16.湯屋通いと屯所への帰還
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「原田さんて……ぽかぽかと温かくて、本当にお日様みたいなお人ですね」
「おぉ、そうか?お天道さんか。悪くねぇな」
笑いながら言うと、原田は斎藤を見た。
鋭い目で澄まして見える顔立ち、色は白くすらりと長い手足、温かさとは無縁の姿態。
「俺がお天道さんなら斎藤はおっ月さんだな。白くて冷たくて愛想がなくて……って、おい!!夢主、こっちこっち」
愛想の無い月と言われた斎藤が刀をチャキと鳴らしたので、原田は慌てて飛び退き、斎藤と自分の間に絶対安全な夢主の体を引っ張り入れた。
「おーあぶねー!お前の左にいるの忘れてたぜ!!」
「フッ、もう少しでしたね原田さん」
斎藤は冷笑した。
「でも……私、月って大好きです。見ていると胸がドキドキするというか……」
月の話か斎藤の話かと、斎藤と原田は揃って夢主の顔を食い入るように見てしまった。
「そうだ、それから総司なんだけどよ、最近ちょっと剣が荒れてるって言うか……俺が言うのもなんだが、ちょっと声掛けてやってくれよ」
原田はそう言うと夢主のおでこをツンとして笑った。
確かに最近前ほど沖田と話をしていない。あんなに部屋に来てくれていたのに、足が遠ざかっている。
仕事が忙しいだけかと思ったが、そうではないのか。体の心配もあるので、とても気になる。
屯所に戻ると、その沖田が中庭で真剣を握り素振りをしていた。
「僕は……夢主ちゃんの為と言いつつ自分の為に振舞っていたんだろうか……」
沖田は自分の行動を振り返っていた。
……悲しんで傷ついた彼女の傍には僕がいた……今、楽しげに微笑んでいる彼女の傍に僕はいないんだ……
ふと人の気配に振り返ると、斎藤と原田、そして夢主の三人の姿が目に飛び込んできた。
湯屋に行ったのか……そこに自分の姿が無い事に悔しさを感じた。
所が、沖田に気付くと真っ先に夢主が駆けてきた。
「はぁ……はぁ……沖田さん!今度っ……また、湯屋に連れて行ってくださいね!!」
満面の笑みで、乱れた息を整えながら言う沖田よりも小さな夢主。
弾む息で揺れる肩がとても愛おしい。
「お酒もっ……またっ……ご一緒してくださいっ」
……そういえば肩のあの傷はもう癒えたのだろうか……
目の前の夢主をぼんやり見つめ、沖田は刀を納めた。
霞んでいた顔はとても清々しい笑顔に戻っていた。
「えぇ、喜んで」
二人の様子に斎藤も原田もやれやれと小さな溜息を吐いて安堵した。
「おぉ、そうか?お天道さんか。悪くねぇな」
笑いながら言うと、原田は斎藤を見た。
鋭い目で澄まして見える顔立ち、色は白くすらりと長い手足、温かさとは無縁の姿態。
「俺がお天道さんなら斎藤はおっ月さんだな。白くて冷たくて愛想がなくて……って、おい!!夢主、こっちこっち」
愛想の無い月と言われた斎藤が刀をチャキと鳴らしたので、原田は慌てて飛び退き、斎藤と自分の間に絶対安全な夢主の体を引っ張り入れた。
「おーあぶねー!お前の左にいるの忘れてたぜ!!」
「フッ、もう少しでしたね原田さん」
斎藤は冷笑した。
「でも……私、月って大好きです。見ていると胸がドキドキするというか……」
月の話か斎藤の話かと、斎藤と原田は揃って夢主の顔を食い入るように見てしまった。
「そうだ、それから総司なんだけどよ、最近ちょっと剣が荒れてるって言うか……俺が言うのもなんだが、ちょっと声掛けてやってくれよ」
原田はそう言うと夢主のおでこをツンとして笑った。
確かに最近前ほど沖田と話をしていない。あんなに部屋に来てくれていたのに、足が遠ざかっている。
仕事が忙しいだけかと思ったが、そうではないのか。体の心配もあるので、とても気になる。
屯所に戻ると、その沖田が中庭で真剣を握り素振りをしていた。
「僕は……夢主ちゃんの為と言いつつ自分の為に振舞っていたんだろうか……」
沖田は自分の行動を振り返っていた。
……悲しんで傷ついた彼女の傍には僕がいた……今、楽しげに微笑んでいる彼女の傍に僕はいないんだ……
ふと人の気配に振り返ると、斎藤と原田、そして夢主の三人の姿が目に飛び込んできた。
湯屋に行ったのか……そこに自分の姿が無い事に悔しさを感じた。
所が、沖田に気付くと真っ先に夢主が駆けてきた。
「はぁ……はぁ……沖田さん!今度っ……また、湯屋に連れて行ってくださいね!!」
満面の笑みで、乱れた息を整えながら言う沖田よりも小さな夢主。
弾む息で揺れる肩がとても愛おしい。
「お酒もっ……またっ……ご一緒してくださいっ」
……そういえば肩のあの傷はもう癒えたのだろうか……
目の前の夢主をぼんやり見つめ、沖田は刀を納めた。
霞んでいた顔はとても清々しい笑顔に戻っていた。
「えぇ、喜んで」
二人の様子に斎藤も原田もやれやれと小さな溜息を吐いて安堵した。