16.湯屋通いと屯所への帰還
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「おーー夢主お帰りぃ~~!!」
「一日二日が長かったぜ!元気してたかー!二人に変な事されてねぇか?」
「お疲れさん!男の着物も可愛いじゃねぇか!」
夢主は様々な言葉で幹部達に出迎えられた。
まさか皆に迎えられるとは思いも寄らず、気恥ずかしい。
男装姿で帰ったので、傍から見ると幹部連中に囲まれた小姓のようだ。
夢主は少し離れた所で土方が立っているのを見つけた。
ふと笑みを浮かべて、そのまま自室に入っていく。きっと土方なりに歓迎してくれたのだろう。
この日から幹部の皆と一緒に食事を取ることが許された。
一人きりで賑やかな食事の音を聞きながらの、淋しい食事ではなくなるのが嬉しい。
夕食時、早速皆と同じ座敷へ通された。
所用で出ている近藤を除いた幹部の人数分と夢主の膳が用意されている。
「おぃ夢主、どこに座る」
誰ともなく質問が飛んだ。
普段は上座に近藤と土方、部屋の両脇に並んだ膳に一、三、五、七、九番隊組長……二、四、六、八、十番隊組長……と左右に分かれて座っている。
誰もが沖田と斎藤の間か……そう考えた。
だが膳に壬生菜がたんまり入っているのを見た沖田が悪気なしに言ってしまった。
「ほら、皆の面目もあるし、一番下座でいいんじゃないかな、あはははっ」
苦笑いしているのは明らかに壬生菜のせい。
きっと野菜の少ない日はこっちへおいで、などと言うのだ。
心から沖田の体を心配している夢主には、そのいい加減さが腹立たしかった。
「分かりました。原田さんの横に失礼いたします」
ぷいっと顔を背けて原田の横に腰を下ろした。
別に原田が一番下と言うわけではないが、十番隊組長なので、本人は何も考えずいつも部屋の隅のそこに座っていた。
「おぉう、よろしくな夢主」
歓迎するぜと夢主の頭に手を置いて、よしよしと可愛がっている。違和感なく原田と夢主は並んでいた。
端にいても夢主は沖田がちゃんと壬生菜や他の野菜を食べているのか気になり、食事の間、ちらちらと視線を送った。
その目線に気付いている沖田は、頑張って一人苦手な壬生菜を口に運んだ。
「あぁ……これなら隣に居て励ましてもらうほうが良かったな……」
「ま、自業自得だな」
小声で愚痴る沖田に斎藤は呆れた。
斎藤は沖田の皿を取り、夢主に「ほら、全部食ってるぞ」と見せてやった。
すると安心して夢主も自分の食事を進めるのだった。
その横に居る原田ととても楽しそうに話をしながら。
原田は誰にでも優しく話も上手い分、女に誤解される事も多い。
女の気を惹こうと思ってする土方と違い、その気がないのに、やけに女を惹きつける性質なのが原田だ。
時折夢主の体に触れては可愛がっている。厭らしさはなく、夢主も満更ではなさそうだ。
そんな二人の姿を見て、沖田はとんでもない事をしてしまったのではと後悔した。
斎藤も沖田の言葉と夢主の行動に少し苛ついていた。
土方は上座でその様子を眺め、総司も斎藤も何やってんだ甲斐性なしめと、秘かに心の中で叱咤した。
「一日二日が長かったぜ!元気してたかー!二人に変な事されてねぇか?」
「お疲れさん!男の着物も可愛いじゃねぇか!」
夢主は様々な言葉で幹部達に出迎えられた。
まさか皆に迎えられるとは思いも寄らず、気恥ずかしい。
男装姿で帰ったので、傍から見ると幹部連中に囲まれた小姓のようだ。
夢主は少し離れた所で土方が立っているのを見つけた。
ふと笑みを浮かべて、そのまま自室に入っていく。きっと土方なりに歓迎してくれたのだろう。
この日から幹部の皆と一緒に食事を取ることが許された。
一人きりで賑やかな食事の音を聞きながらの、淋しい食事ではなくなるのが嬉しい。
夕食時、早速皆と同じ座敷へ通された。
所用で出ている近藤を除いた幹部の人数分と夢主の膳が用意されている。
「おぃ夢主、どこに座る」
誰ともなく質問が飛んだ。
普段は上座に近藤と土方、部屋の両脇に並んだ膳に一、三、五、七、九番隊組長……二、四、六、八、十番隊組長……と左右に分かれて座っている。
誰もが沖田と斎藤の間か……そう考えた。
だが膳に壬生菜がたんまり入っているのを見た沖田が悪気なしに言ってしまった。
「ほら、皆の面目もあるし、一番下座でいいんじゃないかな、あはははっ」
苦笑いしているのは明らかに壬生菜のせい。
きっと野菜の少ない日はこっちへおいで、などと言うのだ。
心から沖田の体を心配している夢主には、そのいい加減さが腹立たしかった。
「分かりました。原田さんの横に失礼いたします」
ぷいっと顔を背けて原田の横に腰を下ろした。
別に原田が一番下と言うわけではないが、十番隊組長なので、本人は何も考えずいつも部屋の隅のそこに座っていた。
「おぉう、よろしくな夢主」
歓迎するぜと夢主の頭に手を置いて、よしよしと可愛がっている。違和感なく原田と夢主は並んでいた。
端にいても夢主は沖田がちゃんと壬生菜や他の野菜を食べているのか気になり、食事の間、ちらちらと視線を送った。
その目線に気付いている沖田は、頑張って一人苦手な壬生菜を口に運んだ。
「あぁ……これなら隣に居て励ましてもらうほうが良かったな……」
「ま、自業自得だな」
小声で愚痴る沖田に斎藤は呆れた。
斎藤は沖田の皿を取り、夢主に「ほら、全部食ってるぞ」と見せてやった。
すると安心して夢主も自分の食事を進めるのだった。
その横に居る原田ととても楽しそうに話をしながら。
原田は誰にでも優しく話も上手い分、女に誤解される事も多い。
女の気を惹こうと思ってする土方と違い、その気がないのに、やけに女を惹きつける性質なのが原田だ。
時折夢主の体に触れては可愛がっている。厭らしさはなく、夢主も満更ではなさそうだ。
そんな二人の姿を見て、沖田はとんでもない事をしてしまったのではと後悔した。
斎藤も沖田の言葉と夢主の行動に少し苛ついていた。
土方は上座でその様子を眺め、総司も斎藤も何やってんだ甲斐性なしめと、秘かに心の中で叱咤した。