15.小さな居場所
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夢主は不貞腐れて着替えを済ませ、朝食の弁当を手に取った。蓋を開けると思いのほか充実している。
相変わらずひょいひょいと食べるのが早い剣客二人だが、「ご馳走様!」と置かれた沖田の弁当箱に何かが残っているのを見逃さなかった。
「沖田さん、残ってますよ……」
「あぁ……僕、壬生菜ちょっと苦手で」
屯所の周りには壬生菜畑が広がっている。青々と広がる美しい畑だ。
「えー!折角の壬生のお野菜なのに……勿体無いです。しかも栄養満点なんですよ!風邪予防に疲労回復……骨にもよくて、何といっても肺や喉の呼吸器系を守ってくれるんです、食べなきゃ……食べなきゃ駄目です!!」
どこで聞いたのか夢主は壬生菜の素晴らしさを語り、弁当箱から沖田本人に視線を移した。
笑ってぽりぽりと頭を掻いて誤魔化そうとしている。
「壬生菜は凄いんですねぇ!でもぉ、僕は」
「食べなきゃ駄目です!大きな病気も、栄養しっかり取っていたら、体が病気に勝てるんです!沖田さん、勝つの好きでしょう!!」
いつにもなくピシリと叱り付ける夢主に沖田もたじたじだ。
勝つという言葉に少し心も動かされた。
「確かに……負けるのは嫌ですね……」
「じゃぁ壬生菜に勝って下さい!!」
斎藤はおかしなやり取りをクククと笑った。そして馬鹿にした口調で沖田を責めた。
「いいじゃないか沖田君、食べたまえ。それとも君は野菜如きに敗北するのかね」
「うぐぐっ、葉物のひとつやふたつ!!食べて見せますよ!」
「そうですよ!葉物と刃物……剣客さんならズバッと食べちゃってください!!」
勢いに乗せられ、沖田は「とぉーーーっ!」と口の中に全ての壬生菜を突っ込んだ。
「きゃぁー沖田さん、恰好いいです~」
夢主は嘘くさい声色で手を叩きながら囃し立てた。
「こ、これくらい、朝飯前ですっ」
「朝飯後だがな」
斎藤の心無い突っ込みに対し、沖田は思いきり涙目で睨みつけて壬生菜を飲み込んだ。
「毎日、と言わず毎食頂きましょうね!本当に体にいいですから」
そう言うと夢主は清らかな美しい作り笑顔で沖田に微笑みかけた。
「お、お手柔らかに……」
僅かにうなだれて沖田はお茶を手に取った。
夢主は労咳にも効くのではと、本気で沢山食べて欲しいと願っていた。
頑張った沖田に今度は本当の微笑みを向けた。
相変わらずひょいひょいと食べるのが早い剣客二人だが、「ご馳走様!」と置かれた沖田の弁当箱に何かが残っているのを見逃さなかった。
「沖田さん、残ってますよ……」
「あぁ……僕、壬生菜ちょっと苦手で」
屯所の周りには壬生菜畑が広がっている。青々と広がる美しい畑だ。
「えー!折角の壬生のお野菜なのに……勿体無いです。しかも栄養満点なんですよ!風邪予防に疲労回復……骨にもよくて、何といっても肺や喉の呼吸器系を守ってくれるんです、食べなきゃ……食べなきゃ駄目です!!」
どこで聞いたのか夢主は壬生菜の素晴らしさを語り、弁当箱から沖田本人に視線を移した。
笑ってぽりぽりと頭を掻いて誤魔化そうとしている。
「壬生菜は凄いんですねぇ!でもぉ、僕は」
「食べなきゃ駄目です!大きな病気も、栄養しっかり取っていたら、体が病気に勝てるんです!沖田さん、勝つの好きでしょう!!」
いつにもなくピシリと叱り付ける夢主に沖田もたじたじだ。
勝つという言葉に少し心も動かされた。
「確かに……負けるのは嫌ですね……」
「じゃぁ壬生菜に勝って下さい!!」
斎藤はおかしなやり取りをクククと笑った。そして馬鹿にした口調で沖田を責めた。
「いいじゃないか沖田君、食べたまえ。それとも君は野菜如きに敗北するのかね」
「うぐぐっ、葉物のひとつやふたつ!!食べて見せますよ!」
「そうですよ!葉物と刃物……剣客さんならズバッと食べちゃってください!!」
勢いに乗せられ、沖田は「とぉーーーっ!」と口の中に全ての壬生菜を突っ込んだ。
「きゃぁー沖田さん、恰好いいです~」
夢主は嘘くさい声色で手を叩きながら囃し立てた。
「こ、これくらい、朝飯前ですっ」
「朝飯後だがな」
斎藤の心無い突っ込みに対し、沖田は思いきり涙目で睨みつけて壬生菜を飲み込んだ。
「毎日、と言わず毎食頂きましょうね!本当に体にいいですから」
そう言うと夢主は清らかな美しい作り笑顔で沖田に微笑みかけた。
「お、お手柔らかに……」
僅かにうなだれて沖田はお茶を手に取った。
夢主は労咳にも効くのではと、本気で沢山食べて欲しいと願っていた。
頑張った沖田に今度は本当の微笑みを向けた。