第三章
「スピカ……」
ぽつりとその名を呼ぶと、ダークピカチュウは途端に頭痛がしたのか頭を押さえて。
「……ぶな」
「え」
「その名前で、呼ぶな!」
ダークピカチュウが語気を強めると、パリン、と音を立てて部屋の照明が割れてしまい、室内は薄暗くなって。
「しゃがめ!」
スネークの声。同時に手榴弾がダークピカチュウに向かって放り投げられる。
ドカンッ!
爆発。ダークピカチュウは入り口に立っていたので、当然、扉も吹き飛ばされて。
スネークに手を引かれるがままに資料室を飛び出すと、ちょうど、廊下や部屋の明かりが消えて、辺りは暗闇に包まれる。
「まさか……」
ダークピカチュウがいた時点で気付くべきだった。ルーティの推測はスネークの発言により、確信へと変わる。
「ここは、ダークシャドウの拠点か……」