第三章
身動きが取れない。
ダークファルコはニヤリと口角を吊り上げると、ゆっくりと階段を下りてきて。
「タブーについての資料を見かけた」
スネークがぽつりと告げると、ダークファルコは階段の真ん中辺りで立ち止まった。
「十年前の話だ。試作段階のタブーで、マスターとクレイジーは何をした」
――こんな時に何を言っているんだ。
ルーティは怪訝そうな顔をしてスネークを見上げた。スネークはルーティの視線に気付くと、ただ、頷いてみせて。
「……何が言いたいんですか?」
ダークファルコは微笑を浮かべて。しかし、それは何処かぎこちなく。
「子供を何人か攫ったんじゃないか?」
ふと、ダークファルコの笑みが消えた。
「各国で行方不明になる事件が、同時期に起こったそうじゃないか。全国の捜索隊が総出だったらしいが、結局、子供は見つからず、未解決のまま。……子供達は」
スネークは鋭く睨み付けると。
「亜空間に連れていったんじゃないか?」