小ネタ箱(軍隊は今日もクソ)

とある辺境の惑星に於いて。

フリーザから褒美として10連休を貰っていたギニュー特戦隊は、月見パーティーを開いていた。

「月がきれいだねえ、ベジータちゃん」
「………」

どんちゃん騒ぎをしているギニュー、バータ、ジース、グルドの四人から離れた場所で、リクームとベジータ(13歳)は並んで三角座りをしていた。ベジータには黒い目隠しがされていた。ついでに尻尾はリクームの手にしっかりと握られており、逃亡を阻止されていた。

「ベジータちゃんも一緒に来れてよかったね。フリーザさまに泣いて土下座してお願いした甲斐があったよ」
「………」
「あ、流れ星だよベジータちゃん!見てごらん!」

ベジータは目隠しされているので、何も見えないのだが、リクームは一人で浮かれてキャーキャーとはしゃいでいた。
拘束されていて逃げるに逃げられない。
他の特戦隊メンバー(とくにギニュー)の近くに、ジリジリと座ったまま移動するのだが、「あれ?なんか距離があいてるね、もっとこっちへおいで~」と、リクームに尻尾を引っ張られて戻されてしまう。

「ベジータちゃん、楽しいね!」
「………」
「どうしたのベジータちゃん?あっ!……もしかして……寝てるのかな、シメシメ今のうちにゲヘヘ」
「寝とらん!!!!」
「なんだ、つまんねー」
「こっちの台詞だ!」
「え?つまらないの??」
「何も見えんし、横に気色悪い野郎がいる!!最悪だ!!尻尾に触るな!!汚い手を離しやがれーー!!」

その暴言を聞いたリクームは、これが『ツンデレ』現象か、と大いに感動し、ときめきながら、目の見えないベジータのために夜空の実況を始めた。
うっとりと頬を染めながら喋るリクームの顔は、恋する詩人の風情であった。

「月は今、ここから斜め80度ぐらい上の所に、マイ皇帝で掘った直後の尻穴のように、ぽっかりと浮かんでいます。うっすらとした雲が右から流れてきているので、まんまるのお月様が、小さくなったり大きくなったり……。その様子は、マイ皇帝で掘って時間の経った尻穴が、スローモーションで痙攣しているようにも見えます。じーっと見ていると、おやおやなんてことでしょう、尻の穴にしか見えなくなってきますよ?不思議ですね。時々流れ星が流れますが、まるで、あの白い汁のようです。これは僕の汁でしょうか、それともベジータちゃんの汁でしょうか。両方の汁が混じって一緒に流れているのかもしれませんね。まさしく、僕とベジータちゃんの共演が、目の前の夜空で、ダイナミックに、時に淫猥に、繰り広げられております。おっと雲が濃くなってきました」
「うっ……やめ……うおェェ」←きもちわるい話を聞かされて嘔吐寸前のベジ
「雲が早く去ればいいのですが、邪魔ですね、おっと観客もイライラしてます。雲が邪魔で、……あれ、ホントに邪魔だな。くそ、早くどっか行けよ雲~~」
「バカの実況を終了します」←機械みたいな声で打ち切るベジ
「雲どっかいけ!どっか行けっていってんだろ!ぶっとばすぞ!!」
「続いて、我が軍の戦況を、現場のナッパがお送りします」←朦朧としながらも話題をすりかえるベジ
「リクーム!!イレイザーガン!!」

どごーーーーん

突然、リクームが立ち上がり、口から強大なエネルギー波を吐き出した。
月を隠していた雲が吹き飛び、ついでに月も吹き飛んだ。

「し、しまったあ!月が消えちまったあ!」

あちゃーとリクームが頭を掻く。
立ち上がっていても、リクームはベジータの尻尾を離さない。
ベジータは怖ろしく思いながらも、

「ざまあみやがれ」

と嘲笑した。
やがて、遠くのほうにいたほかの特戦隊メンバーが駆け寄ってきた。

「こらリクームー!月を消したのはお前かー!」
「げえ!やべえ!」

ギニューが怒りながら走ってきたのでリクームはビビッてしゃがみこんだ。
ベジータの尻尾はいまだ掴まれたままである。

「ざまあみやがれ」

とベジータは再び嘲笑した。

「我らの月見が台無しではないか!なぜ月を消した!」
「た、隊長、あの、雲が、雲が邪魔だったので、オレ、つい」
「雲ぐらい、息を一吹きすれば払えるだろう!なぜイレイザーガンなど撃った!やりすぎだ馬鹿者ー!」
「ギャフン!すみません!」
「まったく、ふざけた格好しおって。もう軍基地に帰るぞ、身だしなみを整えろ!」
「ふぁーい」
「ざまあみやがれ、ははは!」

ギニューが去った後、ベジータは嗤った。
「ショボーン」と言いながら、リクームはベジータの目隠しを解き始めた。

「もう満月なくなったから、大サルにならないよね、よいしょっと、はい取れたよ~」
「ぎゃあああああああ!!!」

目隠しを外されて、最初に目の前に現れたのはリクームの下半身全裸だった……。
尻尾を握ってない方の手には、ベットリと、変な汁が付着している。

「やだ見ないでよベジータちゃん!!きゃーはずかしー!!」
「うげええええええ!!」
「もう!!油断も隙もないんだからあ!!憎たらしいベジータちゃんめ!!ひひひっ!!」

リクームは卑しく笑いながら、脱いでいたアンダーを見につけた。
リクームがいつからアンダーを脱いでいたのか、そしていつの間に自慰を行っていたのか……考えるとベジータの吐き気は止まらなくなった。
ベジータの尻尾は、船に乗るまで離されることはなかった。

…終…

2012-10-03
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