小ネタ箱(悟空関係)

「これで分かったかカカロット。所詮貴様は下級戦士なのだ。気高い王子であるこのオレ様に、花火の美しさで勝とうなどと、ハハハ!!愚かにも程がある!!1000年修行して出直してきやがれ!!」
「へへっ……ベジータ。確かにおめえはスゲエよ。でもよ、キレーさだけが花火の真髄じゃねえかもよ?次はこれで勝負してみねえか?」
「なんだソレは」
「線香花火だ。どんだけ長持ちするかってのを競争するタイプのヤツだ」
「同じ事だ。貴様はオレには勝てん」

河原でしゃがんで線香花火を始める悟空とベジータ。
川のせせらぎに、静かな火花音が混じり出す。

「ああ~。あの2人もう駄目だわ……。花火全部持ってかれちゃったし。すっごい暇~~」
「お父さんもベジータさんも、純血の戦闘民族だから、なんでもかんでも闘いになってしまうんですね……」
「なして大の男2人が、線香花火なんかやってるだよ。気色悪いべ」

「あっ!!ちっきしょー!!落ちちまった!!」
「わめくな。こっちに息をかけるんじゃない。邪魔だからもっと離れていろ」
「なっげーなおめえ!なんで落ちねーんだよお!」
「くっくっく……」
「くっそー、もう一本だ!!」
「何度やっても同じ事だ。まあ、せいぜいあがいてろ」

結局、線香花火で勝ったのはベジータだった。
記録は1分40秒であった。

「フハハハハ!!これで分かっただろうカカロットーー!!これがエリートだ!!これがサイヤ人の王子の実力なのだーー!!己の無力さを思い知れハーーッハッハッハッハ!!」
「ううっ……ち、ちくしょう……」
「ざまあみやがれこの下手くそめ!!オレはジッと待ち続ける事には誰にもひけをとらんのだ!!さあ帰るぞブルマ!!」
「きゃーーー!」

ブルマを抱きかかえてその場を飛び去るベジータ。

「……行ってしまいましたね、お父さん」
「ははは……オラ負けちまった……悔しいなあ」
(あんのド不良のベジータ……!!遊ぶだけ遊んで、後片付けもしねえで……!!しかも人の花火使って礼も無く帰っちまったべ!!なんて無礼な男だべ!!)

後片付けしながらチチはプンプン怒った。
翌日。

「なあチチ!!オラ花火の修行してえから、もっぺん花火買ってきてくんねえか!?」
「金がねえだよ」

…終…

2011年8月19日
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