宇宙人といっしょ
「ねえ見てよこれ、昔の私の写真。可愛いでしょ〜?」
「興味ない」
こんな返事ひとつで〈お仕置き判定〉を喰らってしまうのだから、彼にとってCCとは地雷原に等しい棲み家なのだった。
科学者のブルマは驚きのスピードで懲罰アイテムを開発する。それはターゲット(この場合ベジータ)が、ほぼ不死身であることから、製作サイドのヤケクソさが垣間見える、危険なアイテムである事が多々あった。それでもベジータがブルマの家に棲み続けるのは、利害を超えた〈何か〉が彼の中にあるからで、そうでなければこんな劣悪な環境に身を置き続けるなど単なる変態M男でしかない。
この時期、ブルマは初めての子育てでストレスを溜めていた。特に怒りは、強大なパワーと奇蹟をヒトにもたらすものである。元来キテレツな発明をする女だが、今回のは群を抜いてブッ飛んでいた。
「紹介するわベジータ。このウサギ耳の子が16の私、この小さい子が5歳の私。どお?どれも可愛すぎて言葉が出ないでしょ〜!」
翌日。昼のリビングに於いて。
ベジータの知らないブルマ達がフツーに湧いて出た。
訓練を区切って、ソファでひと休みしていたベジータは、突如誕生したその2人を、真顔でガン見した。
「うわ、目付き悪いヤツね!」
「これが未来の西の都か〜。そんなに変わってないな」
ブルマが生み出した〈2人のブルマ〉……。どっちも本物のブルマであるらしかった。ウーロンやプーアルが化けているのではない。ロボットでもなくクローンでもない事が、なんとなく分かった。
その年代のブルマ達が、時空を跨いで来たとしか言いようのない、リアルな空気を纏っていたからだ。
「な……何が、どうなって……?」
「あらアンタ、私が天才って事を忘れたようね。これのカラクリを知りたいの?でも話した所でアンタなんかに理解出来ないだろうし、教えるだけムダよねえ?」
「お前……ッ、いくら天才科学者を謳っているからって、何でもアリにも程があるぞーー!」
ソファの上で腰を抜かしながら、ベジータは激昂した。有り得ないモノを、やりたい放題に開発するブルマが、恐ろしいったら無かった。
ブルマは女王の悪面で、たじろぐベジータを指さした。
「覚悟しなさい!アンタはこれから3人の天才ブルマさんからお仕置きを受けるのよ!おほほほほ」
「お仕置きって何のこと?」
ブルマが高笑いしている所に、バニーブルマが首を突っ込んできた。するとブルマは「ちょっと聞いて」と言って、各世代の〈自分〉を集めて内緒話を始めた。5歳ブルマは素直に頷いていたが、バニーは「なんであたしが〜?」と文句をたれていた。
一方のベジータは、この状況をどう打破するべきかと、耳から煙が出るほどに考えた。それと同時にオロオロと目のやり場に困った。
バニーブルマの姿に、戸惑ってしまったのだ。
そのエロティックな姿が気になるものの、対象が未成年という事もあってジロジロ見るのは憚れる。だがクレイジーな女共から目を反らすなど自殺行為だ。
結局、目の焦点をずらして、ピンぼけの状態で連中を捉え続けるしかなかった。
「ええ〜ウソでしょ〜!これがあたしの未来の旦那〜?」
突然、バニーブルマが顔を覗きこんできた。彼がソファに座っているので、彼女が上体を傾ける形だ。当然、胸の谷間や網タイツ越しの肌が目に飛びこんでくる。10代の煌めきに圧倒されたベジータは、睨み返す事も出来なかった。更に、今のブルマとの違いにも気づかされた。
バニーには、処女の匂いが紛れていたのだ。
「何も喋らないじゃん。やだ暗〜い。こんなヤツにお仕置きしろって?気味悪いし関わりたくないわよ。お金貰ってもお断りね!」
ヘドを吐くように叫ぶと、バニーはプイとソッポを向いた。パッツパツの尻に、丸い尻尾がついている。バニーの物言いにムカついたベジータは、その尻尾を千切ってやりたくなった。バニーはハイヒールを鳴らしてソファから離れながら、ブルマに怒鳴った。
「ちょっと、アナタ趣味悪すぎよ!ヤムチャの方が背が高いし顔もイイのに、なんでこんなの選んだの〜?」
モロにベジータをこき下ろすバニー。ベジータの面に人差し指を向けながら、〈ヤムチャの方が絶対ステキよ〉と連発した。それに対してベジータが反論する事は無かった。この生意気な16歳を拉致してメチャクチャにしてやりたいのを堪えるので精一杯だった。
「な、何もそこまで言うことないじゃないの」
ブルマが、バニーを叱りつけた。愛する夫をここまで貶されては、辛抱ならないようだった。
「た、確かに見た目はアレだけど……根気よく探せばイイとこあるのよコレでも!」
「そんなの知らないもん。あたしはヤムチャに会いたいわ。何かカプセル頂戴よ、自分で探しに行くから」
「あんたねえ……いくら私だからって、ちょっと図々しいんじゃないの!?」
たちまち、ブルマとバニーは口喧嘩になった。どちらも譲らない為、争いは白熱し、互いの男自慢から、互いの男なじりへと発展した。ブルマは、当初の目的を忘れてしまったのか、猛然とベジータに振り向きながら、
「ちょっとアンタ!こんな小娘にボロクソ言われて悔しくないの!?アンタもなんか言い返してやんなさいよ!」と義憤を見せてきた。
いよいよカオスだ。ベジータは黙って見守るしかない。夢なら醒めろと願いながら。
「まだ16の癖に生意気言ってんじゃないわよ!」
「ぎゃっ!やめてオバサン!」
ぴりぴりと音をたてて、バニーの網タイツが伝線した。ブルマの爪が引っ掻いたのだ。尻から膝にかけて白肌が剥き出された。慌てて目を背けた。そらした視線の先に、ワンピース姿の5歳ブルマが立っていた。いつの間にかソファの近くに来ていたようだ。メモ帳を持って、ベジータをジーッと見つめている。
「何を見てる」
ギョッとしてその子にたずねた。
ツインテールの5歳は、メモ帳に何やら書き溜めている。
「宇宙人の生態調査。〈お仕置き〉として、あたしの〈新作〉の実験台になって貰うから性質とか調べるの」
子ブルマは真顔で答えて、ワンピースのポケットからイヤホンのようなモノを取り出した。
「これを額につけてね。その前に汗を拭いて」
5歳とは思えない、落ち着いた指示がなされた。自然な仕草でイヤホン状のモノを渡してくる子ブルマを、ベジータは一旦制してたずねた。
「その機械は一体、なんだ」
「これ?脳波測定器だよ。宇宙人の耐性とか、色んなデータ取る為の。早くつけてよ時間が勿体ないから」
テキパキと指示する5歳の手には、なぜか、千枚通しとペンチが握られていた。ワンピースのポケットからは、他にも、用途不明の電子機器が複数はみ出ていた。ベジータはゾッと寒気を覚えて立ち上がった。キャットファイトを無視して居間を脱出。廊下を疾駆して玄関へと向かった。外に出てすぐに、春の晴天を高く舞い上がった。
「……見るからにヤバイ、なんなんだあのガキ」
ベジータは空を飛びながら、体のあちこちに鳥肌を感じた。子供ならではの無邪気さに、年齢不相応の科学知識が備わるとすれば、あの女児は、現在のブルマよりもタチが悪いのではないかと思われた。
「スゴいねー、ジェットフライヤーより速いねー」
突如、後方から女児のはしゃぎ声があがった。悪寒を覚えたベジータは、ゆっくりと振り向いた。見ると真後ろに、数メートルと離れずにブルマがくっついて飛んでいた。目をこらして見たが、飛行機らしきモノが何も無い。なんと、体ひとつでついてきているのだ。
「凄いでしょ。あたしが開発した系だよ。〈スパイダーネット〉っていうの。さっき宇宙人の足にくっつけておいたんだよ。気づかないなんて、意外と間抜けだね」
女児は笑って、透明の糸をたぐり、ベジータの背中に馬乗りになってきた。
「山の上は、まだ桜が残ってるね。モグモグ」
「……」
柔らかく新緑が萌える、山の中腹。
可憐な小鳥のさえずりが、静かな森の中に響き渡っている。その長閑な空間に2人は着地していた。
古い切り株に座った子ブルマは、どこから出したものか弁当のサンドイッチを食っている。食いながら、梢を見上げたり桜の花を見つけたりと嬉しそうにしていた。
ベジータは倒木に腰をおろし、はるか彼方の山をジッと見ていた。その山には土煙がたちこめており、全体の形が確認できない状態だった。
子ブルマが、光線銃で撃ったのだった。
先程、ベジータの背中に乗った際、「お花見したーい」と言い出したので帰ろうとしたら、「言うこと聞かないとこうだよ!」と叫んで、その山にぶっぱなしたのだ。光線を喰らったその山は、甚大な崖崩れを起こして谷川を塞いでしまった。水鉄炮みたいな銃から、そんな強力な破壊光線が出たのだ。インパクトとしては、初めて見た悟空のかめはめ波と同等だったので、ベジータは驚愕した。しかし子ブルマは平然として、
「あ、今のは威嚇発砲のつもりだったんだけど……。まあ、いっか」
などと、倫理観に欠けた結び方をしたので、こいつはいよいよヤバいガキだとベジータは警戒したのだった。「ま、いっか」のノリで、地球を破壊されるのはゴメンだった。
「あれ?宇宙人はお弁当持ってきてないの?」
「……あるわけないだろ」
子ブルマの自由すぎる質問にうっすら恐怖を覚えながらベジータは答えた。子ブルマは弁当の蓋をしめた。
「なんか、宇宙人って、可哀想だね。大人の〈私〉に苛められてるんでしょ?だからお弁当無しなんだねえ」
子ブルマは悲しげに言った。瞳に憐憫の色があった。
「さいや人っていつも腹ペコなんでしょ?なのにお弁当無いなんて可哀想。そうだ、あたしがヘビ獲ってきてあげよっか!」
なにやら、狂ったママゴトが始まろうとしている。そう感じたベジータは、静かな声で誘いを断った。
「腹は減ってない、蛇は食わん。勝手に決めつけるな」
「じゃあ芋虫食べる?」
「なぜ虫が食料の候補にあがるんだ……」
ママゴトなのか本気なのか、判別が出来なかった。会話するのも怖くなったベジータは顔を背け、独り言の体で呟いた。子ブルマが顔を覗きこんでくる。
「あのねえ、ヘビの方が栄養価高いんだよ?宇宙人は知らないかもしんないけど地球のアーミーにとってヘビは貴重な食料なんだよ?」
「腹減ってねえって言ってるだろ」
「宇宙人は意地っぱりだなあ」
「オイ、ガキがひとりで動くと迷うぞ」
どこかへ行こうとする子ブルマに、ベジータは声をかけた。ここで行方不明になられたら、ブルマに何を言われるか分からない。子ブルマは、振り向いて余裕の笑みを見せてきた。
「大丈夫!なんかあったらスパイダーネット引っ張って合図して。あたしが助けにきてあげる。これが糸だよ?」
「話をきけよ」
「ヘビを焼けるように火を起こしておいてね〜」
子ブルマは自信満々に走り出し、シダ群の中へ姿を消してしまった。糸が繋がっているようだから、迷う事はなさそうだ。ベジータは溜め息をついた。ヘビだのアーミーだのと、子ブルマはサバイバルごっこに興じはじめてしまった。早く連れて帰りたいが、ベジータは基本、子供の扱い方を知らない。こちらからヘタに触れて光線銃で反撃されたら、自分はともかく、他所にどんな被害が出るか分からない。ベジータはグジグジと地面を踏み付けた。
「あの夫妻は全然しつけがなってねえな。ガキのせいで都に一大事が起きたら、どう責任をとる気だ?金か?金にモノを言わせて事件を揉み消し、当のガキには処罰無しか。それで増長したのがあのアマなのか?」
ベジータには決して叶わぬ夢があった。
それは、あの我儘なブルマを自分の好きなように、身も心も完全に支配する事だった。そうすれば地球での暮らしがどんなに快適になるだろう?けれどもブルマは芯が強すぎて、どうやってもベジータの思い通りには出来ない。
「ガキのうちなら可能なのか?」
ふと口についた言葉で、悔しさが増してきた。日頃のフラストレーションが、ドッと頭の中に溢れた。もっとあの女の聞き分けが良ければ、もっとあの女が従順になつけば、もっとあの女がオレを精密に理解すれば、もっとマシな結果を残せたんじゃないかと。
ベジータはハッとして頭を振った。
「いや違う。女なんぞで、このオレの強さがどうこうなる訳……畜生あの女ぁ〜!めんどくさいチビ女生み出しやがって!何故いつもオレ様に無駄な時間と労力を消費させやがるんだ!そもそもオレが何をしたって言うんだー!」
苛立ちにまみれて、スパイダーネットを弄くった。
「その年齢でもう天才気取りかよ!この糸ひとつ作るのにどれだけ失敗をした!失敗の分だけてめえは貴重な資源をゴミにしてるんだぞ!それをくだらねえ遊びで使って、飽きたら棄てるのか!?ふざけやがってガキめ!」
弄りながら糸の強度を確認してみた。ぶっちぎるつもりで引っ張ってみる。ゴムを遥かにしのぐ弾力があった。
「うお!」
突然、糸が強く引っ張られた。糸の絡んだ片足が引き摺られて、大きく体勢が崩れた。遠くない場所で、子供の悲鳴が上がった。光線銃の連発音に、鳥の飛び立つ音が重なって聞こえた。人間のものとは思えない力で、しばらく糸が引っ張られた。そして、急に抵抗が無くなった。
糸が途中で切れたのだと直感した。
次に、野太い獣の鳴き声がして、女児の悲鳴が再度あがった。細い悲鳴だった。ベジータは気を取り直し、音を頼りに子ブルマのもとへ行った。シダ群の中に地滑りの跡を見つけた。跡を辿ってゆくと、山の斜面の下に、倒れた子ブルマを見つけた。更に10メートル下の地面から、黒い岩肌が剥き出していた。
よく見るとそれは、岩ではなく、一頭の熊だった。子ブルマの10倍以上の大きさだ。熊は、子ブルマに歯を見せて唸っていた。涎が地面まで垂れている。熊の周辺の木々は不自然に吹き飛ばされており、残った幹から煙が出ていた。子ブルマが光線銃を撃ったのだ。熊は無傷だが、物凄く怒っているようだった。
「あっ」
子ブルマがベジータに気がついた。こちらから小枝を投げて気づかせてやったのだ。子ブルマは、アタフタと手を動かして光線銃を見せてきた。しきりに引き金を引いた。弾切れと言いたいようだ。同時に、下方の熊を指さして、ベジータに何かを訴えてきた。しかし、恐怖の為に言葉が出ないようだった。口だけをパクパクしているのが滑稽だった。
「聞こえん。なんだって?」
ベジータは笑いを噛み殺しながら、悠々とその場に胡座をかいた。それを見た子ブルマは、ビックリした様子でベジータを凝視した。だが、すぐに怒った面に変わり、熊を何度も指さした。〈なんとかして〉と訴えている。
ベジータは動かなかった。熊がゆっくり子ブルマに歩み寄るのを見届けながら、ギリギリ聞こえる声量で言った。
「お前、さっきオレに『助けてやる』って言ったな。だったら、オレより強いんだろ?銃でオレを脅し、山に降りたのはお前。忠告を聞かずに1人でウロついたのもお前。自業自得だ。お前がどうにかしろ」
子ブルマはみるみる真っ青になった。いや、いや、と首を振りながら、何度も熊を指さした。足が全く動いていない。腰が抜けてしまっているようだ。熊がどんどん迫ってきている。子ブルマは縮こまって目を閉じてしまった。
「オイ待て、最後まで考えろ。逃げるんじゃねえ、死ぬまで考え抜け。てめえがガキだからって甘えるんじゃねえぞ」
「……ひー……」
子ブルマが掠れた悲鳴をあげた。それは心身ともに限界に達した声音だった。熊が咆哮し、子ブルマに前足を振り上げた。ベジータは瞬時に体勢を変えて地面を蹴った。子ブルマの首根っこを掴んで、熊から離れた。
子ブルマは、ベジータに抱えられたまま、石のように硬直していた。光線銃を持つ手は血の気がなくなって、真っ白になっていた。
山を下りながらベジータは説教した。
「せっかくの銃も、お前が持ってたんじゃまるで台無しだ。糸だってそうだろ。あの場で機転を利かせれば、逃げ道を作れたはずなのにお前はビビるばかりで考えるのを止めてしまった。利器をゴミにしやがって……。作った時間も材料もパーじゃねえか。結局、お前は無駄しか作り出せてないって事なんだぞ」
幼稚園からやり直してこい、とベジータは吐き捨てた。幼い女児の目には、涙が溜まっている。それでもベジータは容赦しなかった。
「あの熊は果たして悪いヤツなのか。お前はもう少し動物の生態を知るべきだ。何も知らんのなら余裕のツラして山をウロチョロするな」
「……ひー……」
「泣くな!いいかお前は科学に長けてるかもしれんが、そのぶん己を戒めて生きなければ簡単に身を滅ぼすんだぞ!今日ので思い知っただろ!二度と調子に乗るな!」
ベジータは思った事をそのままぶつけてやった。こんな風に怒鳴りつける者が、この子供の周囲には皆無なのだと思ったからだ。子ブルマはえずきながら泣き続けた。
ベジータは子ブルマを地面に置いて、厳しく詰問を始めた。
「お前、帰りはどうするんだ。またオレにくっついてくるのか。でもあの糸は山の中に置いてきちまったぜ。必要なら自分の足で取ってこい」
「……そんなの……無理だよう……ヒグマ怖いよ」
「じゃあどうするんだ?」
「宇宙人……一緒……連れて帰って……」
「オレに足になれと?まさかそれ、無償で頼む気じゃないだろうな?」
「こっ……これあげるから!おうちまで、お願いします!」
子ブルマは焦った様子で、ポケットからキャラメルの箱を出した。ベジータはソレをギラリと睨みつけると、手で地面に叩き落とした。バラララ!と中のキャラメルが散らばった。子ブルマは肩を震わせて、それらを見つめた。
「こんな物でオレを動かそうってのか?舐めるな」
断固として断った上で、ベジータは再度説教しようとした。しかし、子ブルマの様子がおかしいのに気がついた。顔が青くなったり赤くなったり、表情が妙ちくりんである。
子ブルマは、ベジータの視線に気づいてギョッと目を剥いた。やがて、気まずそうにうつむいて、ゆっくりと立ち上がった。
「……らし……ちゃった……」
「何?」
ベジータが訊き返すと、子ブルマはぐにゃ〜と顔を歪め、デカい口を開けて泣き出した。
「うわーん、オシッコ漏らしちゃったよー!」
「なん……?うわーーっ!」
子ブルマは、ワンピースの裾を指でつまみ上げて、足を内股にして立っている。そこから、うっすらと白い湯気が出ていた。ベジータは思わず飛び退いた。
「パンツ濡れちゃったよー、お股が冷たいよー、おうち帰りたいー」
「うわっ、お前、靴までビチョビチョじゃねえかー!」
小さな女の子が目の前でお漏らしをしてしまった……。
続きます
1/2ページ