小ネタ箱(悟空関係)
清潔好きなベジータは、外で訓練を行う際に、天然の温泉や泉につかることがある。
その日は蒸し暑く、訓練を終えたときには全身汗まみれで、猛スピードで体を動かした拍子に当たって死んだ虫の屍骸が皮膚に沢山くっついていたので、CCに帰る前に体を洗おうと思った。
「今日は温泉にするか……」
ある山の奥地にある、広い天然温泉にいくと、もくもくの湯気の中、サルの群れが先に浸かっているのが見えた。
ベジータが近寄ると、大半のサルは逃げた。
だが、一匹だけ残っている気配がした。
ボケたサルか……とベジータは思った。おっぱらうのは面倒だったのでやめた。
温泉はこんこんと湧き続けているので、サル一匹いるぐらいでは不潔とは思わなかった。
ところで、最近ベジータは、薬草というものに興味を持っていた。
「瞑想を深めるといわれるこの薬草を、湯に入れてみれば……何か閃くだろうか……」
植物図鑑を見ながら、野山でテキトーに採ってきた大量の緑の葉っぱ。
ベジータはそれを先に温泉の中にぶちこみ、戦闘服を脱ぐと、温泉に体を沈めた。
超サイヤ人になれなくて悔しがっていたベジータは、この時期、なんでもかんでもがむしゃらに手を出して試して失敗する、という迷宮に迷い込んでいた。
ただただ必死であった。
かいー
かいー
湯気の向こうから、サルの声らしきものが聞こえた。
かいーなー
かいかいー
やがてベジータはそれがサルの奇声ではなく、人間の声だと気づいた。
ついでに、物凄く重大な事にも気づいた。
……悟空の気が、湯気の向こう側、まさに「かいー」と声のするほうから飛んでくるのである。
「……カカロット?」
「かいーぞコレ!なんだコレ!」
「……カカロットか?」
「あーーー!!」
ざばばばばばば!!
「ベジータじゃねえか!!」
「うわっ!!」
「なにしてんだこんなトコで!!かいーー!!」
「め、瞑想を」
「は~!?」←全身かきむしりながら顔を近づける悟空
「オイ!あんまり近寄るな!!」
「ちっくしょー!!なんだこの葉っぱ!!これ入れたのおめえか~~!?」
「そ、そうだが」
「なんでこんなもん入れんだよー!!」
「瞑想を深める為に……その……薬草を少し」
「これ薬草じゃねえよ!!」
「何い!?」
「ツタウルシだよ!!」
「ツタ……?」
「触るとめっちゃくちゃ痒くなる草だよ、ただの草だよ!!どんだけいれてんだおめえ~~!!見てみろ!温泉、草まみれじゃねえか!!」
「オイ、カカロット、オレもなんか体が……痒いぞ?」
「オラはぶっちぎりで痒いんだよ!!!下流のほうに居たから、オラのほうにツタウルシ全部流れてきてたんだぞ!!うおお!?ひでえかぶれだぞコレ!!どうしてくれんだよ!!」
「……」
「逃げんなベジーターー!!」
…続く…