小ネタ箱(軍隊は今日もクソ)



※ホモ注意


「フリーザさま、今年の水泳大会の景品リストです。ご確認ください」
「ご苦労様ですザーボンさん。ほう、今年の優勝者には新鮮果物の詰め合わせ一年分ですか、豪勢ですねえ」
「これは特戦隊の領地で収穫したもので、彼らが自ら寄付してきました」
「え?寄付ですって?いやに太っ腹ですね」
「そうですね…」
「しかしなんでしょうかねえ…。この、なんとも釣りくさい匂い……。匂う……。ひどく匂いますよ」
「フリーザさま、私も何やら、この寄付の件については不穏なモノを感じずにはおれません」
「……まあ、とりあえず明後日、何事も無く水泳大会が終わるよう、一応警備を強化してください」
「かしこまりました」

水泳大会前日

「おーいベジータ。水泳大会の景品リスト持ってきたぜ」
「毎年つまんねえ景品ばっかだよなソレ、今年は何が当たるんだ?」
「フン。何が水泳大会だ。くだらねえ」
ペラリ

「おお!?」
「おお!?」
「どうした」
「優勝者には新鮮果物の詰め合わせ一年分だってよベジータ!」
「何ーー!?」
「二位以下は…なんだこりゃ、フリーザ様ご愛飲『紫のプロテイン飲料』、フリーザ様ご愛用『紫のグラスセット』、フリーザ様愛読『殺し方の本・紫の巻』」
「うわあ、要らねえ~」
「果物の……詰め合わせか……」
「珍しい景品だよな、果物なんて」
「果物だけは欲しいです、王子~」
「どうするベジータ。大会、参加するか?」
「うーむ……」
悩んだ結果、ベジータは水泳大会に参加表明した。その後、ナッパと共に売店に行った。

「水着指定があるとは知らなかったな、戦闘服のままで泳ぐものと思っていたが」
「ベジータはどんな水着にするんだ?」
「そうだな、なるべく水の抵抗の少ないものが良いな」
「んじゃこの、一番布面積の少ないTバック仕様のコレなんかどうだ?わははは」
「……。殺されたいようだなナッパ。いいだろう、表へ出ろ」
「悪い悪い、なんか浮かれちまってよー。じゃあこの滑らかな、上下つなぎの半袖のコレはどうだ」
「ふむ、これなら水の抵抗も、肌の露出も少ないな…」
「サイヤ人用に、尻尾穴を開けてもらわねえといけねえぜ。オレが仕立て屋に頼んどくわ」
「頼んだぞナッパ」

水泳大会当日

参加者は総勢、300人強。泳ぎ自慢のツワモノばかりが集まった。
全長1キロメートルの巨大プールで、勝ち抜き戦が行われた。
ベジータは順調に勝ち抜いてゆき、途中、大嫌いなキュイも負かして、上機嫌で決勝戦を迎えた。

「ベジーター!すげえぞー!」
「がんばってください王子ーー!」
プールを囲む巨大な観覧席でナッパとラディッツのエールが飛ぶ。
「ほっほっほ。それでは決勝進出のお二人さま、プールに入って準備してください」

フリーザのアナウンスが聞こえたので、ベジータはコースに入ろうとした。
ピタリ、とベジータの足が止まった。
「おーーい!ベジータちゃーーん!!」

……第5コースに、リクームが立っていた……。
昨日、ナッパがふざけて薦めてきた、Tバック仕様の水着を着用していた……。
「ベジータちゃんも決勝!?すごーい!!泳ぎ上手いんだねえ!お互い頑張ろうね!!!」

リクームが足を高く上げて、変なポーズをきめながら笑いかけてきた。
Tバックから、お稲荷がはみ出ていた……。

「う、うう……、う……、ふぐっ……」
「ベベベ!!ベジッ…!ベジータ!オイ、ベジータ!大丈夫かベジーターー!」
「お…、お、おお…、王子しっかりーーーー!!果物果物!!果物の事だけ考えましょうファイトーー!!」
「……。ほ、ほっほっほ……。それでは準備は…よろしいでしょうか。……ベジータさん…早くプールの中に入ってください」
「ベジータちゃん早く~~こっちこっち~~。第6コースにおいで~~」
「うぐっ……、ぐえ……、クソ……、く、果物、果物、果物」
ピーー。
「果物はッ!!!オレのものだぁーーーー!!!!!」

笛の音と共にベジータは猛スピードで泳ぎ出した。
リクームはニヤリと笑って、一秒遅れてスタートした。
ザババババババ!!!!!

「わー。溺れるう~~~」
「ぎゃああああ!!!」
プールの真ん中あたりで、第5コースから第6コースに向かって、邪悪な手が伸びてきた。

「たすけてベジータちゃ~~ん、溺れるよ~~」
「はなっ!!放せー!!オイ審ぱ……!!ゴボボボ……」
「溺れそうだよたすけて~~。……なんだコレ、後ろがジッパーになってんのかよクッソめんどくせえ水着着やがってよお。わーたすけて溺れる~~。よいしょ、よいしょっと」

ジッパーを下ろして水着を脱がせようとするリクーム。
ベジータの顔は、リクームの凄まじい腕力で水中に押し込まれていた。

「名づけて!『溺れて隣の人に捕まったら水着が脱げちゃって大事なトコロがポロリ大作戦』!!」
「ゴボボ!!ゴボボボボ!!」
「大人しくしてろって、いいじゃないの見るだけなんだからさあ~~」

明らかに妙なリクームの動きに、フリーザの笛が鋭く鳴った。
大会決勝は中止となり、優勝の景品もおあずけとなった。

「オイ、リクーム~~。何やってんだよ~~」
「ははは、ごめんごめん。ちょっと足がつっちゃったみたいで」
「もしや、準備体操が足りなかったのではないか?」
「はっ!そういやそうでした!すみません隊長!」
「なにやってんだよ全く~」
「いやー、油断してたぜ。……あーあ、ポロリ大作戦、失敗しちゃったなあ……」
「はあ?ポロリ大作戦?何の話だ?」
「え?いやいやなんでもないよ」
「オイ、リクーム。水着から全部はみ出てるぞ」
「おっといけねえ!!これじゃあ自分がポロリだぜ!!」
「わははははは」×4
「じゃじゃまる!」
「ピッコロ!」
「ポーロリー」×5
「わはははははは!!」←5人全員大爆笑。

和気藹々と退場してゆく特戦隊。
ベジータはその後、ショックの為、3日間寝込んだ。

…終…

2012-07-18
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