてしまうと、何だか悔しくて悲しい。原田さんはこんなに優しくて温かくて。
「おいしーぃ!斎藤さんも、沖田さんも、のませておいて、とりあげるなんて、ずるいんです」
「ははっ……そうかい」
「原田さんっ!おなか、みせてくださいぃっ……ぜひとも……名誉のきずを……」
頬を染めて愛らしく酔っているのに目が据わっているのは、先程まで機嫌が悪かったのが原因か。
斎藤と沖田の何かを根に持っている様子だ。原田は苦笑いがおさまらない。
心地よい音を立てて原田はどんどん酒を注ぐ。
話しながら、口を開くついでのように呑み干していった。
「こんなに優しくて大人な原田さんが腹一文字だなんて想像がつきません、その……頭に血が上って……とか」
「そうか?まぁ……俺も若かったんだろうな。今の斎藤達と一緒だぜ」
夢主は酒をきゅっと含んで呟くと、原田は笑って腹を擦った。
貴様は腹を切る作法も知らぬ奴だとなじられ、かっとなり、自分の腹に刀を入れてしまった。そんな話を覚えていた。
「お前見た事なかったな。見てみるか?!」
「えぇっ、い、いえっ、遠慮いたしますっっ」
普段から肌を覗かせている原田だが、目の前で改めて腹の晒を外すと言われると戸惑いしか感じない。
自嘲して笑いながら晒に手を掛ける姿を見て焦り、夢主はぶんぶんと顔と手を振って断った。
「そうか、なかなか立派なんだがな」
「晒しの上からでもっ、その、原田さんのお体はもともと立派ですからっ」
言われた原田は驚いてきょとんとしている。
盃に戻した手が固まっていた。
「あ、へ、変な意味じゃなくてですよ!筋肉質でがっしりしてて背も高くて、その、隊士のお仕事なさるのにっ、」
「ははははっ、そう慌てんなよ、大丈夫だぜ、褒めてくれてありがとよ!」
変な誤解を与えてしまったと慌てて釈明した夢主は、真っ赤な顔で「はぃ……」と小さく頷いた。
「まぁ十番隊組長、殿を務めるからには心も体も強くねぇとな」
「ふふっ……頼もしいです」
自慢の力こぶを作る原田。恥じらいも気まずさも、すぐに忘れられる。優しく笑わせてくれる気遣いが心から嬉しい。
夢主は盃に残る酒を一気に呑み干した。
「おぉ、急に大丈夫かよ」
「平気です!はらださんに負けていられません!」
元気に答えて自らお代わりの酒を注ぐ。
先程より勢いが増していた。
「よわいやつなんですから!!」
笑いながら原田をぐっと睨み、また呑み干した。
元気をくれるこの人の前で塞いでなんていられない。
でも比べてしまうと、何だか悔しくて悲しい。原田さんはこんなに優しくて温かくて。
「おいしーぃ!斎藤さんも、沖田さんも、のませておいて、とりあげるなんて、ずるいんです」
「ははっ……そうかい」
「原田さんっ!おなか、みせてくださいぃっ……ぜひとも……名誉のきずを……」
頬を染めて愛らしく酔っているのに目が据わっているのは、先程まで機嫌が悪かったのが原因か。
斎藤と沖田の何かを根に持っている様子だ。原田は苦笑いがおさまらない。