ヘボ日記

ベジータ、次はトランプで遊ぼうぜ!

2021/09/07 17:48
DB語り
前ブログの小ネタ。


ヤムチャは人生ゲームを片付けて、トランプを出してきた。
「カードゲームか」
「ベジータはトランプやった事あるか?」
「確か軍にも、似たようなものがあったな」
「ババ抜きは分かるか?同じ数字のカードはこうやって捨てて、相手から一枚抜いてそこで同じ数字が揃ったら、また捨てていく。最後に手元にジョーカーを残した奴の負けだ」
「このカード、軍のものとはずいぶんシンボルが違うな」
「へえ」
「絵札も違う。キングってのは『王』か。王と言うのは軍のトランプにもあったが、こういうのは無かった」
クイーンとジャックを捨てるベジ。
「ふーん、代わりに何かあったのか」
「王の下に『策士』というのがあったな」
「へえ、王の下には他に何があるんだ?」
「無い。その代わり『王』の上に『覇者』というのがあった。紫色の絵札だった。フリーザの目や尻尾を模したものだ」
「『覇者』が一番強い訳か?じゃあ、エースが一番弱いのか?」
「エースというのは無くて1がある。1が一番弱い。数字で最も強いのは10だ」
「シンボルも違うのか?地球のトランプだと、強さはスペード、ハート、ダイヤ、クラブの順だぞ」
「そうだな、まあ、こんなシンボルは論外として」
ハートのカードをさっさと捨てるベジ。
「これはなんだ」
「それがスペードだ。剣のシンボルだ」
「剣というと武力か?似たようなシンボルはあったな、軍のトランプは銃のシンボルマークだった」
「他には何があったんだ」
「『星』というのがあった。あとは『船』、それと『知恵』だ」
「ふーん。その中では、どれが一番強いんだ?」
「『星』だな。星を制する者が一番強いって意味だ」
「なるほど、侵略をイメージしてる訳だな?じゃあ、次に強いのは……『知恵』か?」
「違う。『星』の次に強いのは『船』だ。宇宙を飛び回る為には欠かせんものだからだ。船の一つ下が『銃』で、つまり戦力だ。フリーザにとって戦力とはいくらでも替えがきくものだから、船より下に位置している」
「んん~?なんで『知恵』が一番下なんだよ?侵略をイメージしてるんなら、知恵はもっと上にあってもいいような気がするけどなあ」
「軍の戦闘員も、そこを不思議がっていた。『知恵』は重要だ、二番目に位置しててもおかしくない。だがそれが一番下に位置している……オレが思うに、フリーザはオレ達戦闘員に、トランプを通じてメッセージを送っていたのかもしれない」
「メッセージ?」
「『余計な事は考えるな』ってことだ。『あなた方は何も考えずに、ただ私に従っていれば良いのです』って意味を込めていたのかもしれん、その為に『知恵』を一番下に置いている」
「うへえ、そこまでするか~?たかがおもちゃのトランプに~?」
「フリーザは陰湿なヤツだったからな」
「じゃあ、ジョーカーってのはあったのか?」
「これか、この派手な、変な恰好したヤツか」
「ゲームによっても変わってくるけど、そのカードは万能だ。なんのカードでも化けられる特別なカードだ」
「なんにでも化けられるカードはあった。ジョーカーって名では無かったな。『夢みる者』という名のカードだった」
「『夢みる者』?どんな意味なんだ?」
「……そうだな、なんにでも化けられて、一時的には『覇者』のカードと同等にもなれるが、それは結局夢でしかないって意味だな。『一瞬は良い思いをさせてあげましょう、でもそれは単なるあなたの夢でしかないのです』ってところだ。現実には、『覇者』と並べる者は存在しないって事を、オレ達戦闘員に植え付けていたんだろうな」
「徹底してんなあ……」
「フリーザって野郎は、とにかく陰湿だった」
自分の手元にあるジョーカーを観察するベジ。
「『夢見る者』は、無垢な、幼稚な子どもの姿をしていた。こんな派手なカードじゃなかった」
顔をしかめるベジ。
「よし、かかってこい」
ジョーカーを手元に持ちながら、ヤムチャに挑むベジ。
ヤムチャは顔色を読まれて、難なく負かされてしまった。
「ふははは、オレさまに勝てると思うなよ!」
「くっそー……」
「どうだ、まだやるのか?他にどんなトランプゲームがあるんだ?」
「ベジータ!やっぱ人生ゲームしようぜ!」

…終…

燈火の作文で、フリ軍の理不尽さをベジに語らせようと思って考えていたボツネタです。
ヤムチャと喋るベジ太が好きなので、旧ブログから持ってきてしまったww

フリ軍内のモノには、いちいちフリーザの思想が隠しこまれている……といいなあ……とか思っています(´∀`)
トランプぐらいはあって欲しいな…(´∀`)

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