22.見定め事と中途半端な君
夢主名前設定
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完全に酔っていなくとも身も心も弛んでいる。
夢主は急に立ち上がり、斎藤と沖田の間に割って入るようストンと腰を下ろした。
背筋をしゅっと伸ばして正座するが、酔っているのは伝わってくる。
「もぉ、たいくつです……ぉふたりだけ、ずるぅ……ぃです……」
むくれながら流し目でちらりちらり、右、左、二人を順に見比べる。
それでも目を逸らして無反応な二人に苛立った夢主は思いきり顔を近付けた。
斎藤は驚いて顔を背けるが、夢主の温かい息が斎藤の首に掛かる。
「ねぇ……きいて、ますかぁ」
ねっとり絡みつく声に「ちっ」と舌打ちをして、己の猪口を夢主に持たせた。
反射的に受け取った夢主は酒を再開できると喜び、色づいた顔を綻ばせた。
「わぁ……いいんですかぁ」
「中途半端に酔いやがって、ほら、寝ろ」
斎藤はそう言って手を添え、半ば強引に強い酒を流し込んだ。
「んん……っ……」
ごくりと音を立てて夢主の喉が動く。
一気に飲み込むと、極めて熱いものが体を駆け巡った。押し寄せる渦巻く感覚。
「ぁあ……さぃ……と……さ……」
すぅ・・・と目を閉じながら斎藤に凭れかかった。
「全く、やれやれだな」
斎藤はようやく安堵した。中途半端に酔わせたのは自分達なのだが。
二人揃って気を張って自我を抑えていたのだ、薄すら酔ったまま妙に親しくされるより、いっそ寝てくれた方が余程楽だ。
「いやぁ弱いお酒、危ないですね、とてもじゃないけど一緒になんて呑めないや、ははっ……」
「厄介な女だ……」
言葉とは裏腹に、斎藤は寝てしまった夢主を自らの膝の上で優しく介抱している。
程よい重さが心地よく思えた。
「斎藤さん、いつまでそうしてるんですか。ささ、お布団敷きましたよぉ」
いつになく素早く動き、沖田はあっという間に斎藤の膝から夢主を奪ってみせた。
「ちっ」
斎藤も今は素直に舌打ちして悔しがった。
それでも笑っているのが沖田との仲の良さと信頼を表している。
いつものように斎藤が布団に運んでやると、男二人の酌を再開した。
安らかな女の寝息と男二人の楽しげな笑い声が響く、秋の昼間の小さな宴が続いた。
夢主は急に立ち上がり、斎藤と沖田の間に割って入るようストンと腰を下ろした。
背筋をしゅっと伸ばして正座するが、酔っているのは伝わってくる。
「もぉ、たいくつです……ぉふたりだけ、ずるぅ……ぃです……」
むくれながら流し目でちらりちらり、右、左、二人を順に見比べる。
それでも目を逸らして無反応な二人に苛立った夢主は思いきり顔を近付けた。
斎藤は驚いて顔を背けるが、夢主の温かい息が斎藤の首に掛かる。
「ねぇ……きいて、ますかぁ」
ねっとり絡みつく声に「ちっ」と舌打ちをして、己の猪口を夢主に持たせた。
反射的に受け取った夢主は酒を再開できると喜び、色づいた顔を綻ばせた。
「わぁ……いいんですかぁ」
「中途半端に酔いやがって、ほら、寝ろ」
斎藤はそう言って手を添え、半ば強引に強い酒を流し込んだ。
「んん……っ……」
ごくりと音を立てて夢主の喉が動く。
一気に飲み込むと、極めて熱いものが体を駆け巡った。押し寄せる渦巻く感覚。
「ぁあ……さぃ……と……さ……」
すぅ・・・と目を閉じながら斎藤に凭れかかった。
「全く、やれやれだな」
斎藤はようやく安堵した。中途半端に酔わせたのは自分達なのだが。
二人揃って気を張って自我を抑えていたのだ、薄すら酔ったまま妙に親しくされるより、いっそ寝てくれた方が余程楽だ。
「いやぁ弱いお酒、危ないですね、とてもじゃないけど一緒になんて呑めないや、ははっ……」
「厄介な女だ……」
言葉とは裏腹に、斎藤は寝てしまった夢主を自らの膝の上で優しく介抱している。
程よい重さが心地よく思えた。
「斎藤さん、いつまでそうしてるんですか。ささ、お布団敷きましたよぉ」
いつになく素早く動き、沖田はあっという間に斎藤の膝から夢主を奪ってみせた。
「ちっ」
斎藤も今は素直に舌打ちして悔しがった。
それでも笑っているのが沖田との仲の良さと信頼を表している。
いつものように斎藤が布団に運んでやると、男二人の酌を再開した。
安らかな女の寝息と男二人の楽しげな笑い声が響く、秋の昼間の小さな宴が続いた。