第三章



足音。誰かが近付いてくる。

すぐにスネークが手榴弾を放り投げ、駆け出した。ルーティは慌てて、その後を追いかける。――間もなく、爆発。

「さっき調べていて気付いたんだが!」

走りながら、スネークは自分が資料室で調べた結果、得た情報を口にする。

「政府の人間は恐らく、殺されている! 十年前の資料から、手書きではなくワープロで書かれるようになっていたからな……会議中に書き留めたもの、と記されておきながら、パソコンを用いる訳がない!」

――じゃあ、さっき僕が見ていた資料は、ギリギリ本物ってことか。

前方に蠢く何かが見えて、スネークはすかさず、手榴弾を投げつけた。その隙に廊下を曲がり、目の前の階段を駆け上がる。

「ここにいる人間の殆どは、恐らく、ダークシャドウが化けたものだ! 今時、英語もまともに喋れない受付嬢なんて有り得ないからな! そこが国の拠点で、司令塔なら尚更――」

スネークの言葉が途切れ、立ち止まる。ルーティは踊り場を見上げてはっとした。
 
 
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