17.秋
夢主名前設定
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斎藤は先程の沖田との企みを土方に相談したかったのだ。
「成る程な。いいだろう。確かにずっと閉じ込めっぱなしで可哀想だ」
「ありがとうございます」
「その代わり危ない目には合わせるなよ。絶対にだ」
斎藤は静かに深く頷いた。
「しかし、俺に先に確認を取っておくとは流石斎藤だな。総司はその辺の詰めが甘ぇな」
腕を組んでいつもの癖で顎を触りながら、やれやれと言った様子で可愛い弟分を思っている。
「まぁ、市中に出て巡査隊に出くわさない方が珍しいですから。土方さんの耳にも入るでしょう。なら最初から確認を頂いたほうが後々面倒にならないってもんです」
「流石だな。その辺は斎藤、お前は俺に似てるな。先手必勝って奴だ。それを聞いていれば巡察の手も厚く出来るしな」
「土方さんは何だかんだで夢主を気に掛けてくれていますしね」
それに土方はこれでも隊を預かる副長だ。意外と話が分かる男、斎藤は一目置いている。
斎藤は土方にニヤリと笑った。
「俺はお前のそう言う所が好きだぜ、斎藤」
土方もニヤリと笑い、「行け行け」と斎藤を追い出した。
斎藤が部屋に戻ると沖田のお茶も夢主のお茶もまだ残っていた。
熱いから冷めるまで待っていた。
「ほら薬だ」
「ありがとうございます。……これって噂の石田散薬ですか……」
「いや、石田散薬は飲み薬だ。ただ土方さんの家の方で売り物ではないが色々作っている薬があるそうでな。これもその一つだ」
「へぇ……ありがとうございます」
斎藤の薬はなんの抵抗も無かったが、昔の薬が珍しいのか夢主はまじまじと眺めている。
「僕が塗ってあげましょうか。打ち身薬は斎藤さんが塗ってましたでしょう」
「ぇえっ、だ、大丈夫ですよ、指先ですし自分で出来ます……」
そう断るが有無を言わさず、にこにこと薬を取り上げる沖田だった。
こういう時は強引だなぁ……夢主はそんな沖田も面白いと思った。
「はぁい、手を出してくださいね~」
まるで童に薬を施すように夢主を扱う。差し出した手を沖田がそっと掴んだ。
「ふふ……沖田さんたら」
楽しそうに薬を塗りこんでくれるので、夢主もくすくすと笑ってしまう。
「成る程な。いいだろう。確かにずっと閉じ込めっぱなしで可哀想だ」
「ありがとうございます」
「その代わり危ない目には合わせるなよ。絶対にだ」
斎藤は静かに深く頷いた。
「しかし、俺に先に確認を取っておくとは流石斎藤だな。総司はその辺の詰めが甘ぇな」
腕を組んでいつもの癖で顎を触りながら、やれやれと言った様子で可愛い弟分を思っている。
「まぁ、市中に出て巡査隊に出くわさない方が珍しいですから。土方さんの耳にも入るでしょう。なら最初から確認を頂いたほうが後々面倒にならないってもんです」
「流石だな。その辺は斎藤、お前は俺に似てるな。先手必勝って奴だ。それを聞いていれば巡察の手も厚く出来るしな」
「土方さんは何だかんだで夢主を気に掛けてくれていますしね」
それに土方はこれでも隊を預かる副長だ。意外と話が分かる男、斎藤は一目置いている。
斎藤は土方にニヤリと笑った。
「俺はお前のそう言う所が好きだぜ、斎藤」
土方もニヤリと笑い、「行け行け」と斎藤を追い出した。
斎藤が部屋に戻ると沖田のお茶も夢主のお茶もまだ残っていた。
熱いから冷めるまで待っていた。
「ほら薬だ」
「ありがとうございます。……これって噂の石田散薬ですか……」
「いや、石田散薬は飲み薬だ。ただ土方さんの家の方で売り物ではないが色々作っている薬があるそうでな。これもその一つだ」
「へぇ……ありがとうございます」
斎藤の薬はなんの抵抗も無かったが、昔の薬が珍しいのか夢主はまじまじと眺めている。
「僕が塗ってあげましょうか。打ち身薬は斎藤さんが塗ってましたでしょう」
「ぇえっ、だ、大丈夫ですよ、指先ですし自分で出来ます……」
そう断るが有無を言わさず、にこにこと薬を取り上げる沖田だった。
こういう時は強引だなぁ……夢主はそんな沖田も面白いと思った。
「はぁい、手を出してくださいね~」
まるで童に薬を施すように夢主を扱う。差し出した手を沖田がそっと掴んだ。
「ふふ……沖田さんたら」
楽しそうに薬を塗りこんでくれるので、夢主もくすくすと笑ってしまう。