ヘボ日記

今日の日記 仕事

2023/03/18 06:05
日記
こちらは雨が降ってます。
雨が止んだあと、一気に植物が萌えあがりますね。
今より緑や花が増えますな🤗

うちは苺農家をやってます。
苺の農法は、創作に似てるなあと感じます。

毎年毎年、自然物相手の試行錯誤の連続です。
自然物相手、というのはつまり、自分相手という事でもある。
どれだけ自分の本意に気づけるか、これが問われ続けるような気がする🤔

何を目的に苺を作っているかで、苺の出来は全く変わってくるような気がします。

ほとんどの農家は、信じられないかもしれないですがお金だけの為にやってます。
苺農家には本当に多い。
とにかく金を稼げたら良くて、苺の質や味はどうでも良いと考えてる人がめちゃくちゃ多いんです。
苺に当たり外れが多いのは、味を追求して作ってる人の方が少数派だからです。
金が一番という価値観では、とにかく量をとる事ばかりが優先されます。そしたら肥料を大量にやって、農薬を大量にやって…というやり方になるし、不味くなるのが当たり前なんですね。
苺はもともと栽培が難しい作物ですんで、苦労されてる農家が多い。だいたい身体壊してたり、儲からない事を恨んでいたり。そんな人が多いです。

上手く作れてるようでも、虚栄心が強い人は、成績の波が激しいです。作る動機が自分本位である方は、やっぱりあらゆる事象に振り回されて失敗する事が多いんです。

名人級の苺農家さんが居ます。
毎年、どんな天候だろうが、作の終わりにはきちっと収益を出してくる。
毎日同じ美味しさを実現して見せてくる。
まるでブレが無いんです。
このような方は、だいたい無名です。
凄い技術を持っていながら、メディアに出たり本を出したり自慢したりなんて事は絶対にしません。
何故かって、そんな事をしたら外から人が寄ってきて相手をしなけりゃならんからです。
人の相手をしてる間に、苺の世話が疎かになるし、人の問題にフォーカスしてる間は自分に対する向き合いが疎かになる。

苺は果樹等と違って、マジで、一年中付き添って見守らないといけない作物なので、少しでも目を離すと悪い事象が発生する事を名人は分かっておられるんです。
そして名人の技術は、誰にも真似出来ません。
まず、その土地の土の性格がそれぞれ違います。土壌の中に居る微生物の様子が違う。同じ地域の中でも、まるで違ってくる。
まず、自分の受け持つ土地を、名人の方は愛しておられるんだと思います。絶対に、土を殺すような真似をしません。
土の唯一無二に、まずは自分の方から寄り添う事をする。

この時点で唯一無二です。

その上で、その方は自分の人生を使って毎年毎年色んな資材を試して、苺と睨めっこの試行錯誤をしてこられた。

その試行錯誤を20年30年40年続けて、ようやくその方独自の揺るぎない農法が確立される。
これは、表層だけパクれば再現出来るようなイージーな類ではなく、その人にしかできない表現方法なんですね。
本当に凄い世界です。

そんな名人が、隣町にいらっしゃる。
滅多に会えないけど、こういう先人がいてくれるというのは、後続にとっては心の道標であるから、ただ存在してくれてるだけで有り難く思うのです😊

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