第三章
「うぇー……」
明らかに嫌そうな声を洩らし、ルーティは棚の前まで来ると、適当に資料を取って。
――あーあ。だから、リーダーになんかなりたくなかったんだ。どうせ当たるんだったら、福引きとかにしてよ神様。
「って、今は神様が敵なんだっけ」
自分の心の声にツッコミを入れつつ、大きく溜め息を吐いて。すると、資料に付着していた埃が舞い上がり、咳き込んで。
「何をしてるんだ。真面目に探せ」
「うー……分かってるって」
遊んでいるものだと思われたのか、スネークに叱られ、ルーティは頬を膨らまして。
――『王の歴史』、『国の在るべき姿とは』。たくさんあるけど、何か違うんだよなぁ……『世界のくるぶし』? 何これ。
「うわっ!」
ある資料を引き抜いた瞬間、それが引き金となって他の資料も一緒に落ちてきて、ルーティは下敷きになってしまい。