17.秋
夢主名前設定
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「はい、出来ましたよ」
「ありがとうございます」
夢主は自分の赤らんだ左手の指を確認するように動かした。
「斎藤さんの薬といい……この時代のお薬って結構効き目があるんですね」
何気なく呟いた一言に斎藤がフッと笑った。
「あれか、フッ」
顔を逸らして笑ったので、流石の夢主も何かあると気が付いた。
沖田も何ですかと斎藤を見た。
「あの薬がどうかしたんですか?」
「別にな……ククッ」
「何か隠してますね!教えて下さいっ。じゃないと……熱いお茶を自分にかけちゃいますよ!」
夢主は周りを見回して、自分に出来そうな小さな抵抗を言ってのけた。
自分に……というのが夢主らしい。
斎藤や沖田にはとてもかけられないし、かけた所で易々かわされるのが目に見えていた。
「分かった分かった、無茶を言うな」
笑いながら斎藤は止めた。
沖田もまぁまぁと宥めている。
「あの薬はな、まぁ肌に潤いを持たせる物で、わかりやすく言えば椿の油を軟膏に混ぜたような物だな」
「椿……油……確かに美肌……保湿……ぇえええっ!!!」
打ち身の薬とすっかり信じ込んでいた夢主は驚いて大声を上げた。
「阿呆ぅ夜も更けたのに叫ぶんじゃねぇ」
自分のせいなのだが、それを棚に上げて斎藤は夢主を戒めた。
「だって……打ち身薬って、信じてたのに……」
「ククッ、だが効いただろう」
はっ、確かに効いた。
不思議だ……夢主は何故かと一生懸命首をひねった。
「た、確かに、痛みがすぐに治まっていった気がします……どうしてですか、ただの軟膏なら……」
偽物の薬なら痛みが治まったりはしないはずだ。
沖田も不思議そうに考えている。
「そりゃぁお前、男の手で塗りたくられたら、恥ずかしさと快感で痛みも飛んじまうだろうよ」
クックッと斎藤は笑った。
恥ずかしさで火照った体にその笑いが響き、体中真っ赤に染め上げ、顔からは火が出る思いだった。
「もっ、もっ、もぉおーーー!!さいとーさぁああん!!恥ずかしい事言わないで下さいーー!!かっかっ……」
快感だなんてと夢主は卒倒しそうだった。
「斎藤さんの事信じてたんですよ!!」
「そのまま信じてろ。痛みも治まったんだ、結果良かっただろう。肌が滑らかになれば着物で擦れて痛くもならん。少しはちゃんとした効果も考えてたんだぜ」
斎藤はフンと見下ろすように言い切った。
「うっ……はぃ……ありがとぅ……ございました……」
やけに艶やかな目で見下され、強く言い切られると反射的に頷いてしまう。
解せない思いで一杯だが、斎藤の言い分にも一理あるのでここは一先ず礼を言う夢主であった。
斎藤の事も少しは疑ってみようと心に決めたのである。長くは続かないのだが。
「ふははっ、全く、斎藤さんってば、くっくっく」
沖田は二人のやりとりに少し顔を赤くしながらも、腹を抱えて声を殺して笑っていた。
「ありがとうございます」
夢主は自分の赤らんだ左手の指を確認するように動かした。
「斎藤さんの薬といい……この時代のお薬って結構効き目があるんですね」
何気なく呟いた一言に斎藤がフッと笑った。
「あれか、フッ」
顔を逸らして笑ったので、流石の夢主も何かあると気が付いた。
沖田も何ですかと斎藤を見た。
「あの薬がどうかしたんですか?」
「別にな……ククッ」
「何か隠してますね!教えて下さいっ。じゃないと……熱いお茶を自分にかけちゃいますよ!」
夢主は周りを見回して、自分に出来そうな小さな抵抗を言ってのけた。
自分に……というのが夢主らしい。
斎藤や沖田にはとてもかけられないし、かけた所で易々かわされるのが目に見えていた。
「分かった分かった、無茶を言うな」
笑いながら斎藤は止めた。
沖田もまぁまぁと宥めている。
「あの薬はな、まぁ肌に潤いを持たせる物で、わかりやすく言えば椿の油を軟膏に混ぜたような物だな」
「椿……油……確かに美肌……保湿……ぇえええっ!!!」
打ち身の薬とすっかり信じ込んでいた夢主は驚いて大声を上げた。
「阿呆ぅ夜も更けたのに叫ぶんじゃねぇ」
自分のせいなのだが、それを棚に上げて斎藤は夢主を戒めた。
「だって……打ち身薬って、信じてたのに……」
「ククッ、だが効いただろう」
はっ、確かに効いた。
不思議だ……夢主は何故かと一生懸命首をひねった。
「た、確かに、痛みがすぐに治まっていった気がします……どうしてですか、ただの軟膏なら……」
偽物の薬なら痛みが治まったりはしないはずだ。
沖田も不思議そうに考えている。
「そりゃぁお前、男の手で塗りたくられたら、恥ずかしさと快感で痛みも飛んじまうだろうよ」
クックッと斎藤は笑った。
恥ずかしさで火照った体にその笑いが響き、体中真っ赤に染め上げ、顔からは火が出る思いだった。
「もっ、もっ、もぉおーーー!!さいとーさぁああん!!恥ずかしい事言わないで下さいーー!!かっかっ……」
快感だなんてと夢主は卒倒しそうだった。
「斎藤さんの事信じてたんですよ!!」
「そのまま信じてろ。痛みも治まったんだ、結果良かっただろう。肌が滑らかになれば着物で擦れて痛くもならん。少しはちゃんとした効果も考えてたんだぜ」
斎藤はフンと見下ろすように言い切った。
「うっ……はぃ……ありがとぅ……ございました……」
やけに艶やかな目で見下され、強く言い切られると反射的に頷いてしまう。
解せない思いで一杯だが、斎藤の言い分にも一理あるのでここは一先ず礼を言う夢主であった。
斎藤の事も少しは疑ってみようと心に決めたのである。長くは続かないのだが。
「ふははっ、全く、斎藤さんってば、くっくっく」
沖田は二人のやりとりに少し顔を赤くしながらも、腹を抱えて声を殺して笑っていた。