44.本気のお稽古
夢主名前設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
この日、夢主は夜まで空いた時間、沖田に稽古をつけてもらう約束をしていた。
以前、斎藤にも約束を取り付けたが、冷静に考えて後悔していた。
斎藤に指導されるのは抵抗がある。
体に触れられては気まずいし、下手くそな姿を見せるのも気恥ずかしい。
かと言って今更断るのも失礼だろうと迷っていた。
……どうしよう……あの時はついお願いしちゃったけど、斎藤さんに見てもらうの恥ずかしい……それに物凄く厳しそう……
密かに斎藤の様子を窺うと、どうやら今日は時間がありそうだ。
とりわけて仕事に取り組んでいる様子は無い。
約束の時間が近付き、夢主は練習着に着替えるしかなかった。
「あの……斎藤さん……」
斎藤に声を掛ける。
申し訳ないが一旦部屋から出てもらわねばならない。そしてそれを告げれば稽古がばれてしまう。
躊躇したが、素直に退出を頼んだ。
「これから沖田さんにお稽古をつけてもらうので……着替えたいんです。……お願いします」
「あぁ、稽古か。いいぞ」
そう返事をすると斎藤は素早く立ち上がり部屋の外に出てくれた。
「いいぞ……って稽古に付き合ってもいいって事なのかな……」
斎藤がどうするつもりなのか考えると緊張してしまう。
着替え終えて、すぅと障子を開くと外で腕組みをして待つ姿が見えた。
「あのっ……ありがとうございました。……その…………行ってきます」
大きく頭を下げ、夢主は小さな音を立てて小走りで去って行った。
斎藤は少し前だが、確かに一緒に稽古を見てくれと頼まれた事を思い返していた。
夢主は忘れているのか、それとも。
「なんだ、夢主のやつ気を使っているのか。それとも俺に来て欲しくないのか」
思い付いたように呟き、斎藤は悪企みを含んだ笑みを漏らした。
「今更になって気後れしたか」
夢主を見送った後、斎藤はにやにやしながら自らも道着に着替え始めた。
以前、斎藤にも約束を取り付けたが、冷静に考えて後悔していた。
斎藤に指導されるのは抵抗がある。
体に触れられては気まずいし、下手くそな姿を見せるのも気恥ずかしい。
かと言って今更断るのも失礼だろうと迷っていた。
……どうしよう……あの時はついお願いしちゃったけど、斎藤さんに見てもらうの恥ずかしい……それに物凄く厳しそう……
密かに斎藤の様子を窺うと、どうやら今日は時間がありそうだ。
とりわけて仕事に取り組んでいる様子は無い。
約束の時間が近付き、夢主は練習着に着替えるしかなかった。
「あの……斎藤さん……」
斎藤に声を掛ける。
申し訳ないが一旦部屋から出てもらわねばならない。そしてそれを告げれば稽古がばれてしまう。
躊躇したが、素直に退出を頼んだ。
「これから沖田さんにお稽古をつけてもらうので……着替えたいんです。……お願いします」
「あぁ、稽古か。いいぞ」
そう返事をすると斎藤は素早く立ち上がり部屋の外に出てくれた。
「いいぞ……って稽古に付き合ってもいいって事なのかな……」
斎藤がどうするつもりなのか考えると緊張してしまう。
着替え終えて、すぅと障子を開くと外で腕組みをして待つ姿が見えた。
「あのっ……ありがとうございました。……その…………行ってきます」
大きく頭を下げ、夢主は小さな音を立てて小走りで去って行った。
斎藤は少し前だが、確かに一緒に稽古を見てくれと頼まれた事を思い返していた。
夢主は忘れているのか、それとも。
「なんだ、夢主のやつ気を使っているのか。それとも俺に来て欲しくないのか」
思い付いたように呟き、斎藤は悪企みを含んだ笑みを漏らした。
「今更になって気後れしたか」
夢主を見送った後、斎藤はにやにやしながら自らも道着に着替え始めた。