19.市中見物
夢主名前設定
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「お待たせしてすみません、話し込んじゃいました」
「土方さん、ご機嫌そうだったな」
二人にも部屋の様子は伝わっていた。
土方の笑い声が聞こえた。珍しい事だ。日野にいた頃は当たり前だった笑い声が、今では稀にしか響かない。
「何を話してたんですか」
「お薬の事をちょっと」
「へ~」
本当かな、そんな沖田の視線をやり過ごし、夢主は二人の間に挟まれて屯所を出た。
門を通る時、門番の隊士二人が会釈をする夢主を見て顔を赤らめた。
愛くるしい女の微笑みに素直に頬を染めたのだが、歩くうちに夢主はある事を思い出してしまった。
その途端、急激に顔が熱くなっていく。
「どうした急に」
「いぇっ、そのっ……門番さんがこちらを見てその……」
門番がどうした、斎藤はかなり遠くなった屯所の門を振り返った。
「きゅっ、休息所の事……」
斎藤も沖田も「はて」と大きく首を傾げる。
「だ、だって斎藤さんこの前、私が休息所でお二人にだ、だ、だっ、だかっ……って、言ってたじゃないですか!だから門番さん達が……私を見て、顔を赤くしたのかと……その、これからお二人と……」
夢主自身も真っ赤かな顔で俯いた。
以前言われた、夢主が斎藤と沖田の二人に休息所で抱かれている、その話を言っていた。
「斎藤さんっ、まだあの話嘘って言ってなかったんですか?!」
「ぇっ……」
「夢主ちゃん安心してくださいよ、休息所に夢主ちゃんを連れ出してるなんて平隊士達はそのこと自体知らないですから」
沖田は安心させようと教えてくれた。
「さっ……斎藤さぁあん!!」
またしてもしてやられたと、夢主は斎藤を睨み付けた。
つまり幹部の皆は休息所で夢主を含む密談が行われると知っている。隊士達は知らない。
休息所があり、指示があれば仕出しが届く。届けるのは平隊士、指示に従い使いに出向く。だが夢主がそこにいる事すら知らないのだ。
「ほんの冗談だ。構うな」
いけしゃあしゃあとは、まさに今の斎藤を言うのだろう。
夢主は怒っていた。本当に斎藤は人をおちょくって揶揄うのが大好きだ。
「折角の京見物だ、仲良く行こうぜ」
全く悪びれずに言う斎藤に、夢主も呆れてしまった。
「斎藤さんて……優しいんだか意地悪なんだか分からないです」
「ほら、機嫌直せ」
小さく呟いて拗ねる夢主の頭にポンと手を乗せると斎藤は優しい声で
「悪かったな」と謝った。
「土方さん、ご機嫌そうだったな」
二人にも部屋の様子は伝わっていた。
土方の笑い声が聞こえた。珍しい事だ。日野にいた頃は当たり前だった笑い声が、今では稀にしか響かない。
「何を話してたんですか」
「お薬の事をちょっと」
「へ~」
本当かな、そんな沖田の視線をやり過ごし、夢主は二人の間に挟まれて屯所を出た。
門を通る時、門番の隊士二人が会釈をする夢主を見て顔を赤らめた。
愛くるしい女の微笑みに素直に頬を染めたのだが、歩くうちに夢主はある事を思い出してしまった。
その途端、急激に顔が熱くなっていく。
「どうした急に」
「いぇっ、そのっ……門番さんがこちらを見てその……」
門番がどうした、斎藤はかなり遠くなった屯所の門を振り返った。
「きゅっ、休息所の事……」
斎藤も沖田も「はて」と大きく首を傾げる。
「だ、だって斎藤さんこの前、私が休息所でお二人にだ、だ、だっ、だかっ……って、言ってたじゃないですか!だから門番さん達が……私を見て、顔を赤くしたのかと……その、これからお二人と……」
夢主自身も真っ赤かな顔で俯いた。
以前言われた、夢主が斎藤と沖田の二人に休息所で抱かれている、その話を言っていた。
「斎藤さんっ、まだあの話嘘って言ってなかったんですか?!」
「ぇっ……」
「夢主ちゃん安心してくださいよ、休息所に夢主ちゃんを連れ出してるなんて平隊士達はそのこと自体知らないですから」
沖田は安心させようと教えてくれた。
「さっ……斎藤さぁあん!!」
またしてもしてやられたと、夢主は斎藤を睨み付けた。
つまり幹部の皆は休息所で夢主を含む密談が行われると知っている。隊士達は知らない。
休息所があり、指示があれば仕出しが届く。届けるのは平隊士、指示に従い使いに出向く。だが夢主がそこにいる事すら知らないのだ。
「ほんの冗談だ。構うな」
いけしゃあしゃあとは、まさに今の斎藤を言うのだろう。
夢主は怒っていた。本当に斎藤は人をおちょくって揶揄うのが大好きだ。
「折角の京見物だ、仲良く行こうぜ」
全く悪びれずに言う斎藤に、夢主も呆れてしまった。
「斎藤さんて……優しいんだか意地悪なんだか分からないです」
「ほら、機嫌直せ」
小さく呟いて拗ねる夢主の頭にポンと手を乗せると斎藤は優しい声で
「悪かったな」と謝った。