小ネタ箱(悟空関係)





「ねえベジータ。花火やりに行かない?」
「行く」

珍しく素直に頷いたベジータに、青い甚平を着せるブルマ。ブルマは白地に青い朝顔模様の浴衣を来た。

「なんだこの服は……スカスカして落ちつかんぞ」
「それは花火用の戦闘服よ」

などといい加減な事を言いながらジェットフライヤーで辿り着いたのは人ッ気のない川辺だった。

「オイ、ブルマ」
「なあに?」
「なぜテントなんか張ってるんだ」
「休憩用よ。蚊がいっぱいいたら逃げられるでしょ。花火はたくさん持ってきたから全部やり終わるのに時間かかるだろうし、疲れるだろうし、うふふふ……」
「………」
「さあ張り終わったわ。花火やるわよ」
「3尺玉を寄越せ」
「あんれえ?おーいおめえら何してんだあ?」
「きゃっ!孫君!」

どーーーーーーん!!

すかさずテントを気弾でぶっとばすベジータ。

「なっ!!何しにきやがったカカロット!!」
「何って、花火だよ」
「ベジータさん、ブルマさん、こんばんは、奇遇ですね」
「あはは…こんばんは悟飯くん。本当に奇遇ね、チチさんもお久しぶり、元気だった?」
「こんばんはブルマさん、元気だよ」

ベジータを華麗に無視してブルマだけに挨拶するチチ。

「ブルマ、場所を変えるぞ!」
「ベジータ、おめえらも花火か?一緒にやろうぜ!」
「冗談はよせ……本来ならば貴様を花火にしてやりたい所なんだぞ……」
「まあまあそんな事言わねえで、皆でやった方が絶対楽しいぞ!」

悟空は自宅から持ってきた5尺玉を空高くぶんなげて

「かめはめ波ーーーーーー!!!!」

と玉を目掛けて気弾を放った。夜空にでっかい花火がドーンと咲いた。

「きゃあ!すっごい!こんな大きなの見たこと無いわー!」

こんな大きなの見たこと無いわー…見たこと無いわー…無いわー…(←エコー)

「何を言ってるんだブルマ!!どこか凄いんだあんなものが!!見ろ!!これが本物の花火だあーーー!!」

悟空が持ってきた5尺玉をぶんどって、空高くぶんなげるベジータ。
ピッ!と人差し指で気を放つと、夜空に、規則正しい幾何学模様の完璧な花火が、パアッと広がった。

「あー!!綺麗!」
「ベジータさん凄いです!この花火を作った人も、職人冥利に尽きると思います!」
「ベ、ベジータ…!おめえなかなかやるじゃねえか!!」
「当然だ!下級戦士の貴様とは訳が違うんだ!見たかオレ様の精巧な技を!!フハハハハ!!」
「よーしオラも負けてらんねえぞ!えい!」
「馬鹿が!!花火の仕組みも美しさも分からん貴様のような野暮にオレ様の技が真似できると思うのかーー!!」
「わはは!!ノッてきたじゃねえかベジーターー!!面白れえなーー!!」

ドカーン!!ドドーン!!ボカドカ!!

風情もへったくれもない花火競争が始まった。

「んもう、呆れた。2人ともまるで子供だわ……」
「わあ、2人とも凄い技だなあ…。ぼく、とても勉強になります」
(あんのド不良のベジータ……おらの家から持ってきた花火、勝手に打ちまくってるべ……それの値段どんだけ高いと思ってるだ……やっぱりとんでもねえ大悪人だべ……!)

…続く…

2011年8月18日
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