17.秋
夢主名前設定
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食事を終えると、部屋に戻る後ろを「ふんふん♪」と楽しそうな鼻歌がついて来る。
「どういうつもりかな、沖田君」
「いいじゃないですかぁ!久しぶりに斎藤さんの部屋にお邪魔しようかと」
「わぁ……楽しそぅ」
沖田の訪問に夢主は嬉しそうに両手を合わせた。
斎藤は呼んでもいないのにと不満そうだ。
「まぁいいじゃないですか。僕と斎藤さんの仲が深まるのは新選組の為、夢主ちゃんの為にも不可欠ですから」
当たり前の事も、今夜は改めて言われると何故だか頭に来る。
更に沖田は小さな声で斎藤の耳元に背伸びをして言った。
「抜け駆けさせませんからねっ、寒いから俺が温めてやるとか言って、あの半纏姿のまま襲う気でしょっ!物凄く似合ってるんですから!」
沖田は夢主がいつも以上に可愛いと言いたかったのだが、斎藤は己の感性を褒めてくれるのかとふざけて言い返した。
「フッ、そんなに褒められても何も出さんぞ」
「褒めてませんよ!」
「ふふ……楽しそぅ」
「「楽しくない!!」」
肌を突くような激しい突っ込みに夢主は固まってしまった。
しかし斎藤は渋々、沖田も部屋に招き入れた。
「あっ、折角なので私、お茶を淹れてきますね……気が付かなくてごめんなさい」
うふ……と笑い夢主が部屋を出た。
「さて、それで沖田君。本当の目的は何だね」
「いやだな~だから斎藤さんの夜這いを妨害する為ですよ、あはははっ……て冗談です。そんな怖い顔しないでくださいよ~」
斎藤の眉間に皺ができ、目じりがぴくぴくと痙攣している。
いつもは冗談を言い、言われても軽くあしらう男が、今夜は何故か過敏に反応している。
「襲うならとっくに襲っている。あいつが来てから暫く経つだろう」
「分かりましたよ。夢主ちゃんの気持ちを大事にする……という点では僕と同じだと思っておきますね」
「何を」
「もういい加減認めたらどうですか~斎藤さんも夢主ちゃんの事……」
「本題を始めろ」
斎藤はいつも通りしつこい沖田の言葉を遮って話を進めた。
「はいはい、いや、実はですね、夢主ちゃんが京の町を見たがっているのはお気付きでしょう」
「確かに、そうだ」
斎藤の眉間の皺が取れた。沖田の策略が見えてきた。
「だから今度、湯屋に行くと見せかけて市中に連れて行っちゃいましょうよ!」
「構わんが、土方さんに知られたら大目玉だぞ。夢主が困る事になるやも知れん」
「大丈夫ですよ!いつもと違う湯屋に行こうとして迷子になっちゃったー!って言うのはどうでしょう」
市中を知り尽くした新選組の幹部が二人も揃って道に迷うものか。
しかしそれ以外に言い訳も見つからない。
「まぁやってみるか……」
斎藤は呟いた。
「どういうつもりかな、沖田君」
「いいじゃないですかぁ!久しぶりに斎藤さんの部屋にお邪魔しようかと」
「わぁ……楽しそぅ」
沖田の訪問に夢主は嬉しそうに両手を合わせた。
斎藤は呼んでもいないのにと不満そうだ。
「まぁいいじゃないですか。僕と斎藤さんの仲が深まるのは新選組の為、夢主ちゃんの為にも不可欠ですから」
当たり前の事も、今夜は改めて言われると何故だか頭に来る。
更に沖田は小さな声で斎藤の耳元に背伸びをして言った。
「抜け駆けさせませんからねっ、寒いから俺が温めてやるとか言って、あの半纏姿のまま襲う気でしょっ!物凄く似合ってるんですから!」
沖田は夢主がいつも以上に可愛いと言いたかったのだが、斎藤は己の感性を褒めてくれるのかとふざけて言い返した。
「フッ、そんなに褒められても何も出さんぞ」
「褒めてませんよ!」
「ふふ……楽しそぅ」
「「楽しくない!!」」
肌を突くような激しい突っ込みに夢主は固まってしまった。
しかし斎藤は渋々、沖田も部屋に招き入れた。
「あっ、折角なので私、お茶を淹れてきますね……気が付かなくてごめんなさい」
うふ……と笑い夢主が部屋を出た。
「さて、それで沖田君。本当の目的は何だね」
「いやだな~だから斎藤さんの夜這いを妨害する為ですよ、あはははっ……て冗談です。そんな怖い顔しないでくださいよ~」
斎藤の眉間に皺ができ、目じりがぴくぴくと痙攣している。
いつもは冗談を言い、言われても軽くあしらう男が、今夜は何故か過敏に反応している。
「襲うならとっくに襲っている。あいつが来てから暫く経つだろう」
「分かりましたよ。夢主ちゃんの気持ちを大事にする……という点では僕と同じだと思っておきますね」
「何を」
「もういい加減認めたらどうですか~斎藤さんも夢主ちゃんの事……」
「本題を始めろ」
斎藤はいつも通りしつこい沖田の言葉を遮って話を進めた。
「はいはい、いや、実はですね、夢主ちゃんが京の町を見たがっているのはお気付きでしょう」
「確かに、そうだ」
斎藤の眉間の皺が取れた。沖田の策略が見えてきた。
「だから今度、湯屋に行くと見せかけて市中に連れて行っちゃいましょうよ!」
「構わんが、土方さんに知られたら大目玉だぞ。夢主が困る事になるやも知れん」
「大丈夫ですよ!いつもと違う湯屋に行こうとして迷子になっちゃったー!って言うのはどうでしょう」
市中を知り尽くした新選組の幹部が二人も揃って道に迷うものか。
しかしそれ以外に言い訳も見つからない。
「まぁやってみるか……」
斎藤は呟いた。