23.教えてお兄さん
夢主名前設定
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「どうしてってお前、この酒はお前の為のもんなんだろ。それなのにこんなに残ってるじゃねぇか」
夢主は小さく頷いた。確かに自分の為に用意された酒だ。
「この前、少し頂いたんです」
「酔っちまったのか」
「いいぇ……結構記憶はあるんです。大丈夫だと思ったんですが……何杯か頂いた後、斎藤さんにお酒を取り上げられてしまって……その後は……」
「記憶になし……か」
成る程な、と朗らかに笑った。
元々酒に弱いと聞いている。それでも大丈夫だろうと用意された弱い酒でも記憶が飛んでしまうとは、手を出し難くなって当然だ。
夢主は困った顔で首を傾げた。
「でも斎藤に酒を取られるまで記憶があったんなら少しぐらい大丈夫だろう。心配だったら開けておくぜ」
優しい目でそう言うと原田は部屋の障子を開けた。
声も通るし人目に付く。悪い事は出来ねぇだろと言っているようだ。
「いえ……もう風は冷たいですし、原田さんのこと信じてます」
「そうか」
微笑む夢主に原田も嬉しそうだ。
障子を元通り閉めて座り直すと、部屋に入り込む冷たい風が止み、途端に暖かく感じる。
一緒にいてくれるこの人のおかげではと思えるほど、暖かい。
「原田さんは……どうして平気なんですか」
「何がだ?」
「その……お酒を呑んでも……」
「はははっ、女を襲わねぇかってか、そいつは面白い質問だな」
夢主は真っ赤な顏だが真剣そのものだ。
そしてどうしていいか分からないと戸惑いを見せている。
「そうだな、お前は確かに……好かれる女かもな」
原田なりに言葉を選んでいた。
小さくて愛らしくて艶っぽくて、守ってやりたくなる。そのくせ隙だらけで妙に押し倒したくなる女。
見ていると優しく労わってやりたくなるのに、強引に触れたい衝動が湧いてくる。
そうは言えまい。
夢主は返事に困って原田を見つめている。
「俺だってお前が可愛いぞ、大好きだぜ」
「原田さんっ」
「はははっ、そんな顔するな!まぁ言うなれば妹みたいって所だな!可愛くって大事にしたい存在だぜ、守ってやりたいさ」
「妹……」
「そうだ。悪くないだろ、お兄ちゃんが守ってやるぜ!」
にっと笑い、頼もしく言った。
おどけて分厚い手で夢主の頭をくしゅくしゅと撫でる。
髪を乱されて、夢主は大きな瞳で原田を見上げた。
「ふふっ……お兄ちゃん……原田さんぽくて、素敵です」
「おぉ?素敵かぁ?何か妙だがまぁいいぜ、兄ちゃんだと思って甘えろよ。困った時は力になるぜ」
「はぃ」
真剣な眼差しで微笑む原田の言葉は、とても頼もしく心強い。
暗かった心がぽかぽかと明るく温かくなっていった。
夢主は小さく頷いた。確かに自分の為に用意された酒だ。
「この前、少し頂いたんです」
「酔っちまったのか」
「いいぇ……結構記憶はあるんです。大丈夫だと思ったんですが……何杯か頂いた後、斎藤さんにお酒を取り上げられてしまって……その後は……」
「記憶になし……か」
成る程な、と朗らかに笑った。
元々酒に弱いと聞いている。それでも大丈夫だろうと用意された弱い酒でも記憶が飛んでしまうとは、手を出し難くなって当然だ。
夢主は困った顔で首を傾げた。
「でも斎藤に酒を取られるまで記憶があったんなら少しぐらい大丈夫だろう。心配だったら開けておくぜ」
優しい目でそう言うと原田は部屋の障子を開けた。
声も通るし人目に付く。悪い事は出来ねぇだろと言っているようだ。
「いえ……もう風は冷たいですし、原田さんのこと信じてます」
「そうか」
微笑む夢主に原田も嬉しそうだ。
障子を元通り閉めて座り直すと、部屋に入り込む冷たい風が止み、途端に暖かく感じる。
一緒にいてくれるこの人のおかげではと思えるほど、暖かい。
「原田さんは……どうして平気なんですか」
「何がだ?」
「その……お酒を呑んでも……」
「はははっ、女を襲わねぇかってか、そいつは面白い質問だな」
夢主は真っ赤な顏だが真剣そのものだ。
そしてどうしていいか分からないと戸惑いを見せている。
「そうだな、お前は確かに……好かれる女かもな」
原田なりに言葉を選んでいた。
小さくて愛らしくて艶っぽくて、守ってやりたくなる。そのくせ隙だらけで妙に押し倒したくなる女。
見ていると優しく労わってやりたくなるのに、強引に触れたい衝動が湧いてくる。
そうは言えまい。
夢主は返事に困って原田を見つめている。
「俺だってお前が可愛いぞ、大好きだぜ」
「原田さんっ」
「はははっ、そんな顔するな!まぁ言うなれば妹みたいって所だな!可愛くって大事にしたい存在だぜ、守ってやりたいさ」
「妹……」
「そうだ。悪くないだろ、お兄ちゃんが守ってやるぜ!」
にっと笑い、頼もしく言った。
おどけて分厚い手で夢主の頭をくしゅくしゅと撫でる。
髪を乱されて、夢主は大きな瞳で原田を見上げた。
「ふふっ……お兄ちゃん……原田さんぽくて、素敵です」
「おぉ?素敵かぁ?何か妙だがまぁいいぜ、兄ちゃんだと思って甘えろよ。困った時は力になるぜ」
「はぃ」
真剣な眼差しで微笑む原田の言葉は、とても頼もしく心強い。
暗かった心がぽかぽかと明るく温かくなっていった。