「起きろ貴様らぁーーー！年などとっくに明け済みだぞクソどもがーーー！」
「す、すまねえベジータ！」
「すいません王子！飲んだくれて寝ちまってましたーー！」
「正月だからってたるんでるんじゃねえ！そうやってイベントで浮かれてるヤツから戦死してゆくのだ愚か者めーーー！！」
「おう、気をつけるぜ！」
「確かに王子のおっしゃる通り、ここが戦場なら、王子の一喝が無ければ我らは大惨敗している所ですーー！」
「分かればいい。ところでお前ら、今年の抱負は考えたか？」
「そりゃあ勿論。オレの抱負は今年も虐殺よ。去年の倍は殺すと決めてるぜ」ニコッ
「オレは今年こそは尻尾を鍛えて、弱点克服といきたいです」←やる気無し
「オレの抱負は去年に引き続き、フリーザ暗殺計画に念を入れる事だ。あと、今年こそ、階級を上げて〝軍師〟の称号を手に入れてやるぜ……」
「さ、さすがベジータ…、目標が高いな！」
「応援してます王子！」←本当はあんまりベジータに頑張って欲しくないラディー
「その為には、部下のお前らの士気が問われる訳だが……２人とも分かってるんだろうな？」
「勿論よ。オレはベジータの為なら身を捧げるつもりだからよ」ニコッ
「分かってます王子」
「何が分かったんだ？」←めっちゃ睨むベジ
「いや、その」
「今年こそは逃げるなよ、ラディッツ……戦場の〝途中離脱〟をまたやりやがったら、貴様、」
「に、逃げませんから、睨まないでください！」←涙目
「ラディッツよ」
「は、はい……」
「サイヤの〝三大義務〟を言ってみろ」
「…………えーと」
「忘れたとは言わせんぞ」
「は、はい」
「早く言え」
「ゆ、勇猛果敢、大量殺戮、貪欲大食、です……」
「声が小さいな」
「勇猛果敢！大量殺戮！貪欲大食！ですッ！」
「貴様は毎年毎年！！一番最初の〝義務〟が全然果たせてねえじゃねえか馬鹿野郎ーーーー！！」
「すいませんーー！」←ギャン泣き
「死ぬ気で戦え、それが出来んなら死ね！分かったか」
「……ベジータそのあたりで勘弁してやってくれ。ラディッツの尻尾の毛がヤバい…」
「あっ……！この野郎！」
「……こんなゲキを喰らっただけで失神しちまうとは……」
「コイツッ…！ま、ますます弱虫になってんじゃねえのか！？ふ、ふざけやがってラディッツめ〜〜！！」
「ウサギ年は、色々飛躍するって年らしいが…コイツは……」
「ウサギの〝ラビット〟みてえな……ウサギっぽい名前を名乗っておきながら……なんなのだこの体たらくは……クッソ〜〜〜」
「もうよ、ラディッツはほっといて、サイヤ式雑煮でも食おうや」
「クソ…」
「サイヤ式おせちもあるぜ、ほら」


一方、ギニュー特戦隊。


「隊長〜〜〜〜！テレビがつまんないっス〜〜〜！」
「隊長！大晦日の『笑ってはいけないナントカ』がやってなくて、オレはどう過ごせばいいか全く分かんなかったです！」
「テ、テレ東、マジか……ぶっ通しで『孤独のグルメ』放送とは、毎度毎度何考えてるんだこのテレビ局…」
「メシテロとか悪の権化だろー！それよか『笑ってはいけないナントカ』をどうにかしねえと…」
「テレビ局にクレームを入れてやりましょう、隊長！」
「ううむ……それは無理だろう、昨今のBPOやらなんやらで、局側も色々と厳しいのだ、諦めろ」
「ええ〜〜〜！？そんな〜〜〜！！」×４
「テレビがつまらなくても、ほら、オレ達にはテーブルゲームがあるぞ？UNOでもやるか？」
「飽きたっス〜」
「なんか新しい遊びが欲しいっス」
「初詣も一番に行っちゃったし、やる事無いよなあ」
「なんか面白い事したいっス」
（新年早々わがままな奴らだな……オレだって毎年毎年、お前らの為に楽しい催しを考えるのが、どれだけ大変だと思ってるんだ……うう……）
「……じゃあお前ら、今軍で流行りの、宇宙ヨウツベ配信でもやってみるか？」
「えっ」
「えっ」
「なんですかそれ！」
「やってみたいっス！」×４
「うむ。分かった。（ホントは録画しといた孤独のグルメ見たいんだけどな……リーダーはホントに辛い……）」

…終…

2023/1/6