第三章
「あれで大丈夫なの?」
資料室へ向かうスネークの隣を歩きながら、ルーティは心配そうな瞳で見上げて。気付いたスネークは、ルーティの頭の上にぽんと手を置くと、微笑を浮かべながら。
「少なくとも、時間稼ぎにはなる」
――潜入調査。
スネークとソニックはそういった面に強いらしく、直々に協力を要請したらしいのだ。……まあ、やり方は無茶苦茶だが。
「あれだな」
暫く廊下を歩いていると、資料室と思われる部屋の前に男が二人、話し込んでいた。
服装からして、警備員には見えないが。
「通りすぎるぞ」
スネークはルーティの手首を掴むと、一旦はその部屋の前を素通りして。すると、後ろを歩いていたウルフは立ち止まり。
「振り返るな」
気になって後ろを向こうとしたルーティに、すかさずスネークはそう告げた。
そのまま曲がり角を曲がり、すぐ傍の階段を下りて、踊り場で待機。間もなく、廊下に銃声が鳴り響いて。