22.見定め事と中途半端な君
夢主名前設定
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「ただの人斬り、悪党では無いのだな。どんな事情がある」
「あ……」
考えて込んでいた夢主は顔を上げた。
「お前は剣客さんと言った。ただの人斬りにさんなど付けん」
「はぃ……その通りです……」
流石だ、一瞬の言葉も逃さず拾っていた。
斎藤なら理解してくれるかもしれない。人斬り抜刀斎に関して口籠る理由を。
「彼は人斬りです。でも彼は、いつか来る平和の世を信じて言われるままに人を斬っているだけ……まだ心が幼くて、やがて葛藤から心は蝕まれていきます。思い悩んだ末、ようやく人々を守る道を選ぶんです。それからは多くの人を救います。だから今、彼が……いなくなったら…………」
「その人々が救われないかもしれないと」
沖田が詰まった言葉を繋いでくれた。
「はぃ……。でもこの先数年、彼に命を奪われる人が多くいるのも事実で……愛する人と添い遂げる事が叶う人もいれば……いらぬ恨みに人生を狂わせずに済む人もいる……」
それに彼を捕らえた所で代わりの人斬りがそれを成すだけかも知れない。
夢主は二人の顔を順に見た。
「分からないんです。どちらが正しいのか……」
緋村剣心が関わっていく多くの人々を思い返した。
緋村の存在が消えれば、彼らの中にも仲間を得られず自らの選択に苦しみながら人生を終える人物が出るかもしれない。
夢主は必死に記憶を辿っていた。
そして極力この先に影響を及ぼさないよう言葉を選ぼうとしている。
「幼子が……やがて大陸の犯罪組織の頭になることが防げても、大陸から日本へ密輸される武器を止められなくなるかもしれないし……アヘンの製造や、動乱の誘発もあります……あまりにも…………」
「随分と大きな話ばかりだな」
斎藤も流石に驚いた。夢主は頷くしかできない。
「何を正せば、どの過ちが止まるのか……新たな危機が生まれるのか……全く予測が付きません……」
「成るように成る、か」
参ったな、とばかりに二人は腕を組んだ。
暫く沈黙し思案を重ねるが、やがて斎藤はフンと一息入れて言葉を発した。
「実際に剣を交える日が来るのかだけ聞いておこうか」
夢主は大きく頷いた。
それを見た斎藤と沖田は体の中に駆け巡るものを感じた。血が疼く。斎藤は口元を歪めていた。
「そいつは楽しみだ。それならば詳しい話は無用と言うもの、楽しみが無くなるからな」
実際に剣を合わせて初めて感じる相手の全て、それこそが楽しみであった。
「あ……」
考えて込んでいた夢主は顔を上げた。
「お前は剣客さんと言った。ただの人斬りにさんなど付けん」
「はぃ……その通りです……」
流石だ、一瞬の言葉も逃さず拾っていた。
斎藤なら理解してくれるかもしれない。人斬り抜刀斎に関して口籠る理由を。
「彼は人斬りです。でも彼は、いつか来る平和の世を信じて言われるままに人を斬っているだけ……まだ心が幼くて、やがて葛藤から心は蝕まれていきます。思い悩んだ末、ようやく人々を守る道を選ぶんです。それからは多くの人を救います。だから今、彼が……いなくなったら…………」
「その人々が救われないかもしれないと」
沖田が詰まった言葉を繋いでくれた。
「はぃ……。でもこの先数年、彼に命を奪われる人が多くいるのも事実で……愛する人と添い遂げる事が叶う人もいれば……いらぬ恨みに人生を狂わせずに済む人もいる……」
それに彼を捕らえた所で代わりの人斬りがそれを成すだけかも知れない。
夢主は二人の顔を順に見た。
「分からないんです。どちらが正しいのか……」
緋村剣心が関わっていく多くの人々を思い返した。
緋村の存在が消えれば、彼らの中にも仲間を得られず自らの選択に苦しみながら人生を終える人物が出るかもしれない。
夢主は必死に記憶を辿っていた。
そして極力この先に影響を及ぼさないよう言葉を選ぼうとしている。
「幼子が……やがて大陸の犯罪組織の頭になることが防げても、大陸から日本へ密輸される武器を止められなくなるかもしれないし……アヘンの製造や、動乱の誘発もあります……あまりにも…………」
「随分と大きな話ばかりだな」
斎藤も流石に驚いた。夢主は頷くしかできない。
「何を正せば、どの過ちが止まるのか……新たな危機が生まれるのか……全く予測が付きません……」
「成るように成る、か」
参ったな、とばかりに二人は腕を組んだ。
暫く沈黙し思案を重ねるが、やがて斎藤はフンと一息入れて言葉を発した。
「実際に剣を交える日が来るのかだけ聞いておこうか」
夢主は大きく頷いた。
それを見た斎藤と沖田は体の中に駆け巡るものを感じた。血が疼く。斎藤は口元を歪めていた。
「そいつは楽しみだ。それならば詳しい話は無用と言うもの、楽しみが無くなるからな」
実際に剣を合わせて初めて感じる相手の全て、それこそが楽しみであった。