小ネタ箱(悟空関係)





「だってよー、梅雨だってのに雨ふらなかったろ~?こんなんオラのせいじゃねえよ~」
「言い訳なんかききたくねえだよ。おらが里のスーパーに出稼ぎに行ってる間、おめさが畑の世話するって約束したべ!?なのに悟空さ、まーたのんきに修行に行っちまって……どうすんだべコレ!枝豆が全滅だべさーー!!」

長く続いたカラ梅雨で、約四反の枝豆畑が干上がった。
畑の世話をさぼった悟空は、罰として家を追い出されてしまった。

「参ったなあ。またしばらくチチの飯が食えねえぞ……」

野外でもそれなりに自給自足生活ができる悟空だったが、チチの料理で舌が肥えていた。動物を焼いて食うのはちょっといやだった。
早く許してもらって家に入れてもらうには。

「こうなったらゼニ稼いでチチの機嫌とるしかねえ……」

という訳でパオズ山を下りて、どうやって金稼ぎをすればいいかと思案にあけくれていた悟空。
川べりに座って知恵をしぼるのだが、なぜだか強くなるための修行の事ばかり考えてしまう。
戦闘民族ゆえに、この癖ばっかりはどうにもならなかった。

「ダメだ。全然方法が思いつかねえぞ……」
「オイそこの貴様、邪魔だ。今すぐそこから失せろ。それがイヤならばとっとと死ね」
「あ」

やけに苛立った声の方向に、悟空は目を向けた。
見ると、ピンクの私服を着たベジータが、悟空の顔めがけて蹴りを入れようとしていた

「ベジータじゃねえか、こんな田舎に来るなんて珍しいなあ~。なんだそのヘンテコな格好。いつもの戦闘服はどうしたんだよ?」
「……」

~ベジータ回想~

「アンタが重力室使い過ぎたせいで、電気系統が全部イカれちゃったじゃないの!冷蔵庫もクーラーもダメになっちゃったわ!暑い~~!」
「直せばいいだろ」
「やだ!暑い!なんにもしたくない!」
「腹が減った……」
「もう何も作りたくないわ!私に頼ってばかりいないで、自分で勝手に食べてきなさいよ!」←カードを放り投げるブルマ
「なん…!?こ、これは、マックカードじゃねえか!」
「そうよマック一年分よ。なんか文句あるの?」
「……」
「あ、アンタの戦闘服だけど、今つけおき洗い中だから。誰かさんのせいで洗濯乾燥機使えないし~」
「……服はどこだ」
「タンスの中にあるじゃないの、いつものやつが」
「……」

~ベジータ回想おわり~

「……貴様に説明する事は何もない。早く失せろ」
「あれ?その手に持ってる籠はなんだあ?」
「触るな!」

ベジータが悟空に蹴りをいれようとした時、ポケットから一枚のチラシが落っこちた。

「なんか落ちたぞ?」
「あっ!」
「なになに?……『ウシガエル一匹から買い取ります。JA西の都支店』」
「クソ……」
「へえ、ウシガエルって売れるんか?」
「今、西の都でカエル料理が流行っていて、価格が高騰しているのだ」
「おめえ、カエル捕りにきたんか?」
「……。違う」
「そっか良かった~。じゃあオラ、ここらのウシガエル全部捕まえて西の都に売りに行くぞ。ゼニが要るからよ~」
「な、なんだと!?貴様はカエルに手を出すなーー!」

殺し合いが始まった。
そして五分後。

「だから何なんだよ~、おめえもカエル捕りに来たんかあ?」
「……高級バイキングレストランに行くには現金がいる……しかしあのアマが金を寄越さんのだ…!マクドナルドはオレにとって地獄だーー!!」
「よくわかんねえけど、お互いせっぱつまってるみてえだし、二人で捕まえりゃいいんじゃねえか?ここにはウシガエルたくさん居るからよー」

ベジータは妥協した。
つまりそれほどに腹が減っていた。そしてマクドナルドには行きたくなかった。

「あ、でけえの居た!」
「早く籠に入れろ」
「おっめえ、捕まえんの下手だな~」
「な、なんともろく弱い生き物だ……力加減が……クソ!」
「おい、それウシガエルじゃねえよ、ガマガエルだよ」
「コイツはウシガエルか?」
「うわ~、きもちわりい色してんなあ~~」
「……なんだ。この忌々しい姿は。なんとも懐かしく、それでいてヘドが出そうなこの感じ……」
「ウシガエルの突然変異じゃねえの?売れるかもしんねえし籠に入れとけよ」←無責任に言い放つ悟空

やがて、籠はカエルで一杯になった。
ベジータと悟空は西の都へ行き、カエルを売って無事に現金を得た。

気持ち悪い色のカエル(ギニュー)は、選別場で弾かれ、命からがら逃げ出した。

…終…

2013-6-21
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