19.市中見物
夢主名前設定
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「あたしは、背の高いほうと見たがね、違うかね、どうだい」
楽しそうに耳元で訊いてくるおばちゃんに、夢主も困ってしまい眉根を下げた。それでも顔は笑っている。
「もぅ、内緒ですから!」
「そうかい、ま、何かあったらまた連れといで。あの人好みの渋~いお茶を淹れてあげるよ」
「ふふっ、ありがとうございます」
うんうん、と頷いておばちゃんは送り出してくれた。
「お待たせしました…………っ……」
斎藤と沖田の元に駆けて来た夢主、二人の肩越し、何かを見つけて息を呑んだ。
通りの向こうに一瞬見えた気がした。
赤い髪の剣客が。
「どうした」
「今……」
驚きで出てこない声の代わりに、何とか剣客の存在を伝えようと指差した。
二人が夢主の示す方角を見返ると、指差した遠くを見つめたまま続けた。
「赤い髪の……剣客さんが……」
剣客の正体を知る夢主は思わずさん付けで新選組の敵を呼んでしまった。
二人はそいつがどうしたと揃って通りの先に目を凝らした。
もう赤い髪の姿は見えない。
「凄く一瞬で……遠かったのですが、あの人が多分、対幕府の人斬り……人斬り抜刀斎だと思います」
柔らかかった二人の顔付きが一瞬で戦う男の顔に変わった。
対幕府の人斬り、新選組が今最も正体を掴みたい男、奴が現れたというのか。
いや、それ以上に問題がある。今は問うまいが何れ……二人は顔を見合わせた。
「どうします斎藤さん」
「いや、今は……このまま、市中見物を続ける」
斎藤は夢主を見て言葉を選んだ。
「大丈夫でしょうか……追いかけなくても……いいのですか」
夢主は出会ってしまえば斬り合いになると恐れた。
しかし斎藤達が役目を果たす為には避けられない。遅かれ遠かれその日はやって来る。
突然現実を突きつけられ、夢主は俯いた。
「大丈夫だ。遠過ぎるし、お前を危険に晒すわけにはいかん」
やがて訪れる抜刀斎との対決。それに斎藤達が仕事を諦めたのは自分のせいかと下を向く夢主の頭に、斎藤は手を乗せた。
「気にするな、今日はお前の為に町に来たんだ。楽しんで帰るぞ」
そう言い、珍しく微笑みかけて夢主を元気付けた。
楽しそうに耳元で訊いてくるおばちゃんに、夢主も困ってしまい眉根を下げた。それでも顔は笑っている。
「もぅ、内緒ですから!」
「そうかい、ま、何かあったらまた連れといで。あの人好みの渋~いお茶を淹れてあげるよ」
「ふふっ、ありがとうございます」
うんうん、と頷いておばちゃんは送り出してくれた。
「お待たせしました…………っ……」
斎藤と沖田の元に駆けて来た夢主、二人の肩越し、何かを見つけて息を呑んだ。
通りの向こうに一瞬見えた気がした。
赤い髪の剣客が。
「どうした」
「今……」
驚きで出てこない声の代わりに、何とか剣客の存在を伝えようと指差した。
二人が夢主の示す方角を見返ると、指差した遠くを見つめたまま続けた。
「赤い髪の……剣客さんが……」
剣客の正体を知る夢主は思わずさん付けで新選組の敵を呼んでしまった。
二人はそいつがどうしたと揃って通りの先に目を凝らした。
もう赤い髪の姿は見えない。
「凄く一瞬で……遠かったのですが、あの人が多分、対幕府の人斬り……人斬り抜刀斎だと思います」
柔らかかった二人の顔付きが一瞬で戦う男の顔に変わった。
対幕府の人斬り、新選組が今最も正体を掴みたい男、奴が現れたというのか。
いや、それ以上に問題がある。今は問うまいが何れ……二人は顔を見合わせた。
「どうします斎藤さん」
「いや、今は……このまま、市中見物を続ける」
斎藤は夢主を見て言葉を選んだ。
「大丈夫でしょうか……追いかけなくても……いいのですか」
夢主は出会ってしまえば斬り合いになると恐れた。
しかし斎藤達が役目を果たす為には避けられない。遅かれ遠かれその日はやって来る。
突然現実を突きつけられ、夢主は俯いた。
「大丈夫だ。遠過ぎるし、お前を危険に晒すわけにはいかん」
やがて訪れる抜刀斎との対決。それに斎藤達が仕事を諦めたのは自分のせいかと下を向く夢主の頭に、斎藤は手を乗せた。
「気にするな、今日はお前の為に町に来たんだ。楽しんで帰るぞ」
そう言い、珍しく微笑みかけて夢主を元気付けた。